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外国人アルバイト採用するには資格外活動許可のチェックが必要!

CONTENTS

  1. 1.外国人アルバイトが急増中
  2. 2.外国人を雇用できる就労ビザとは
  3. 3.資格外活動許可とは?
  4. 3-1.資格外活動許可の確認
  5. 4.外国人アルバイトは最低賃金法が適用される
  6. 5.外国人アルバイトで禁止される職業
  7. 6.外国人アルバイトの労働時間について
  8. 7.外国人アルバイトが就労違反した場合
  9. 8.外国人アルバイトを雇用する注意点
  10. 8-1.労働時間を確認する
  11. 8-2.労働基準法に沿って管理する
  12. 8-3.在留カードで活動内容を確認する
  13. 9.まとめ

外国人留学生をアルバイトで採用する際は、現在のビザに加えて資格外活動許可の確認が必要です。許可を得ていない人を雇用すると、本人は在留資格を更新できなくなり、企業も処罰の対象になってしまいます。

本記事では、外国人アルバイト採用の注意点について、資格外活動許可を中心に解説します。

1.外国人アルバイトが急増中

厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2023年10月末時点)』によりますと、外国人労働者数は2,048,675人で、前年比225,950人増加しました。

このうち外国人アルバイト(資格外活動)の人数は、2020~2021年に新型コロナウイルスの影響によって激減しましたが、2022年より経済の回復が進むにつれて急増しています。
2023年度の資格外活動の人数は352,581人(17.2%)で、前年比21,671人(6.5%)増加しました。そのうち多くを占めているのが外国人留学生で、その数は273,777人(13.4%)です。

資格外活動で在留している外国人を国籍別に見ると、ベトナム人留学生が最も多く82,644人(15.9%)でした。次いでネパール人留学生60,723人(41.7%)、中国人留学生59,501人(15.0%)です。

産業別に見ると、外国人アルバイトを多く採用している業界は「宿泊業、飲食サービス業」で114,018人(32.3%)、そのうち留学生が95,023人(34.7%)です。

都道府県別に見ると、外国人アルバイトが最も多いのは東京都132,779人(24.5%)、次いで大阪府37,689人(25.7%)、愛知県23,263人(11.1%)でした。

文部科学省の公表する外国人留学生受け入れの目標数は、2033年までに40万人となっています。日本政府は外国人留学生を増やすために、日本語教育の充実や外国からの早期学生募集、留学生向けのインターンシップ拡充などに向けた取り組みを推進しています。

したがって、留学生受け入れの流れに伴い、資格外活動許可を得て日本でアルバイトをする外国人がさらに増加していくでしょう。

2.外国人を雇用できる就労ビザとは

在留資格とは「日本に合法的に滞在するための資格」のことを言い、一定の身分や地位があるということを認めた「入管法」における法的根拠を持つ資格です。
以下に、就労可能な在留資格の中で活動内容に制限がある19種類についてまとめています。在留できる期間や認められている活動の範囲などは、下記を参考にしてください。

外国人が日本で就業する場合、活動内容が在留資格の範囲内でなければなりません。また、在留資格で許可されている時間数を超えた労働や、認められていない活動に従事することは不可能です。

例えば、技術・人文知識・国際業務の在留資格では「ホテルで清掃をする」「居酒屋で接客をする」といった単純労働は認められません。このような単純労働に従事させた場合は、資格外活動として不法就労助長罪に問われ、企業も処罰の対象となる可能性があります。

外国人労働者を受け入れる際には、在留資格やその資格で認められている活動範囲に十分に気を付けましょう。

3.資格外活動許可とは?

資格外活動許可とは外国人留学生が「有償の活動」を行うときに必要となる許可のことです。就労資格を持っている外国人でも、その在留資格に属さない仕事をするときには必要になります。

例えば在留資格が「留学」や「家族滞在(在留資格を持つ外国人の扶養家族)」の人をアルバイトとして雇用するときや、「特定活動」の人を指定以外の仕事で雇用するときなどには、その外国人が「資格外活動許可」を受けていることが条件となります。一方で「永住者」や「定住者」は就労活動に制限がないため、対象になりません。

ちなみに、資格外活動許可を受けるには「現在持っている在留資格に関わる活動(学業など)の遂行を妨げるものではないこと」「素行が不良ではないこと」といった要件を満たさなければなりません。

以下、出入国在留管理庁「資格外活動許可について」からの抜粋

(1)申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
(2)現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
(3)申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)包括許可については当該要件は求められません。
(4)申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
 ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
 イ 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動

(5)収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
(6)素行が不良ではないこと。
(7)本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

3-1.資格外活動許可の確認

対象となる外国人が資格外活動許可を受けているかどうかは、パスポートに貼付された証印シールや資格外活動許可書のほか、「在留カード」で確認できます。「在留カード」は中長期在留者(入管法上の在留資格を持っていて日本に3カ月以上在留期間が決定された外国人。特別永住者を除く)の氏名や生年月日、在留資格、在留期間などが記されたカードのことです。

許可を受けている場合には、カード裏面に「許可:原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く」などと記されています。外国人留学生をアルバイトで採用する際には必ず確認しましょう。

4.外国人アルバイトは最低賃金法が適用される

採用するアルバイトが外国人であっても日本人であっても、同じ労働関係法令(労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法など)が適用されます。

また労働基準法第3条により、労働条件面で国籍による差別を行うことも禁止事項です。例えば外国人と日本人が同一の業務を行っているにもかかわらず賃金に差がある、最低賃金を下回っている、といった場合は法律違反となります。求人票に記載する採用要件においても、国籍の指定を行うことはできません。

外国人アルバイトを雇用する際は、労働基準法を順守するのはもちろん、労働条件を丁寧に説明した上で採用するようにしましょう。なお労働関係法令の一つである「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」では、アルバイトで働く人に対して労働条件を文書で明示することが義務付けられています。留学生の場合は日本語に不慣れなケースがあるので、時給や就労時間、休憩時間などについて分かりやすい言葉でゆっくりと説明したり、ひらがなによる書類を用意したりと配慮しましょう。

5.外国人アルバイトで禁止される職業

入管法では「風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動(※)」に当たらないことを資格外活動許可の要件としています。

※出入国在留管理庁「資格外活動許可について」からの抜粋

風俗営業に該当するのは、キャバレーや料亭、クラブ、パチンコ店、ゲームセンター、性風俗店などです。資格外活動許可をもって当該店舗で働くこと、当該店舗が資格外活動許可を持っている外国人を雇用することは禁止されています。

6.外国人アルバイトの労働時間について

資格外活動許可には、留学や家族滞在の在留資格を持っている人がアルバイトすることを想定した「包括許可」と、個々の条件(就業体験を目的とするインターンシップなど)ごとに判断される「個別許可」の2種類があります。

「包括許可」の場合、1週間に働ける時間は28時間までです。どの曜日から起算しても週28時間以内とする必要があるため、長時間連続勤務とならないように雇用する側が注意しなければなりません。

さらに、外国人が複数のアルバイトを掛け持ちする場合、全てのアルバイトを合わせた就業時間が週28時間以内でなければならない点にも注意が必要です。留学生が自社以外でもアルバイトをしている場合、そこでの就労時間を聞いた上でシフトを組むようにしましょう。

ただし、上記の規則が当てはまらないケースもあります。例えば、留学生が在籍している教育機関が学則で定めている長期休業期間にアルバイトをする場合です。このケースでは日本人と同様に一日8時間以内、週に40時間以内というルールが適用されます。

上記例外が認められるのは、あくまで「学則による長期休業期間」のみです。土日などで働ける時間があっても「学則による長期休業期間」でなければ、週28時間が上限となるため注意しましょう。

7.外国人アルバイトが就労違反した場合

資格外活動許可を有していない留学生を働かせたり、制限されている時間を超えて働かせたりすると、雇用者には「不法就労助長罪」という罪が科せられます。この場合、入管法第73条の2第1項により、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその両方の処罰が下されます。

たとえ雇用者が不法就労者だと認識していなかったとしても、「雇用者が外国人を雇用する際には、在留カード、旅券(パスポート)の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、資格外活動許可の有無等を確認すること」が義務付けられているため、過失として処罰を免れません。

もちろん不法就労が発覚すると外国人本人も罪に問われます。入管法第70条では資格外活動許可違反を意図的に、継続的に犯していた外国人本人に対して、「三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金」を科すと規定されています。

仮にそうした処罰を免れた場合でも、在留資格の更新や変更ができなくなるばかりか、退去強制の対象となる可能性もあるでしょう。退去強制された外国人は、その後最低でも5年間は日本への再入国が不可になります。最近は、外国人留学生の資格外活動やオーバーワークへの取り締まりが特に強化されています。

8.外国人アルバイトを雇用する注意点

外国人アルバイトを雇用する際の注意点を改めて振り返ります。特に注意したいのは以下の3点です。

8-1.労働時間を確認する

どの曜日から起算しても、労働時間(他で掛け持ちしているアルバイトと合わせて)が週に28時間を超えていないことを常に確認しましょう。

8-2.労働基準法に沿って管理する

アルバイトを募集する際や賃金を決める際、外国人と日本人を区別してはいけません。労働条件を書面で説明することも義務です。また最低賃金を下回る賃金で雇用してもいけません。最低賃金は地域によって異なり、更新されるので、常に最新の情報を把握しておくことが重要です。

参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」

8-3.在留カードで活動内容を確認する

外国人アルバイトを雇用する際には必ず本人に「在留カード」の提示を求め、カード裏面で資格外活動が許可されているかどうかを確認しましょう。資格外活動許可はパスポートに貼付された証印シールや資格外活動許可書でも確認できます。

9.まとめ

「留学」や「家族滞在」など就労ビザではない外国人をアルバイトで採用・雇用する際には、必ず入管法や労働関係法令を順守しましょう。うっかり労働時間が超過したり、最低賃金を下回ったりすることがないよう、管理を怠らないことが大切です。

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