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【専門家コラム】人手不足の介護業界の実態と技能実習生の活躍の実例

専門家コラム

2021.02.03

外国人の介護人材、どうすれば受け入れられるのか?

介護業界が年々人手不足になっている原因と介護業界の現状

日本の介護業界は、年々人手不足になってきています。その理由は簡単です。それは、そもそも少子化で子供の数が減っている上に、高校を卒業した後、介護専門学校へ進学する生徒が激減しているからです。ピーク時には高校卒業後、介護専門学校へ進む学生が毎年約2万人ほどいましたが、現在は約5~6千人で、そのうち半数は外国人留学生です。ということは日本人は毎年3千人ほどしか毎年入学・卒業をしないということです。

一方、日本には特別養護老人ホームだけでも約1万施設あります。仮に1施設当たり毎年5名の離職者が出るだけで、5万人の退職者が出たということです。この不足を補う必要があ流ものの、日本人の介護従事者が減少の一途をたどるのみ。この雇用のミスマッチを埋める手段として現在のところ、外国人材の活用しか無いと思われます。

介護業界にはどのような在留資格がある?

ではどのようにして外国人の介護人材を受入れれば良いのでしょうか。一言で「外国人の介護人材」と言っても様々ですが、実は、国は様々な在留資格にて受け入れることができるように既に法整備は進んでいます。

介護分野での現在ある在留資格を挙げますと、

  • ①在留資格介護 
  • ②特定技能外国人 
  • ③技能実習生 
  • ④インターン生 などのほかに、永住権取得者や配偶者が日本人である場合なども勤務可能です。

受入れやすさや在留年数などはそれぞれ異なりますので、「どの在留資格の人の採用が最適なのか」ということは、外国人の紹介を専門に行っている紹介会社に一度問い合わせることをおすすめします。

実際、外国の介護人材を受け入れてみて

思っているよりずっとうまくいく!外国人採用

上記のようなことから「よし、外国人を雇ってみよう」と思っても、初めて外国人の介護人材を受け入れるにあたって「ちゃんと働いてくれるだろうか?」「言葉の問題はどうなるのだろうか?」という不安がまず浮かびますよね。

私の経験を一言で表すと、「大丈夫、思っているよりずっとうまくいきます!」です。

現状、日本人を雇用しようとした際、「求人を出し、そこに応募してこられた僅か数人の面談を行い、その中から数名、もしくは応募者全員をひとまず採用してみる」ということが最近の傾向だと思われます。

中には多額の募集費をかけて募集したがひとりも応募がなかった、なんてこともご経験がおありなのではないでしょうか? 都心部ではまだ何とか人材の確保は出来るかもしれませんが、そうでない地域では既に深刻な人材難になっておられるのではないでしょうか?いる場合も多いでしょう。つまりそれだけ、介護人材が圧倒的に不足しているということです。

そのため、「いつかは外国人を採用しないと配置基準どころか、廃業すら考えざるを得なくなるかもしれないが、いきなり採用するのは不安なので、まずは外国人を採用した他の施設の様子を見て、うまくいっていそうだったら…」という施設様が多いのではないでしょうか。

そのような状況の方々のために、実際に外国人の介護スタッフを海外から採用した実例をご紹介させていただきます。

2019年島根県内での介護技能実習生採用の成功事例

2019年(平成31年)4月1日、島根県内にある特別養護老人ホームに弊社より介護技能実習生を2名送り出し、配属頂きました。その実習生たちはインドネシアにある弊社日本語学校で約1年間、日本語や日本の生活習慣について学んでから来日しています。

ここは地域柄、介護スタッフの確保が難しく、近隣の施設の方々も「外国人の技能実習生はどうだろう」すぐに見学に来られ、配属後約半月後には2つの施設が採用面接を行い、またその半年後には計20施設が採用を決められました。 

つまり、最初の2名が島根で実習を始めて以降たった半年後には、 20もの施設が技能実習生の採用を決定したのです。

それだけ彼女らは日本人スタッフとそん色なく、あるいはそれ以上の働きをし、受け入れて頂いた施設のすべてのスタッフから暖かく受け入れられ、それが周囲の施設の人たちにも伝わったということですね。

実際彼女・彼らは現地国の看護大学をはじめ各種の看護・介護系学校にて実習も経験しており、もともとホスピタリティを持ち合わせています。それに加えてインドネシア人はきれいな日本語を話しますので、今後全国の介護施設や病院にて活躍することとなると思います。

海外人材、どの国から受け入れるのが良いの?

次に気になるのは、海外人材を受入れる際、「どの国から受け入れるのが良いのだろう?」という点ではないでしょうか。

確かに国により国民性に多少の違いはありますが、少なくとも来日時点においては、どの国の方でもみんな等しく、「憧れの日本に来られてよかった!」「これから一生懸命頑張ろう!」という気持ちに変わりはありません。

それでも日本で実習や勤務をし、一定期間が経過すると、当初の気持ちに変化が現れます。

代表的なものは「日本人は案外冷たいなあ?」「給与が思ったより少ない!」などです。

一体何故彼ら彼女らはこう考えるようになるのでしょうか?

実習生採用の成功を左右するのは、事前に受ける国内での研修の内容

これは、入国前に自国でどのような説明を受けていたか? また、日本語をしっかり話せるようになるまで教育を受けられたか? が大きな要因となります。

技能実習生が来日する際は、現地の送り出し機関で一定期間、日本語や日本の生活習慣について学びます。しかし送り出し機関側から見ると、日本語を教育する時間が長ければ長いほど、現地日本語教育機関のコストは増加し、利益を圧迫します。

そのためそこをしっかり行わず、日本語が十分話せない状態で送り出されてしまうと、指導する立場の日本人は十分なコミュニケーションをとることは出来ません。

そうすると、必要な業務連絡だけ何とか行い、あとはほったらかし・・、会話ができないのであれば当然そうなりますよね。 結果、「日本人ってこんな人たちだったのか?」となります。これは、お互いにとってとても残念な結果です。

送り出し機関の噓にも注意

またよく聞くのが、「社長、もっと残業させてください。来る前、残業がいっぱいできると聞いていました。」なんていう会話です。 通常、採用の際、雇用条件書を取り交わし、毎月の給与は事前に確認されている筈です。それなのになぜこのようなことになるのでしょうか?それは、現地送り出し側企業が、「残業があるから給与が高くなる」と嘘を伝え、それを口実に仲介料等報酬を吊り上げているから。実際にこのようなケースもあるのです。

このように、しっかり日本語教育を行わなかったり、不当に報酬を高くしたりする現地企業があるため、来日後、様々なトラブルが生じるのです。

このようなことから、実は「どの国から技能実習生を受け入れるのが一番良いか」ということではなく、「きちんと教育して日本語を話せるようにし、しかも適切な額の報酬で送り出してくれる現地企業から外国人を受け入れること」が最も大切なのです。

阿部正一

技能実習生送り出し機関 財団法人日本技能実習生支援センター(一般) 財団法人日本技能センター(介護)日本事務局 代表

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