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技能実習生の生産性を向上させるポイント

教育/育成

2021.10.12

技能実習生に対して「話せば分かる」と過信するのはいけません。何を大切にして育ってきたのか、どういう考え方のもとで働いているのかという部分は、必ずしも日本で生まれ育ったスタッフと同じとは限りません。同じ感覚でない場合には、一から知ってもらう必要があります。海外人材タイムスでは、様々な企業様から技能実習生の教育・育成に関するご相談を頂く機会が増えてまいりました。本記事では、技能実習生と適切にコミュニケーションをとり、効果的な教育が行えるように、実際の事例も合わせてご紹介していきます。

海外人材活用時の課題

技能実習生は身一つで日本を訪れます。ですから、実習以外の時間は放っておくというわけにはいきません。最低限の日本語を学んでから日本に来ているとはいえスムーズにコミュニケーションをとれるほどではありませんし、日本文化や慣習に関してはわからないことだらけ。実際、技能実習制度を活用している企業224社に「大変なこと」を聞いたアンケート(複数回答可)では、最も多かった回答は「24時間体制でのトラブル対応やサポート」でした。

次いで「通院時等の付き添い、サポート」「住居の検索、契約手続き、備品の購入」と生活するうえで欠かせないこと。その他、「入居時の転入手続き、アパートの設備説明や注意事項説明」との回答も100社を超えました。慣習は国ごとに大きく違っていながら、明文化されたルールがないため、苦労している企業が多いようです。つまり、業務面だけでなく、暮らしや生活のサポートへの課題を多く感じられているのです。

しかし、それらに次いで4番目に多かったの課題が、「日本語教育や各現場での教育、日本語検定試験の申込」という教育に関するもの。

受入れ企業様にとっても、技能実習という制度の本質的にも、もちろん技能実習生にとっても、日本で生産性高く仕事ができることはとても重要なポイントであることは間違いありません。

仕事に対する考え方の違いはなぜおこるのか

日本人労働者に対する教育と違い、技能実習生などの外国人労働者に対して教育が上手くいかない理由に、「仕事に対する考え方の違い」があります。

仕事への考え方については、日本と欧米の比較がよく話題になりますが、日本とアジア各国でも同様に大きく異なっています。その理由の一つは宗教です。フィリピンはキリスト教、ベトナムは儒教や仏教などが混ざりあった独自の思想、タイは仏教徒が多数。それぞれ、働くことは罰だと考えていたり、神様から与えられたものだと考えていたりと、労働に対する考え方は大きく異なっています。

加えて、土地ごとの文化が宗教と結びついて独自の思想となっていることもあります。ですから例えば「母国にいる母が病気になったから一時帰国したい」と求められた時に、言われた側は「看病は母国の家族に任せておけばいいのに、実習を放り出して帰るなんて、やる気がない」と考えるかもしれません。しかし、そうではありません。このすれ違いは、生きてきた背景の違いで起きるものです。人生における優先順位が異なるは当然のことですから、相互理解の努力が必要でしょう。

海外人材活用企業の教育事例

前述の通り、慣習や宗教の異なる国から来た技能実習生は、基本的な考え方が大きく異なります。そのため、実技を指導する以前の段階として、日本での慣習を理解してもらうことが必要です。そこで次項では、教育に成功した事例や、上手くいっていない事例をご紹介していきます。

事例①

ベトナムからの技能実習生を毎年5名受け入れている企業。現在は15名の実習生がいて、彼らの日本語能力は簡単な日常会話ができるレベルです。そのため休日は、ボランティアで開かれている会社近くの日本語教室へ。会話能力が上がれば仕事の効率アップも図れるかと思われましたが、今度は適切な「報告・連絡・相談」が期待できないことが問題になりました。

「報告・連絡・相談」の必要性が理解できていないため、ミスが起きた報告はあるものの、1時間後や2時間後になることも多々。そうすると、ミスが起きた製品を探し、作業をやり直すという手間が発生してしまうため、小さなミスが大きな問題へと発展してしまうこともあります。そこで、改めて「報告・連絡・相談」の意義を教育。Eラーニングと1時間程度の座学で、上司側の気持ちと報告・連絡・相談」がどのように業務と自分自身に好影響を与えるかを伝えました。すると、小まめな報告・連絡・相談を行う姿勢の変化が現れ、ミスや問題への対処するスピードが改善されました。働く上で大切にしている考え方も改めて教育する必要性があると実感したようです。

事例②

受け入れ当初よりは状況が改善したものの、まだ課題も残る事例です。100名以上の技能実習生を受け入れてきた企業で、社員が日本語教育を行っており、参加は希望制です。また日本語以外の教育については入社時のみ。安全衛生についても、入社時に全員での研修という形をとっていました。そのため各個人で理解度の差があり、きちんと安全衛生についての知識がない実習生もいる状態。当然、トラブルは起こりやすくなります。実際に現場で問題となったケースもありました。

そこで、安全教育のタイミングを入社時だけでなく、半年ごとに変更。繰り返し理解を促していくことで、安全衛生の知識が浸透しました。ただその分、実際の作業にあてる時間が削られ、生産能力に影響が出ています。教育の重要性は理解できているものの、生産能力とのバランスが今後の課題となっている事例です。

事例③

教育の仕方がわからず、良い関係を築けていない事例もあります。技能実習生はまだまだ日本語を覚える途中。そのため技術を指導する社員の側が尻込みしてしまって適切な指導ができないという環境です。「言ってみてもうまく通じなかったらどうしよう」「注意して逆上されたらどうしよう」などという思い込みから、指導内容に関することまで監理団体に頼ってしまうのです。

当然ながら、監理団体の職員は常駐しているわけではありません。そうなると注意したい内容が伝わるのは何日も後。すると、実習生はミスに気づくまでミスを繰り返すことのなります。また、ミスから時間が経ってから注意を受けることで、改善がしにくいのと同時に、理不尽だという気持ちにもなりやすいもの。適切に注意・指導しなければ、実習生は「怒られないから」と手を抜いてしまうこともあります。加えて「日本語を覚えなくてもなんとかなる」とも思ってしまいかねず、職員の姿勢が教育の妨げとなってしまう事例もあります。

生産性向上のためには資質向上が必要

実習生が技術を身に着けて生産性を向上させるためには、まず日本語を教育することが大切ですが、それだけでは足りません。現場での考え方も教えることで「資質を向上させておく」ことが必要になります。仕事に対する姿勢、時間に対する考え方、日本での慣習、そして職種ごと・企業ごとに重視する文化といったものです。

じっくり教育すると社員も時間をとられますから、想定以上のコストがかかってしまうと思われるかもしれません。しかし、最初に相互理解を進めておくことで「指示通りにしてくれない」「最初と言っていることが違う」といったようなすれ違いを防げます。長い目で見れば、それが生産性を向上させていくことに繋がるのです。ですから、日本語教育と合わせて資質向上を目的とした教育をしておくことは欠かせません。

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初めて訪れた国で、実習だけでなく生活をする。それが技能実習です。実習生たちは日本に来るまでまったく異なる文化で生きてきたわけですから、日本での生活に馴染むだけでも簡単なことではありません。時には近隣住民とのトラブルに発展することもあります。そんなことにならないためにも、そして受入企業が負担を負いすぎないためにも、プロの力を借りることも検討してみてください。

海外人材タイムスでは、外国人採用支援サービスを展開する企業様を調査、並びに導入企業様へのインタビューをもとに、ベストプラクティス(優良外国人材用支援サービス)10選を決めております。

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まとめ

海外からの実習生を受け入れるにあたり、企業が責任感を持って環境整備することは必須です。しかし、全てを自社で賄おうとすると、ときに想定していなかった負担がかかる恐れもあります。例えば、実習生の住居すら見つからない可能性もありますし、ゴミ出しや騒音に関する近隣住民とのトラブルも多く発生しています。とはいえ慣れない生活でストレスを抱え、仲間内で寄り添って助け合おうという気持ちを責めることはできません。

ですから、お互いに実りある実習にするためにも、ポイントポイントで代行業者を頼ることをお勧めします。教育にコストはかかりますが、問題が起きてから解決に心を砕くよりも、事前教育によって快適な生活をサポートできる方が有効な技能実習生の活用に繋がっていきます。

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