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外国人雇用で知っておきたいメリット・デメリットを解説

外国人を初めて雇用する際は、日本人社員とは異なる外国人ならではの労務管理が必要となります。手続きやコミュニケーションの方法など、よく分からないことや知らないことも多いでしょう。 本記事では外国人雇用におけるメリットとデメリットについて解説していきます。 外国人を採用する前にぜひ参考にしてください。

CONTENTS

  1. 1.外国人の雇用が急増中
  2. 2.外国人採用のメリット
  3. 3.外国人採用のデメリット
  4. 4.外国人採用で気を付けたい点
  5. 5.外国人を採用する方法は?
  6. 6.外国人を採用する手続きと流れ
  7. 7.まとめ

1.外国人の雇用が急増中

厚生労働省が発表している『「外国人雇用状況」の届出状況』によると、2022年10月末時点で国内に滞在する外国人労働者数は182万人を突破しました。それ以降は過去最高記録を更新し続けています。増え続けている理由や、国籍別などの詳細を見ていきましょう。

1-1.外国人労働者が増えている理由

日本で外国人労働者が増えている背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 政府が推進している外国人労働者受け入れ施策が進んでいること
  • 雇用情勢の改善が着実に進み、身分に基づく在留資格を持つ人の就労が増えていること
  • 技能実習生の受け入れが進んでいること

政府はこれまで、少子高齢化対策や中小企業の人手不足対策として、外国人労働者の受け入れと就労の拡大を推奨してきました。「経済財政運営と改革の基本方針2018」で出入国管理や難民認定法の改正、求める技能水準の策定、受け入れ企業や支援機関による外国人労働者へのサポートなどが閣議決定された結果と考えられます。それ以降、受け入れ態勢が整備され、永住者や技能実習生などの就労が増加してきました。

1-2.国籍別の状況

2022年10月末時点で最も多い外国人労働者は「ベトナム」国籍の人で、全体の25.4%を占めています。続くのが「中国」で全体の21.2%でした。中国はかつて一番割合の多かった時期もありましたが、現在は減少傾向。かわってベトナム人の割合が増加しています。

対前年増加率が高かったのは、インドネシア、ミャンマー、ネパールの3カ国でした。かつては中国などの東アジアメインだった外国人労働者が、現在は東南アジアにシフトしつつあります。

1-3.都道府県別の状況

2022年10月末時点で、外国人労働者数が多い上位3都道府県は以下のとおりです。

  • 東京都:50万89人(外国人労働者全体の27.4%)
  • 愛知:18万8691人(外国人労働者全体の10.4%)
  • 大阪府:12万4570人(外国人労働者全体の6.8%)

なお、対前年で増加率が高かったのは、長崎県(20.2%増)、大分県(14.6%増)、山梨県(13.3%増)の順でした。

1-4.産業別の状況

外国人労働者数の産業別の割合を見ると、1位が「製造業」で26.6%、2位が「サービス業(他に分類されないもの)」で16.2%、3位が「卸売業・小売業」で13.1%となっています。また、昨年度は「宿泊業・飲食サービス業」も割合を増やし、11.5%となっています。

2.外国人採用のメリット

外国人労働者を採用することは、企業にとって大きなメリットが期待できます。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

2-1.人材不足の解消になる

最大のメリットは何と言っても、人材不足の解消でしょう。外国人を採用の対象に加えることで求職者の母数が広がり、採用につながる可能性が高まります。人材が集まりにくい業界、地方での募集にも適しています。

2-2.若い労働力を確保できる

少子高齢化が進む日本で、若い人材を確保するのは容易ではありません。しかし、日本で働きたいと望む外国人は、若い層がほとんどです。若い外国人材を採用することで社内の雰囲気が活気づき、日本人労働者に良い刺激を与える効果も期待できます。

2-3.社内グローバル化に繋がる

外国人労働者は、日本語や英語など3カ国語以上を話せる人が決して珍しくありません。海外の取引先とのやり取りやインバウンド客との対応など、さまざまな場面で活躍が期待できます。

また対応できる言語が増えることによって、これまで考えられなかった国に販路を拡大できるかもしれません。海外進出を考えている企業にとっては大きなチャンスです。

2-4.新しいアイデアが生まれる

日本人とは違う文化や環境で育ってきた外国人を採用することで、新しい視点から企画開発や生産性向上のアイデアが生まれるかもしれません。外国人特有の人脈を活用すれば、これまでとは全く別のルートが見つかる可能性もあるでしょう。

3.外国人採用のデメリット

外国人労働者を採用することには、メリットだけでなくデメリットも考えられます。

3-1.社内コミュニケーションが難しい

採用する外国人がどれだけ日本語を話せるかによりますが、場合によってはコミュニケーションが円滑に進まないことがあるでしょう。言葉だけでなく、習慣や文化、宗教の違いから、行き違いが生じることも考えられます。

3-2.労務管理に知識が必要になる

外国人労働者を常時10人以上雇用する場合は、「外国人労働者雇用管理責任者」の選任が必要になります。また、「短期滞在」や「留学」などの就労が認められない在留資格の外国人が就労した場合、入国の許可を受けていない者や在留期限を過ぎた者が就労した場合などは「不法就労」となり、雇用した事業主に罰則が科せられます。十分に注意しましょう。

3-3.就労ビザの更新が必要になる

外国人が日本で働く際には、就労できる在留資格、いわゆる就労ビザを取得する必要があります。就労ビザを取得する期間は申請の流れによって多少変わりますが、およそ1〜3カ月程度の期間が必要。また、就労ビザを取得できない職種や業種もあるので事前に確認しておく必要があります。

4.外国人採用で気を付けたい点

外国人労働者を採用するときに気を付けたいポイントを以下にまとめました。

4-1.在留資格の活動内容を確認する

在留資格にはいくつもの種類があり、資格ごとに活動内容や在留期間が定められています。自社の募集内容がどの活動内容に該当するのか、どの在留資格がある外国人なら採用できるのか、事前によく確認した上で募集しましょう。

募集する業種や職種、外国人の学歴や経歴によっては、資格が申請できない場合があります。

4-2.明確な求人内容で募集する

外国人向けの求人票に載せる文面で、あいまいな表現を使うのは御法度です。相手が日本語や日本の文化に精通していない場合、誤解を招いてしまいます。例えば「応相談」や「当社規定に従う」のような表記は日本独特のもので、その求人票を見ただけでは何が言いたいのか分かりません。

特にお金に関わる項目は分かりやすく、正確に記載する必要があります。

4-3.社内コミュニケーションを円滑にする

外国人を受け入れて活躍してもらうためには、日本人従業員の意識改革が必要不可欠です。経営層がトップダウンで外国人採用を決めたものの、実際に一緒に働く現場で受け入れ体勢が整っておらず、トラブルに発展してしまうケースが散見されます。

外国人を募集する前に従業員間で十分に議論を重ね、採用時にも一緒に働く人が面接をするなど社内の意識を醸成することが大切です。

5.外国人を採用する方法は?

ここからは具体的に外国人を採用する方法を紹介していきます。

5-1.人材派遣や人材紹介会社で募集

初めて外国人を雇用する場合や急いで採用活動を行いたい場合、大規模に求人したい場合には、人材派遣や人材紹介会社で募集する方法がおすすめです。外国人専門の人材紹介会社や派遣会社の中には、人材を集めるところから面談の設定、在留資格申請などの手続きまで行ってくれるところがあります。

人材派遣会社や人材紹介会社は、希望に沿った外国人をマッチング、雇用をサポートしてくれるため手間がかかりません。また、そうした会社は外国人雇用についてのノウハウやネットワークを持っているため、トラブルを未然に防ぐ意味でも有効です。ただし、採用にかかる費用は他の方法に比べて高めです。

5-2.ウェブサイトから募集

ウェブサイトでの人材募集は、今や外国人を採用する上でも一般的な方法になってきました。中でも便利なのは外国人専門の求人サイトです。気軽に利用できるのがメリットですが、掲載費用が発生します。また募集したからといって必ず応募があるとは限らず、応募者のレベルもさまざま。資格申請の手続きなども自前で行わなければなりません。

採用にかかるコストをできるだけ抑えたいなら自社サイトで募集する方法もありますが、仕事を探している外国人が自社サイトにたどり着くか否かは未知数。希望どおりの人材を確保できる確率は低いと言わざるを得ません。

5-3.外国人ネットワークから募集

コストを抑えるなら、知り合いの外国人や、すでに社内で働いている外国人に知り合いなどを紹介してもらう方法もあります。外国人は同郷出身者同士で独自のネットワークを築いているケースが少なくありません。すでに外国人を採用していて、同じ国の出身者の方を採用したい場合には有効な方法でしょう。

6.外国人を採用する手続きと流れ

外国人を採用する際の手続きと流れを確認しましょう。

6-1.雇用計画を立てる

最初に、どのような人材が欲しいのか、仕事内容や雇用期間、給与などの条件、採用したい外国人の予定人数といった雇用計画を立てます。

また前述のように外国人が日本で働くためには就労資格が必要となるため、募集職種がどの就労資格で働けるのか、外国人に求められる条件なども確認しておきます。就労資格は出入国在留管理庁の在留資格一覧(https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html)で確認できます。

6-2.求人を募集する

雇用計画を立てたら、採用に向けて求人募集をかけます。募集方法は前述のとおりです。

6-3.書類選考・面接

応募者の履歴書や職務経歴書などの書類を確認するのが第一段階。就労資格取得の要件を全て満たしているか、求める人材に適した人物かどうかを予め書類で確認しておきましょう。履歴書の提出だけでなく、それを裏付ける資料(卒業証明書や試験合格証明書など)の提示も求めます。

面接では「日本で働きたい理由、自社に興味をもった理由は何か」「どんな仕事がしたいのか」「最終的な目標は何か」といった、会話を通して確認できることを中心に尋ねます。対面でなくオンラインでも問題ありません。

6-4.内定・雇用契約書を作成する

希望の外国人材が見つかったら内定を出し、雇用契約を結びます。雇用契約は「雇用契約書」として紙面で作成する必要があります。就労資格を申請する際、雇用契約書の提出が求められるためです。

雇用契約書の作成にあたっては、労働契約の期間、業務内容、就業時間、残業に関する規定、賃金とその支払い方法などについて明示します。様式に決まりはなく、労働条件通知書や内定通知書と同じ内容で問題ありませんが、労働基準法などの法律に則った内容でなければなりません。日本語だけでなく外国人本人が理解できる言語(できれば母国語、最低でも英語)で作成し、労使双方の署名を交わして締結します。

6-5.在留資格を申請する

雇用契約を結んだ後、就労できる在留資格の申請を行います。資格を申請するのは、あくまでも内定を出した後。資格の申請は雇用契約を結んでいることが条件となるため、この順番を逆にすることはできません。

資格の申請方法は、既に日本にいる外国人を雇用する場合や外国から呼び寄せる場合など、条件によって異なります。既に就労資格を持っていたとしても、職種や仕事内容が変わる場合には在留資格変更許可の申請が必要になる場合があります。

6-6.受け入れ準備〜入社

無事に就労資格を取得できたら入社日を決定し、本人に知らせます。ただし、これで終わりではありません。日本での住居の手配や研修内容を決め、外国人を配属する部署で既に働いている従業員たちに周知するといった受け入れ準備を進めます。

また入社後、ハローワークに「外国人雇用状況報告」を届け出る必要もあります。これは外国人を雇用する全ての企業に提出が義務づけられているものです。さらに居住地が決まったら、市区町村の役場で外国人本人に住民登録をしてもらいます。日本に来て間もない外国人の場合は本人任せにせず、会社側が丁寧にサポートしてあげましょう。

7.まとめ

外国人を採用することには会社に多くのメリットをもたらしてくれる可能性がありますが、同時にデメリットを知り、きちんと対策しておくことも大切です。外国人を受け入れられる社内の体制づくりに努めましょう。

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