海外人材Times

外国人労働者の雇用・採用WEBメディア

検索
海外人材Times

【特定技能】12分野・14業種を詳しく解説

我が国の人口減少とそれに伴う労働力低下の現状は、とりわけ中小企業において深刻な問題です。

そこで政府は、生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行ってもなお、人手不足の解消が困難な状況にある特定の産業分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格「特定技能」を創設しました。

本記事では、外国人労働者の新たな受け入れ口である「特定技能」の対象職種12分野・14業種について詳しく解説します。

CONTENTS

  1. 1.特定技能で受け入れ可能な12分野・14業種
  2. 2.特定技能「介護」
  3. 3.特定技能「ビルクリーニング」
  4. 4.特定技能「素形材・産業機械・電子情報関連産業」
  5. 5.特定技能「建設」
  6. 6.特定技能「造船・船用工業」
  7. 7.特定技能「自動車整備」
  8. 8.特定技能「航空」
  9. 9.特定技能「宿泊」
  10. 10.特定技能「農業」
  11. 11.特定技能「漁業」
  12. 12.特定技能「飲食料品製造業」
  13. 13.特定技能「外食業」
  14. 14.在留資格「特定技能」の取得方法
  15. 15.雇用形態
  16. 16.受け入れ体制
  17. 17.まとめ

1.特定技能で受け入れ可能な12分野・14業種

特定技能の対象となる職種は以下の12分野です。これら12分野は、国内だけでは人材確保が難しいとされる「特定産業分野」に指定されています。

・介護
・ビルクリーニング
・素形材・産業機械・電子情報関連産業※
・建設
・造船・船用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業

※「素形材・産業機械・電子情報関連産業」は、かつて「素形材産業」「産業機械製造業」「電子情報関連産業」の3分野でしたが、現在は統合され「素形材・産業機械・電子情報関連産業」に一本化されています。

2.特定技能「介護」

特定技能「介護」は、介護職および看護助手としての就労が可能です。訪問系サービスはできませんが、身体介護と不随する支援業務は制限なく行うことができますので、幅広い活躍が期待できます。

特定技能には1号と2号がありますが、特定技能「介護」は唯一2号が存在しない分野です。その理由は、就労ビザである在留資格「介護」への在留資格変更を目的としているためです。在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を取得することで特定技能から変更が可能です。在留資格「介護」が取得できれば、日本において永続的に働くことが可能になります。

3.特定技能「ビルクリーニング」

特定技能「ビルクリーニング」は、ビルメンテナンス会社において、事務所や学校、店舗などの不特定多数の人が利用する建築物の清掃業務が行えるほか、ホテルなどの宿泊施設のベッドメイク作業にも従事できます。

4.特定技能「素形材・産業機械・電子情報関連産業」

特定技能では分野によって従事できる職種が決まっていますが、特定技能「素形材・産業機械・電子情報関連産業」は統合された分野のため、統合前の旧区分で在留資格を有していた外国人は、その業務が含まれる新区分の他の業務に従事することが可能です。例えば「素形材産業」であれば、鋳造の試験に合格していた特定技能外国人は、鋳造が含まれる機械金属加工の他の業務にも従事できます。

4-1.素形材

素形材とは、金属・プラスチック・ファインセラミックスなどの素材に、熱や圧力を加えて形を作った部品や部材を言い、これらの加工を行います。

4-2.産業機械製造

産業機械製造分野では、工場や事務所内で使用される機械全般の製造をします。現在、最も多くの外国人労働者を受け入れている産業であり、受け入れ見込み数を超えたため、2022年4月より新規の在留資格認定を停止しています。

4-3.電気・電子情報関連産業

電気・電子情報関連産業では、電子機器組立やメッキ、機械加工などをします。

5.特定技能「建設」

特定技能「建設」では、業務区分「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの区分で採用することができます。もとは11職種でしたが、2022年にこの3区分に再編されました。認定を受けた在留資格に含まれる工事であれば、従事することができます。

6.特定技能「造船・船用工業」

造船・船用工業分野では、船を製造するための各工程における溶接、塗装、鉄鋼、仕上げ、機械加工、電気機器組立などに従事することができます。この分野で働く特定技能外国人は、「溶接」の区分が最も多いです。

7.特定技能「自動車整備」

自動車整備分野では、自動車の日常点検業務、道路運送車両法に規定された定期点検業務、分解整備業務に従事できます。

8.特定技能「航空」

航空分野では、航空グランドハンドリングと航空機整備に従事できます。航空グランドハンドリングは、地上で航空機の離着陸を操作する仕事で、航空機の誘導や移動、貨物の搭降載、航空機内外の清掃整備業務があります。航空機整備は、航空機の点検やエンジンオイルの交換など航空機のメンテナンス業務があります。

9.特定技能「宿泊」

宿泊分野では、ホテルや旅館において、フロント、企画・広報、接客およびレストランサービスなど、宿泊サービスの提供に係る業務に従事することができます。注目すべきは、特定技能「宿泊」では、ベッドメイキングなどの単純労働も付随的に行うことができるということです。従来、外国人がホテルで働くためには「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザが必要でしたが、このビザではベッドメイキングなどの単純労働はできなかったため、特定技能「宿泊」ではより幅広い業務が行えると言えます。

10.特定技能「農業」

農業分野では、耕種農業と畜産農業があります。耕種農業は、栽培管理や農産物の集出荷・選別などを行い、畜産農業は、飼育管理や畜産物の集出荷・選別が行えます。特定技能「農業」と次に解説する「漁業」においてのみ、派遣雇用が認められています。

11.特定技能「漁業」

漁業分野では、漁業と養殖業の2区分があり、それぞれ別の試験で在留資格を取得します。特定技能「農業」と「漁業」は直接雇用の他に派遣雇用が認められています。

12.特定技能「飲食料品製造業」

飲食料品製造業分野では、酒類を除く、飲食料品の製造・加工・安全衛生の業務に従事することができます。

13.特定技能「外食業」

外食業分野では、調理や接客のほか、店舗管理や原材料の仕入れ、配達などの幅広い業務に従事できます。

14.在留資格「特定技能」の取得方法

特定技能の在留資格を取得する方法には、「試験に合格する方法」と「技能実習2号から移行する方法」があります。試験は、「各分野の技能評価試験」と「日本語能力に関する試験」の二本立てで、両方に合格が必要です。また、試験は国内のみならず海外でも実施されています。技能実習2号から移行する方法をとる場合、試験は免除されます。

15.雇用形態

原則、直接雇用のみです。例外的に、特定技能「農業」と「漁業」に限って派遣雇用が認められています。

16.受け入れ体制

特定技能外国人を雇用する企業は、外国人労働者の業務や日常生活の支援を行うことが義務付けられています。ただし、2年間外国人の在籍がない企業は自社で支援ができず、登録支援機関と呼ばれる外国人支援を行う認定機関に委託をしなければなりません。また、登録支援機関への支援委託が必須でない企業であっても、通常業務と並行しての外国人労働者の支援は大変なため、登録支援機関への委託もあわせて検討することをおすすめします。

17.まとめ

特定技能の最大の特徴は、従来の在留資格では認められてこなかった単純労働を含む業務への従事を可能にしたことです。学歴や関連業務への従事経験も求められないため、広く外国人を集めることが期待できます。さらに、技能実習では不可能であった永住権取得を目指すこともできます。ぜひ本記事を参考に、即戦力となれる特定技能外国人の受け入れを考えてみてはいかがでしょうか。

外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!

  • 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
  • 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
  • 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
  • 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

× 教えてタイムスくんバナー画像