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【専門家コラム】国内人口減少と外国人材の教育について

専門家コラム

2021.04.19

少子高齢化が加速している近年、労働人口は約6000万人中、毎年50万人減少してると言われております。原因は様々あるかと思いますが、晩婚化、結婚の費用やそもそも結婚への願望がない方も多い中、高齢者の割合がさらに増えていきます。高齢者が増えると、税金の増加や介護サポートの充実など若者への負担がさらに増えていきます。
この状況を解決していく施策としてあげられるのが以下のものです。

労働人口の打開策

経済規模も減少していくのは明白なので、日本政府としては、どうにか労働人口を維持しようと動いております。その打開策としていくつか挙げられるのが

  • 1. シニア層
  • 2. 女性社員の働き方改革
  • 3. AI等のシステム導入
  • 4. 外国人材の活用

1. シニア層への期待

1のシニア層に関しては、社会人として引退された方々にさらに働いてもらえるような環境を提供します。マクドナルド等ではシニアクルーとして採用を強化しているようです。もちろん60歳以降も健康のためや、空いている時間に働きたい方はたくさんおられるかと思いますので、シニアの方々にその機会や選択肢を提供する社会は素晴らしいと感じます。

2. 女性の働き方

2の女性の働き方に関しては、結婚しそのまま専業主婦になられる(もしくは半強制的になってしまう)社会を変えていきましょうという動きです。産休制度等も大手企業では充実してきているようです。

3. AI、システムの導入

3のシステム導入は、こちらはIT技術の進歩により単純作業やAIができる作業は極力任せていきましょう、そして複雑な仕事だけを人間がやっていきましょうという施策です。仕事を極力減らすという観点から、AIはベンチャー企業では最重要セグメントにもなっており、大手企業もAIの事業に多く投資をしていっております。Saas等のWEBサービスは実用化されておりますが、AIを使ったシステムの実用化にはまだまだ時間がかかりそうです。

4. 外国人採用

そして4番の外国人採用ですが、単純に毎年減少している労働人口を外国人の方々に日本に来てもらい働いてもらおうという施策です。毎年50万人の外国人を受け入れるのは困難ですから、上記施策と合わせて政府も注目している施策になります。2019年度から新たに日本政府から発行されることになった特定技能ビザによって、2025年までの5年間で35万人の外国人労働者の就労が想定されています。
これにより、これまでの技能自習生25万と合わせると、数年後にはいわゆる”労働ビザ”以外で、50万人近くの労働者が日本で雇用されていることになります。そして、多くの日本で働く外国人材は、技能実習制度や特定技能などの制度がある東南アジアに絞られてくるのも事実です。

外国人雇用の準備(日本語教育)

企業も外国人の採用準備をしていかなければなりません。面談するにも、日本語の履歴書や、面談自体も日本語で行われるため、日本語がある程度話せる外国人材を雇用する必要があります。
その中で私の会社では最初のそして最大の課題となる言語の壁(日本語の壁)を解決をするべくオンラインでの日本語教育に注目し事業を始めました。
技能実習生でいうと、多くは東南アジアにある送り出し機関と言われる日本語とマナーを教育する機関から日本へ実習制度を利用して来日してきます。

送り出し機関では、3ヶ月で国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が運営するJLPT試験の N4(N1が一番高い)を目標として詰め込み教育が行われます。授業の質や内容は、置いておいても、なかなか他の国の言語を3ヶ月で理解するのは困難なことは想像できます。

ただ、多くの日本企業は、これを正として外国人実習生を受け入れており、仕事の上で言語の問題、コミュニケーションの問題からくる会社との摩擦で職場から逃げたしたり、時には行き場を失い犯罪に手を伸ばしてしまうケースもあります。

実習制度、特定技能制度での日本語教育の課題

実習生の目的は日本で働く(貯金をする)のが目的のため、JLPTに試験合格し来日後に学習意欲が停滞してしまう傾向もあり、同じ国、同じ言語を話す人達で固まってしまうので日本語能力も止まってしまいます。

例えば、上記のコミュニケーションの問題に対して日本語が日本人とビジネスレベルで会話できるレベルがあれば、この状況も変わってくるのではないでしょうか。仕事上も円滑にコミュニケーションができ、ミスも少なくなるでしょう。日本人の上司に相談することもできます。最初の面接で落とされる事も少なくなるでしょう。
目的が貯金であれ、自身の意見を発言し、相手の意見を理解できれば、雇用している企業側の対応もポジティブになっていくのではないでしょうか。

私の感覚になってしまいますが、JLPTレベルでいうとN2以上でないと、中々仕事でうまくコミュニケーションがとりづらいです。N2というと、1年〜2年日本語を学ばないと取得できないレベルです。日本で日本語学校へ行くにも何十万とかかりますし、大学ではさらに高額になってきます。

コロナ禍でオンライン教育が普及し、いつでもどこでもインターネットさえあれば学習できるような環境になってきました。日本語教育の分野でも様々なツールやサービスがあります。
日本人とのオンラインレッスンであれば、最低でも1回1500円はかかってしまいますが、新興国の方々で1500円の受講料を払うのは中々難しいです。日本語教育は、新興国の方にしては、とても高いのが現状で、かつ日本語教育業界の課題でもあります。
そんな中、企業の中には福利厚生の一部で日本語教育をサポートしている企業も多くなってきました。企業がサポートしないと多くの外国籍の方々は継続して言語を学習できないのが現状の大きな課題です。

今は、インターネットを通して日本人と会話できたり、オンデマンドビデオで学習することができたりもします。こういったサービスを通して少しでも外国人の方々が日本で楽しく働けるようにサポートしていくのが我々の役目だと思います。

共存していく未来

大局的な視点からいうと、やはり人口は必要ですし、労働力も必要です。今後、外国人への依存は避けられない状況です。文化の違いや教育の違いは当然あり、そこが原因で様々なトラブルや課題が出てきます。
一部のメディアでは、あたかもほとんどの実習生が犯罪をしているような報道の仕方をしていますが、私自身が実習生に質問したところ、100%の実習生は「日本での生活が楽しかった」という回答でした。

文化の違いがあれど、お互いの歩み寄る姿勢が重要で、例えば簡単な日本語を使ってみるとか、教育費用の一部を負担してみる、もしくは食事に誘ってみる等、歩み寄ることで外国人との共存社会に向けた第一歩が開かれていくでしょう。

住吉良介

info@bond-co.jp

ボンド株式会社 代表取締役社長

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