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外国人の雇用で助成金を受け取れることも!どんな助成金を申請できる?

少子高齢化によって労働力の確保が難しい状況となっています。
そんなときこそ外国人労働者を採用したいところですが、初期投資の費用がかさむために二の足を踏んでいる経営者もいるのではないでしょうか。
そこで知っておきたい点は、外国人を雇用していると、一定の要件を満たした場合に助成金を受け取れることです。
この記事では外国人を雇用しているときに受け取れる助成金の種類、助成金を申請できる要件や申請方法について説明します。

CONTENTS

  1. 1. 助成金とは
  2. 1-1. 補助金との違い
  3. 2. 外国人雇用で申請できる助成金の種類一覧
  4. 2-1. 人材確保等支援助成金
  5. 2-2 雇用調整助成金
  6. 2-3. キャリアアップ助成金
  7. 2-4. トライアル雇用助成金
  8. 2-5. 業務改善助成金
  9. 3.まとめ

1. 助成金とは

助成金とは、雇用の安定化や研究開発の促進を目指すために政府が支給するものです。
雇用の安定化について具体的に説明すると、雇用者を増やすことや人材の育成となります。
雇用に関係する助成金は厚生労働省が支給しており、研究開発に関する助成金は経済産業省が支給しています。
助成金は一定の要件を満たしていれば、多くの場合給付を受けられます。ただし、補助金と比べると支給される額は少なめとなっています。

1-1. 補助金との違い

補助金は企業の成長をサポートすることを目的として、主に経済産業省が支給しています。
補助金は一定の予算に基づいて支給されるため、補助金を受け取れる人数が限られている場合があります。先着順の申し込みに間に合わなかったり、抽選に外れたりした場合は補助金を受け取ることができません。
一方で、補助金は制度の内容によってはまとまった額を受け取れる場合があります。支給対象者を絞っているからこそ、支給額を多めに設定できるといえるでしょう。
助成金と補助金の違いをまとめると下記の通りになります。

目的

  • 助成金:主に雇用の安定化
  • 補助金:主に企業の成長をサポート

支給される可能性

  • 助成金:要件を満たせば支給されることが多い
  • 補助金:要件を満たしていても支給されない場合がある

支給額の比較

  • 助成金:補助金と比べると少なめ
  • 補助金:比較的まとまった額が支給される

2. 外国人雇用で申請できる助成金の種類一覧

外国人雇用で申請できる助成金の種類を下記に一覧で示します。
  • 人材確保等支援助成金
  • 雇用調整助成金
  • キャリアアップ助成金
  • トライアル雇用助成金
  • 業務改善助成金

それぞれの助成金の内容、申請要件、申請方法、受給額について説明します。

2-1. 人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金には「外国人労働者就労環境整備助成コース」が設けられています。
このコースは、外国人が働きやすい環境を整備するためにかかる費用を助成する制度です。

申請するための要件
申請するための要件は下記の通りです。
  • 外国人労働者を雇用している
  • 外国人が働きやすい環境とするため下記の2つを実施する
     雇用労務責任者を専任する
     就業規則を複数の言語で作成する
  • 外国人が働きやすい環境とするため、下記の3つのうち1つを実施する
     外国人労働者の苦情・相談に応じられる体制をつくる
     一時帰国できるよう、休暇制度を設ける
     社内のマニュアルや社内の表示を複数の言語で表現する

申請するための方法
申請するための方法を下記に示します。
  • 就労環境整備計画を作成し、提出する
    ※計画期間は3か月以上、1年以内
  • 就労環境整備措置を導入し、実施する
  • 計画期間が終了してから1年後、支給申請を行う
  • 助成金を支給する

受給額
受給額は、下記の方法で計算します。

●外国人が働きやすい環境整備にかかった経費×助成率


経費に計上することが認められるのは、翻訳や通訳にかかる費用で、翻訳機器の導入費用も含みます。
そのほか、社内に多言語の標識を設置する際にかかる費用、外国人労働者の就労環境整備措置を行うために弁護士や社会保険労務士に支払う委託料も経費に計上できます。
助成率は、外国人が働きやすい環境整備にかかった経費の1/2で上限は57万円です。なお、生産性が一定の水準を超えている場合、助成率は2/3となり上限は72万円となります。

2-2 雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、景気の低迷や産業の衰退などに見舞われた事業者のうち、従業員の雇用を守る場合に給付される助成金のことです。
雇用調整助成金は、新型コロナが原因で事業の縮小を余儀なくされたとき、雇用を維持するためにも利用できます。
雇用を守る手段としては、休業する従業員に対して休業補償を支払うこと、教育訓練の実施、他社への出向があります。

申請するための要件
雇用調整助成金を申請するための要件は下記の通りです。
  • 雇用保険の適用事業主である
  • 近3か月の売上高、または生産高が前年比で10%以上減少している
  • 直近3か月の雇用者数が前年比で微増、横ばい、減少のいずれかである
    ※微増の目安:増加率ベースで中小企業は10%以下、中小企業以外は5%以下
  • 従業員を休業させる、あるいは教育訓練、出向のいずれかで雇用を守ること
  • 過去に雇用調整助成金を受けた場合は、前回の対象期間が終了した翌日から1年を超えている

申請するための方法
雇用調整助成金を申請するためには、従業員に対する休業計画を立てて従業員を休業させ、休業手当を支給します。
その後、指定された書類に休業に関する内容を記載して労働局、またはハローワークに提出します。
労働局で審査した後、定められた額が企業に支給されます。

受給額
受給額は中小企業と中小企業以外で異なります。
  • 中小企業:賃金に相当する額の2/3
  • 中小企業以外:賃金に相当する額の1/2

労働者1人あたりの上限額は、2021年8月1日時点で8,265円です。そのほか、教育訓練を実施すると、1人1日あたり1,200円が加算されます。

2-3. キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、短時間労働者や派遣労働者など非正規労働者のキャリアアップに取り組む企業に対して支給されるものです。
キャリアアップとは正社員を目指すための教育や、一定の知識や技能を身につけるなど、昇給につながるための教育を行うことを指します。

申請するための要件
キャリアアップ助成金を申請するための要件は下記の通りです。
  • 雇用保険の適用事業主である
  • キャリアアップ管理者を定めている
  • 労働者に対してキャリアアップ計画を立て、管轄地域の労働局長から受給資格の認定を受けている
  • 労働者の賃金を明確に算出できる
    ※労働者の賃金を算出する根拠は、労働条件、勤務状況、支払い状況であり、これらが明確であること
  • キャリアアップ計画期間にキャリアアップの取り組みを実施した

申請するための方法
申請する場合は下記の流れで行います。
  • キャリアアップ計画書を作成し、提出する
  • キャリアアップした従業員に対し、賃金の増額を実施する
  • キャリアアップによって増額した賃金を6か月間支払う
  • 6か月目の賃金を支払った翌日以降に助成金の申請を行う

受給額
受給額はキャリアアップの内容によって異なります。
受給額の例として、有期雇用労働者が正社員にキャリアアップした場合を示します。
  • 中小企業:1人あたり57万円
    ※生産性の向上が認められる場合は1人あたり72万円

  • ・大企業:1人あたり42万7500円
    ※生産性の向上が認められる場合は1人あたり54万円

2-4. トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金とは、トライアル雇用をした場合に支給されるものです。
トライアル雇用とは、就職が難しいとみなされた求職者を3か月間試験的に雇用する制度です。
トライアル雇用の対象となる求職者の例としては、過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している人、離職してから1年以上の人などがあげられます。
トライアル雇用の特徴は、期間が終了した後に必ずしも雇用する義務がない点です。そのため、雇用者を継続的に雇用したいかどうかを見極めたい場合に適しています。

申請するための要件
トライアル雇用助成金を申請するための要件は、トライアル雇用の制度を利用して雇用していることです。

申請するための方法
申請の流れは下記の通りとなります。
  • ハローワークに「トライアル雇用求人」を提出する
  • 採用したら、有期雇用契約を締結する
  • ハローワークに下記の書類を提出する
    トライアル雇用実施計画書
    労働条件が確認できる書類(雇用契約書など)
  • ハローワークに「トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書」を提出し、助成金の申請を行う

申請が認められると、下記に示した受給額の分を受け取れます。

受給額
トライアル雇用を行った場合の受給額は、月額で1人あたり最大4万円です。
ただし、母子家庭の母など、または父子家庭の父を雇用した場合は、月額で1人あたり最大5万円となります。

2-5. 業務改善助成金

業務改善助成金とは、事業所内で最も低い賃金を底上げするため、その投資資金として支給されるものです。
賃金を底上げするためには、生産性を高める必要があります。具体的な方法としては、生産性が向上する機器の導入や人材教育などがあげられますが、それらの費用として業務改善助成金が支給されます。
対象となる事業所は下記の通りとなります。
  • 事業内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内であること
  • 事業場の規模が100人以内であること

申請するための要件
業務改善助成金を申請する要件は下記の通りです。
  • 賃金引き上げ計画を策定し、計画に基づいて引き上げること
  • 生産性向上のために設備投資や人材教育を実施し、これらにかかった費用を支払うこと
  • 従業員の解雇や賃金の引き下げを行っていないこと

申請するための方法
申請するための方法は下記の通りです。
  • 生産性向上のためにかかった費用を計上し、助成金を申請する
  • 助成金交付申請書を提出する
  • 助成金の交付が決まったら連絡が届く
  • 計画に基づいて設備投資を行い、賃金を引き上げる
  • 事業実績報告書を提出する
  • 助成金の確定通知が届き、助成金が支給される

受給額
受給額は「生産性向上にかかった投資額×助成率」で計算されます。
ただし、賃金の引き上げ額と賃金を引き上げる人数に応じて受給額は上限が設けられます。
例えば、賃金の引き上げ額が30円、賃金を引き上げる人数が5人の場合、受給額の上限は70万円となります。
助成率は事業内最低賃金によって異なります。また、生産性が高いとにみなされた場合は、助成率が上乗せされます。
助成率の一覧を下記に示します。
  • 事業内最低賃金が900円未満の場合:4/5
    生産性の要件を満たした場合は9/10

  • 事業内最低賃金が900円以上の場合:3/4
    生産性の要件を満たした場合は4/5

3.まとめ

外国人の雇用促進を目的とした助成金は「人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース」となります。
この助成金は、外国人を雇用しており、外国人にとって働きやすい環境を整備する場合に支給されます。
なお、他の助成金は外国人を採用することで支給されるというよりは、外国人が働いている事業所において何らかの要件を満たした場合に助成金を受け取れる形となります。
つまり、外国人を採用していると、間接的な形ではあるものの助成金を受け取れる可能性があるといえるでしょう。
労働力不足の状況においては、外国人は貴重な戦力となりえます。要件を満たせば助成金の支給対象となりますので、外国人を雇用する際には、助成金制度を活用していきましょう。

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