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外国人の労務管理を6つのポイントで解説

外国人雇用においては、外国人社員と日本人社員が働きやすい職場づくりのために、労務管理についてポイントを押さえておきましょう。

本記事では、外国人雇用に必要な労務管理について、6つのポイントに分けて解説します。

CONTENTS

  1. 1.賃金体系と支払い方法
  2. 2.労働時間と休暇
  3. 3.人事異動、退職、解雇
  4. 4.安全衛生と災害補償
  5. 5.ハラスメント
  6. 6.在留資格
  7. 7.まとめ

1.賃金体系と支払い方法

外国人を雇用し働かせた企業は、当然ながら対価として賃金を支払う必要があります。外国人雇用の基本となりますので、賃金規定や支払い方法、注意したい点などを理解しておきましょう。

最低賃金と労働基準法

経営者であれば最低賃金という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、これは雇用者が労働者に対して支払わなければいけない賃金の最低額です。最低賃金は都道府県ごとに定められる「地域別最低賃金」と特定産業を対象に定められる「特定(産業別)最低賃金」があります。仮に雇用者と労働者の合意のもと最低賃金より低い賃金で労働契約を結んでいたとしても、その労働契約は無効とみなされ、雇用者は差額を支払わなければいけません。

最低賃金以上の賃金を支払わない雇用者に対しては、最低賃金法で50万円以下の罰金、特定(産業別)最低賃金に違反する場合は労働基準法で30万円以下の罰金とそれぞれ罰則が定められています。

最低賃金制度は当然、外国人労働者にも適用されます。賃金などの労働・雇用条件は日本人も外国人も同等の処遇が求められます。外国人労働者を安い賃金で雇用することは認められません。

給与の仕組みや控除

「基本給」と「諸手当」、時間外労働や休日労働などを行った際に支払われる「割増賃金」を合計した金額が給与です。「諸手当」は、基本給以外に支払われる金銭で、「家族手当」「通勤手当」「役付手当」「技能・資格手当」「精勤手当」「住宅手当」が該当します。この中で最低賃金制度の対象となるのは基本給と諸手当の一部となり、諸手当でも精勤手当、家族手当、通勤手当は対象となりません。

外国人労働者に毎月支払う給与ですが、雇用者は全額を支払わなければいけません。ただし、所得税や住民税といった労働者が負担するべきものについては、外国人労働者であっても日本人労働者と同様に控除できます。この時に注意したいのが、外国人労働者の出身国によっては控除を行わない国もあるということ。実際に支払われた給与が控除後の「手取り金額」だったことから外国人労働者とトラブルになったケースも報告されているので、控除の仕組みはあらかじめ説明しておきましょう。

給与の支払い方法

労働の対価として支払う給与ですが、日本では毎月1回以上、一定期日を決めて給与を支払わなければならないと法律で定められています。海外の中にはフィリピンのように給与日を月に2回設けて支払う国もありますが、日本では外国人労働者に対しても「月に1回」で問題ありません。支払い方法は原則として現金かつ日本円での支払いです。しかし、外国人労働者との合意があれば、金融機関への振り込みも認められています。

給与の締め日と支払い日について法の定めはなく、会社によってそれぞれ異なります。そのため、自社の締め日と支払い日はいつか、また支払い日が土日祝日だった場合はいつが支払い日になるのかを事前によく説明しておくといいでしょう。

2.労働時間と休暇

労働時間と休暇は、日本人と外国人の考え方の違いなどから、トラブルになることが多い項目でもあります。

労働時間

労働時間とは、使用者の指揮下に置かれて労働に従事する始業から終業までの時間を指します。日本人の感覚では始業時間とは仕事を始める時間であり、始業時間と同時に仕事が始められるように少し早く出社して準備をするのが当然……という風潮がありますが、外国人の中には始業時間とは会社に到着する時間だと考える人もいます。あるいは日本人は終業時間になったからといってすぐに退社することに引け目を感じることも多いですが、仕事とプライベートを明確に切り分ける人の多い外国人にとっては終業時間ですぐに退社してしまうことも珍しくありません。

こうしたすれ違いを避けるために、まずは時間に対する考え方は国ごとの文化によって違うものだと理解してください。その上で、日本人と同じ感覚で就業してもらいたいのであれば、始業時間は労働を開始する時間であること、準備時間にも賃金が発生すること、業務上必要な場合は時間外労働をしてもらうケースがあることなどをあらかじめルール化し、理解してもらう必要があるでしょう。

休暇

労働者が仕事を休むことを指す言葉として「休日」「欠勤」「休暇」がありますが、それぞれ意味が異なります。休日はそもそも労働義務のない日です。対して、欠勤は自己都合で労働義務のある日に仕事を休むこと、休暇は国や会社が決めた理由により、労働義務のある日に仕事を休んで良い日です。また欠勤については該当日の給与は発生しませんが、休暇の場合は給与が発生したり、給与の代わりに国から給付金が支払われたりするものもあります。

さらに休暇は、「法定休暇」と「法定外休暇」「特別休暇」に分けられます。法定休暇は「年次有給休暇」「産前産後休業」「育児休業」「介護休業」「生理休暇」「子どもの看護休暇」など、法定外休暇としては「慶弔休暇」「ボランティア休暇」「リフレッシュ休暇」などが挙げられます。

会社や国からの金銭補償がある法定休暇でも、例えば年次有給休暇が給与の100%に対して、育児・介護休業は最初の6カ月は給与の67%、それ以降は給与の50%と支払われる額に違いがあります。外国人労働者が取得を希望した際には、給与に対してどのぐらいの金銭が保障されているのかを説明するといいでしょう。

3.人事異動、退職、解雇

外国人労働者にとって大きな環境の変化となるポイントです。会社として悪いイメージを抱かせないためにも、対応方法の要点をしっかりと掴んでおきましょう。

人事異動

日本ではメンバーシップ型雇用が主流なのに対して海外はジョブ型雇用が主流というように、日本と海外では採用スタイルが異なります。人事異動に対しても、日本は会社が一方的に発令することが一般的ですが、海外ではそもそも会社側が発令権を有していないことも少なくありません。そのため、外国人労働者に対しては、就業規則の記載事項や、いつ、どのような異動や転勤があり得るのかという具体例をあらかじめ説明しておく必要があります。この説明は異動や転勤が決まったタイミングではなく、入社時に行った方が丁寧で望ましいところです。

また、外国人労働者と合意していた場合でも、在留資格の問題から異動が認められない、もしくはスムーズな異動が難しいケースが存在することは、重々理解しておきましょう。

退職

退職時のトラブルによって、会社に対して思わぬ噂や評判が生じてしまうことも珍しいことではありません。そのため、退職を希望する際は何日前までに会社に伝えなければいけないなど、退職に伴う手続きについてはあらかじめ説明しておきましょう。

また、外国人の中には退職後に必要な手続きについて知らない人も少なくありません。それによって会社が加入する健康保険や厚生年金からの切り替え手続きができていないケース、また雇用保険の未支給や在留資格の取り消しといった不利益を被るケースがあります。こうした事態を防ぐために、退職者に対しては退職後に必要になる手続きについて説明しておくといいでしょう。

解雇

解雇には、業績の悪化から人件費削減を目的とした「整理解雇」、会社の秩序を乱した労働者に対して行う「懲戒解雇」、契約不履行による「普通解雇」の3つがあります。当然、国籍を理由にした解雇は認められていませんが、正当な理由がある場合においては外国人労働者であっても解雇することが認められています。

しかし、ここで注意したいのが、解雇の正当性は国によって大きく解釈が異なるということです。例えば「普通解雇」の該当事由のひとつとなる頻繁な遅刻や欠勤にしても、日本人と外国人で労働時間に対する考え方が異なることから、不当解雇だとトラブルになることがあります。

そうした事態を防ぎ、安心して働いてもらうためにも、どういった時に解雇に該当するのか、過去にあった解雇事例とともに説明し、理解を得る姿勢が大切です。

4.安全衛生と災害補償

労働者を守るための制度ですが、外国人労働者にとって馴染みのないケースがあります。

健康診断

法律で実施が義務付けられる健康診断ですが、海外には義務付けられていない国もあります。そのため、健康診断の実施が広く認知されている日本人労働者とは違い、外国人労働者との間で検査を巡ってトラブルが発生したケースも報告されています。

外国人を雇用する時には、1年に1回(職種や業務内容によっては半年に1回)の検査が法律で決まっていること、労働者と会社を守るために実施していることなどを説明し、健康診断への理解を得ましょう。その際に、検査項目や費用は会社負担である……といった詳細についても説明すると、より納得してもらいやすいと考えられます。

労働者災害補償保険

外国人労働者であっても労働者災害補償保険(労災保険)の対象となります。労働災害の種類は「業務災害」「複数業務要因災害」「通勤災害」の3つ。それぞれ対象になるケースと対象外となるケースに分けて説明します。

「業務災害」の対象は、仕事中にけがや病気、死亡した場合です。業務時間内であっても仕事と関係のないことによるけがや病気などは対象外となります。外国人労働者が事業者の異なる二つ以上の事業場に従事していたケースでは、「複数業務要因災害」に該当します。

「通勤災害」は、通勤中にけがや病気、死亡した場合に認定されます。通勤途中であっても保険の対象になる一方、会社が認めた手段以外で通勤していた場合は対象外になります。

5.ハラスメント

誰もが被害者にも加害者にもなり得る難しい問題です。例えば、仕事のアドバイスをしたつもりであっても、それによって外国人労働者が嫌な気持ちになったと受け止められればパワーハラスメントに該当してしまう可能性があります。また、外国人労働者が挨拶のつもりでキスやハグをする場合があるかもしれませんが、これも相手の受け取り方によってはセクシャルハラスメントになります。

こうしたすれ違いは会社と外国人労働者の双方にとって不幸なこと。そうならないために、職場のハラスメントについて互いに認識を共有することは非常に大切といえます。

6.在留資格

在留資格は外国人が日本に在留して一定の活動を行うことができる、いわば法的地位です。在留資格ごとにできる活動が決まっており、外国人が日本で働くには就労が認められる在留資格が必要となります。さらに、就労が認められる在留資格であっても、在留資格ごとに従事できる業務範囲が定められています。

在留資格で認められていない活動を行ってしまうと、不法就労として外国人労働者と企業側の双方が罰せられる可能性があります。そのため、在留資格で認められた活動の範囲外となる業務を行わせる場合は、本人に在留資格変更許可申請をしてもらうなどの対策が必要です。

在留期間の管理

ほぼ全ての在留資格には期間の定めがあり、在留期間が超過する前に更新手続きを行う必要があります。手続きを怠って在留期間が超過してしまうと不法滞在となり、厳しい処罰の対象になります。更新手続きには在籍証明書など会社で用意する書類が必要になる場合があり、在留期間を把握していないと期日までに準備が間に合わないということも考えられます。

本人に任せきりにするのではなく、在留期間を会社も把握して組織的に支援する体制を構築するようにしましょう。

7.まとめ

今回は外国人労働者の労務管理のポイントを解説しました。日本人であれば感覚的に理解していることであっても、文化の違う外国人からすれば考え方が違ったり、知らないことも多かったりするという現実があります。このギャップを埋めるためには、説明の場を設けるなどして外国人労働者の理解を得ることです。企業側も正しい知識を持って、外国人労働者にもわかりやすい丁寧な説明が行えるように、準備をしておきましょう。

参考
厚生労働省 最低賃金制度とは
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-10.htm

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