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【技能実習】監理団体とは?役割と見極め方

技能実習生を受け入れる際に、多くの企業は監理団体という機関を通して外国人技能実習生を受け入れています。一部、監理団体を通さずに企業単独型という受け入れ方式を採用する企業もありますが、海外に支店があるなどのケースでない限りこの方式は採れないため、現状、特に中小企業などでは、ほとんどが監理団体を通して技能実習生の受け入れを行っています。

本記事では、監理団体とはどのような組織なのか、その役割と優良な監理団体の見極め方について詳しく解説します。

CONTENTS

  1. 1.監理団体とは
  2. 2.監理団体の許可基準
  3. 3.監理団体の種類
  4. 4.監理団体の役割と主な業務
  5. 5.監理団体の問題
  6. 6.監理団体の見極め方
  7. 7.まとめ

1.監理団体とは

監理団体とは、技能実習生の各種サポートや受け入れ企業の監督を担う非営利の団体です。監理業務を行うには、主務大臣(法務大臣、厚生労働大臣)の許可が必要です。

2.監理団体の許可基準

監理団体の許可基準は以下の通りです。

①営利を目的としない法人であること
②事業を適正に行う能力を有すること
③監理事業を健全に遂行できる財産的基礎を有すること
④個人情報の適正な管理のため必要な措置を講じていること
⑤外部役員または外部監査の措置を実施していること
⑥基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに係る契約を締結していること
⑦(※第3号技能実習の実習監理を行う場合は)優良要件に適合していること
⑧その他、監理事業を適正に遂行する能力を保持していること

3.監理団体の種類

監理団体には「特定監理事業」と「一般監理事業」の2種類があります。

「特定監理事業」では、技能実習1号(1年目)、2号(2~3年目)の監理事業が許可されています。

「一般監理事業」では、特定監理事業でも行える技能実習1号、2号の監理に加え、3号(4~5年目)の技能実習監理も許可されています。

3号まで監理が行える一般監理事業の監理団体は、法令違反をしていないことや技能評価試験の合格率、指導、相談体制などで高い水準を満たすことが求められており、「優良な監理団体」と呼ばれています。技能実習を3号まで予定している場合には、一般監理事業が許可されている優良な監理団体でしか移行ができませんので、注意してください。
また、監理団体が一般監理事業であることに加え、実習実施企業も優良と認められた場合には、技能実習生の受け入れ可能人数も倍になりますので、多くの実習生を受け入れたいと思っている企業にはメリットがあります。

4.監理団体の役割と主な業務

監理団体は、受け入れ企業と実習生が適切な技能実習を行えるよう監査やサポートをする機関です。その最も重要な役割は、定期的な監査により、受け入れ先企業での賃金未払いや労働基準法の違反がないかを監督することです。他にも、様々なサポートを行っています。

4-1.定期監査、臨時監査

受け入れ企業が事前に提出した「技能実習計画」に沿って実習が行われているかを確認するため、3カ月ごとに定期監査を行います。その他、技能実習計画認定に反する疑いがあると判断された場合には、臨時監査を行います。

4-2.訪問指導

監理団体職員が実習実施企業に訪問し、技能実習の実施状況を確認するとともに、認定された技能実習計画に沿って技能実習を実施させるよう指導を行います。

4-3.技能実習計画の作成指導

技能実習生を受け入れる実習実施企業は、あらかじめ技能実習生一人一人の技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構から認定を受けておく必要があります。監理団体は、その作成に関する指導を行います。

4-4.送り出し機関の選定と契約、求人活動、面接同行

日本での駐在事務所の有無や管理費などの費用面、日本語教育水準などの要素から技能実習生を送り出す現地機関の選定と契約を行います。他にも、現地での求人活動や面接同行を行います。

4-5.技能実習生の入国手続き、入国後講習

入国管理局に申請して許可を得るなど、技能実習生の入国に関わる手続きを行います。また入国後一定期間、技能実習生に対して、日本語や日本での生活に関する知識、労働基準法などの技能実習生の法的保護に関する講習を行います。この講習は、実習実施企業へ配属される前に行うことが義務付けられています。

4-6.技能実習生の保護、支援

技能実習生が安心して日本で暮らせるように、母国語で相談できる生活相談の窓口対応を行います。相談内容に応じて、適切に対処することが求められています。

5.監理団体の問題

外国人技能実習制度では、実習実施企業での低賃金や人権侵害、実習生の失踪などの問題がありますが、本来それらを監視する役割である監理団体自体に問題があるケースも、残念ながら後を絶たないのが現状です。

実際の事例として、監理団体が送り出し機関との間で、実習生が失踪するごとに賠償金を支払わせるといった不正契約を交わしている場合や、実習実施企業への監査業務を実際には実施していないにもかかわらず、実施済として報告する「エア監査」を行う監理団体もあります。また、そもそも実態のない監理団体、いわゆる「ペーパー団体」も存在しています。

不正行為を行った監理団体は許可を取り消されます。そして、悪質な監理団体を選んでしまった場合は、通常受けられるはずのサービスが受けられないだけでなく、最悪の場合、技能実習計画の認定が取り消されることもあります。

6.監理団体の見極め方

監理団体選びは、技能実習制度を安全に活用するために最も重要です。しかしながら、現在、監理団体は日本全国で4000カ所以上も存在しており、受け入れ企業にとって最適な監理団体を選ぶことはなかなか難しいことです。

ここから、良い監理団体を見極めるポイントについて紹介します。

6-1.適正な監理業務が遂行されているか

監理団体にとって、実習実施企業の監査業務は最も重要な役割であり、実習現場で起こり得る不正行為の防止に大変有効です。しかし、その監理団体自体が監査を実施せず省略したり、監査を適正に行わなかったりといった不正を働いている場合があります。監理団体の規模や実績、評判などを事前に確認しましょう。団体の幹部に、過去に違反行為をした団体出身者がいるかどうかもチェックするポイントです。

6-2.管理費や試験料は妥当か

実習実施企業は監理団体へ、管理費、試験料などのさまざまな費用を支払うことになります。これらの費用が適正に設定されているかを確認しましょう。ここで重要なのは、あまりに費用の安い監理団体は選んではいけないということです。監理団体は非営利団体ですが、当然ながら団体の運営には費用がかかります。それにもかかわらず、初期費用や管理費が他の団体と比較してあまりにも安い場合には、監理団体を運営できるだけの人数を雇っていなかったり、悪質な送り出し機関からキックバックを受け取っていたりするリスクが潜んでいる可能性があります。

6-3.サポートの厚さ

監理団体は実習実施企業に対して、さまざまなサポートをしてくれますが、そのサポート内容は監理団体によって異なります。例えば、技能実習生の受け入れに係る準備をすべて実習実施企業に任せる監理団体もあれば、住居の準備をしてくれる監理団体もあります。訪問指導においても、じっくり実習生や企業担当者と話し合う監理団体もあれば、書類のチェックだけで終わる監理団体もあります。できる限り事前に確認しておくことをおすすめします。

6-4.受け入れ可能な国や地域

監理団体によって、実習生の受け入れに対応している国や地域が異なります。国や地域に希望がある場合は、必ず監理団体に確認が必要です。特に希望する国や地域がない場合には必須ではありません。ですが、なるべく多くの国から実習生を受け入れている監理団体を選んでおくと、希望するビジョンに合う国からの実習生の紹介を期待できます。

6-5.対応している職種、作業の確認

監理団体によって、指導や監査を行うことができる職種や作業が異なります。得意分野もありますので、ぜひ受け入れたい職種、作業に実績のある監理団体を選んでください。また、3号まで技能実習を考えている場合は、「一般監理事業」の監理団体でなければ移行できませんので、あわせて確認するようにしましょう。

7.まとめ

監理団体は、技能実習生と受け入れ企業の橋渡しをしてくれる重要な存在です。最適な監理団体を選ぶことは技能実習の成功を意味します。一方で、数ある監理団体の中から悪質な監理団体を除外し、かつ、実習実施企業のビジョンに合う最適な監理団体を見つけることは、簡単なことではないかもしれません。本記事で紹介した監理団体の見極め方を参考に、ぜひ信頼できる最適なパートナーを見つけてください。

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