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Case3-4 法律的にあり得ない
【あんた、そこに愛はあるんか? ━技能実習生制度の闇に迫る】

生活関連

2024.02.22

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き、

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

合理的にあり得ない
~キャリアアドバイザー青山智香の解明~第4話

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解明

私、青山智香は外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わっている。

今回は、失踪した技能実習生マオさんの捜索に奔走している。ダイチさんの友人の話によると、マオさんを勧誘していた会社は××株式会社という同じ県内にある建設会社であった。Facebook上にある情報から連絡を取ることができ、事情を説明してマオさんを引き取ることに納得いただいたという状況である。

この建設会社には技能実習生機構から監査が入り、恐らくこれから厳しい取り締まりを受けるだろう。



戻ってきたマオさんには、どういう事情があれ絶対に失踪してはならないこと、危険な会社は山ほどあり誤った判断で行動すると自身も罪に問われること、さらには、悩みがあればまずは組合(監理団体)や私たちに相談することなど、口を酸っぱくして伝えたところである。

正直、ここまでスムーズに身柄確保できたのは、不幸中の幸いだったといっていい。過去には、私たちスタッフ一同で捜索を行い、SNSに上がった写真の背景から居場所を特定したり、そもそも失踪しないよう寮に泊まり込みをしたりといった対応を迫られたことすらある。
それでも「先生、先生」とコミュニケーションを取ってくる子や、熱心に日本語、日本文化について学ぼうとする子もたくさんいて、つい熱くなってしまうのは私の良いところでもあり悪いところでもある。



さて、こうした実態を耳にすると技能実習生の受け入れ、外国人雇用といった慣れない雇用に踏み出そうとする企業の皆さんは躊躇してしまうかもしれない。そのような方には『雇用の現場にもユニバーサルデザインの考え方を当てはめてみては?』とアドバイスしたい。
ユニバーサルデザインとは年齢や障がいの有無にかかわらず、全ての人が利用しやすいデザインである。『誰もが働きやすい職場とは何か?』これを突き詰めていけば、働く上で必要な物事が見えてくるはずだ。

とはいえ、理想と現実が必ずしも一致するとは限らないのも事実、トラブルは起きてしまうものである。そこで、今日は技能実習生が失踪してしまったら取るべき対応手順について簡単に解説して本件を閉じさせていただけたらと思う。




*失踪後の受け入れ企業と監理団体の対応手順

もしも技能実習生が失踪してしまったら?

1.監理団体に報告
監理団体・送り出し機関・受入れ企業の3者間で捜索

2.警察に相談
失踪した技能実習生が事件に巻き込まれている可能性も考慮し、警察に捜索願を提出

3.外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時 届出書」を提出
監理団体から外国人技能実習機構に提出
監理団体の監査記録と比較し、記載された理由が正当か否かを外国人技能実習機構が判断する
正当な理由と判断されれば、失踪した技能実習生が警察に捕まり、新たな理由が明らかになった場合は、この新たな理由が正当か否か再度判断される
※提出後に技能実習生が企業に戻って来た場合は、技能実習機構の判断で実習継続が可能になるケースもある

4.退職手続きをおこなう
社会保険・雇用保険の資格喪失手続きをする

5.給与の支払い
受入れ企業は技能実習生が失踪前に就業した分の給与は給料日に支払わなければならない
※失踪理由によっては優良認定要件が減点される可能性もある

詳細は、その他コラムを参考にしていただければ幸いです。

法律的にあり得ない
【あんた、そこに愛はあるんか? ━技能実習生制度の闇に迫る】

おしまい

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