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【専門家コラム】外国人採用の実務

外国人採用の実務(第一回・外国人雇用と採用)

~外国人採用担当者のいない企業の外国人採用の実務~

①増加する外国人雇用

昨年までは、採用実務における売り手市場の背景及び労働力人口の絶対的な不足に伴い、外国人の採用を打ち出す企業が増加していた。例えば、外国人の新卒採用で言えば、就職する留学生の出身地は、中国や韓国はもとより、ベトナム、ネパール、スリランカなどアジア出身の外国人の方を中心に御相談をいただくケースが多いような印象を受けていた。

そして2021年1月現在の昨今、新型コロナの影響により、多少上記の状況は減速傾向にあるものの、少子高齢化の日本の現実を見据えれば、この傾向は継続してくものと思われ、もはや外国人の採用は一部の大企業のトレンドでは無いのではとの印象を受けている。

そこで今回は、まずは外国人採用における出入国管理制度、所謂『在留資格(ビザ)』とは何かについて焦点をあててお伝えしたい。この『在留資格(ビザ)』とは何なのかをご理解頂く事が、後々の皆様の外国人採用における問題解決の鍵となると思われるからだ。

 

★外国人採用を検討中の企業様からのお問い合わせ
~在留資格について~

Q.外国人留学生を新卒採用したいが、正社員にすれば在留資格が取れるのだろうか?

A.正社員にしたからと言って、在留資格が取れるわけではない。
→在留資格取得には、それぞれの在留資格の取得要件をクリアする必要があるが、まずは日本の『在留資格制度』の特徴についてお伝えしよう。

『在留資格』とは、外国人の方が日本に在留する間、どのような活動を行うことができるかを類型化した、入管法上の法的資格のことである。日本の出入国管理制度は、外国人の方の在留に関し、在留中の活動の範囲を法律によって具体的に規定する『在留資格』制度をとっており、外国人の方は、各人に認められた『在留資格』に基づいて日本に在留し、その『在留資格』の規定の範囲内で日本での活動を行うことになる。そして、その規定以外の活動をする為には、在留資格を変更するか、資格外活動の許可を取得しなければならないのである。

②外国人採用の注意点

次に、外国人採用における最初の壁である『採用』時の注意点に焦点をあててお伝えしたいと思う。何故ならこの『採用』時にこそ、日本の在留資格制度をしっかり踏まえておかなければならないと思われるからだ。

まず採用時には、その人材のスキルや適性等を考慮しながら、御社でどのように活躍して貰うか等を念頭に置いて採用を検討するものと思われるが、外国人の方の場合は、『どのように活躍』させるかを検討される前に、前述した在留資格制度により『どのような活躍』が出来るかをしっかり踏まえなければならない。そこを外してしまうと、『在留資格が許可されない』→『日本で働けない』→『採用できない』という結果になりかねないからだ。

紙面が限られている中ではあるので、まずはこれから特に外国人採用の際に取得検討する場面が最も多いと思われる在留資格『技術・人文知識・国際業務』についての取得ポイントを簡潔にお伝えできればと思う。

★外国人採用を検討中の企業様からのお問い合わせ
~各在留資格取得要件について~

Q.当社は海外取引を多く行っているグローバル企業だが、外国人を採用できるのだろうか?

A.職務内容が各在留資格の活動範囲内であり、その他の取得要件をクリアしていれば、在留資格が取得出来、採用できることになる。
 →以下に、在留資格『技術・人文知識・国際業務』についての活動範囲と取得要件を簡潔にお伝えする。

在留資格『技術・人文知識・国際業務』の取得要件について

Ⅰ.申請人が自然科学の分野又は人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事しようとする場合

 

<理系又は文系の知識が必要な職務に従事する場合(『技術・人文知識』に該当)>

①大卒若しくは10年以上の実務経験があるか?

㋐『大卒』とは短期大学・大学院・大学附属の研究所なども含まれる
なお、来日している留学生で、日本の専門学校を卒業し、かつ、『専門士』の称号を付与された外国人に対しては、特例として上記要件をクリアする運用となっている

㋑『大学と同等以上の教育をうけて』いても本要件はクリアされるが、それには短大以上の教育も含まれるので、高等専門学校の四年次及び五年次の教育も含まれる

②従事する仕事が、自然科学又は人文科学の分野のいずれかに属する学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であり、大学等の専攻との関連性があるか?

Ⅱ.申請人が外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事しようとする場合

<言葉の力や外国人特有の感性が必要な職務に従事する場合(『国際業務』に該当)>

  1. 翻訳・通訳・語学指導という職務内容の場合は大卒か否か?
    なお、『大学』とは短期大学・大学院・大学附属の研究所などが含まれる
    ※前述した専門学校卒業生は、『国際業務』の場合には要件に含まれないことに注意
  2. 広報・宣伝又は海外取引業務・服飾若しくは室内装飾に係るデザイン・商品開発その他、これらに類似する業務に従事する場合には、3年以上の実務経験があるか?
  3. 本人がただ外国人であるというだけでは足りず、当該外国人の持っている思考または感受性が日本文化の中では育まれないようなものであり、かつ、それがなければできない職務に従事する予定か?

Ⅲ.上記Ⅰ及びⅡの場合に共通する要件

  1. 雇用形態が安定的・継続的であるかどうか?
  2. 採用企業に安定性及び継続性が認められるか否か?
  3. 申請人が日本人従業員と同等以上の報酬を受ける予定か?

上記をチェックして、まずはビザ取得可能性を判断する事が重要だと思われる。

以上、今回はここまでのご説明となるが、次回からは実際の『採用』の場面における問題点についてお伝えしたい。

*各種外国人受入れ方法とプロセスに関するご質問は、国際行政書士 片平法務経営事務所までお問い合せください。

行政書士 片平 勇介

事務所メール:info@katahira-office.jp

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