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私有地で家庭菜園?!【他人の土地に勝手に植えてはいけません】
case1-3価値観的にあり得ない

生活関連

2023.12.08

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き、

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

合理的にあり得ない
~キャリアアドバイザー青山智香の解明~第3話

>第1話はこちらから
>>第2話はこちらから

事件勃発

野菜の栽培を始め、3か月が経った。あの時に植えた種も苗もすくすくと成長し、収穫の時期を迎えているものもある。



早くジャガイモも収穫できるといいな~!
じょうろに水を汲み、畑に戻ると見慣れない年配の男性がこちらを覗き込み、しきりに何か叫んでいる。

「アンタ、××××××!×××、×××××?!」

まるで何を言っているかはわからない。
…が、戸惑っているような、怒っているような、そんな表情で矢継ぎ早に話しかけてくる。

「ヤバい!なんか怖い…。この人、誰なんだろう」

咄嗟の判断で、持っていたじょうろをその場に残し、部屋にダッシュして思い切りカーテンを引いた。

まだドキドキしている。

心を落ち着けて、カーテンの隙間から外を覗くと、男性は携帯電話を畑に向け何かしているように見える。 遠くからと近くからと、携帯電話を片手にうろうろしている。

もしかしたら、写真を撮っているのかもしれない。
私の姿も……。

瞬時にカーテンを閉じ、隙間がないことを確認して、布団に潜り込む。

ゆっくり話してもらえれば、言葉の端々で多少なりともわかるけど、こうもまくしたてられると、何を言っているのかさっぱりわからない。



─日本に来てすぐの頃、スーパーのレジでまごついていたところ、後ろに並んでいた年配の男性にののしられたことがある。

話している言葉の意味はわからなかったが、舌打ちとイライラした態度で何か嫌味な言葉を浴びせられた。こうしたトラブルは、きっと日本全国で起きている。

慣れない言葉や、レジのシステム、ようやく覚えたノグチヒデヨの千円札と穴の開いた鈍色の硬貨…。

記憶がよみがえる。
あの時、隣のレジにいた若い女性が助けてくれたんだ。

「ここは、コイン、オンリー。紙はここに入れて。1548円だから、ちょうどこの50円玉が使えますね。でも、電子マネーも使えるから、携帯電話でお金を払うこともできます。ここにあるリストと携帯電話のアプリ、確認してみてください。あと、わからない時はここのボタン。店員さんが来てくれますよ」

女性は、後ろの男性には見向きもせず、丁寧にゆっくりとした日本語で、身振り手振りをつけて教えてくれた。おかげで会計はすぐに終わり、その場を切り抜けることができた。夕食前の客が多い時間帯に買い物に出てきたことを後悔した。



ふと目覚めると遠くで雷が鳴っていた。
カーテンを開けてみる。夕立だった。かなり酷かったのだろう、庭のところどころに大きな水たまりができている。今日はもう、ひとしきり降った後で、ポタポタと雨どいから水がしたたり落ちていた。

「いつの間にか、眠っちゃってたな」

時計は18時を過ぎ、どこかから夕食の匂いが漂ってきた。ドアを開け、玄関から外を覗くと反対側の空は夕陽に染まっていた。この色と匂いは、どこに居ても変わらない気がして落ち着く…。



そっと畑の方に回ってみる。人の気配はなかった。
日々、夏の日差しは強まる一方だが、こうして夕立がくるようになったことからすると、当面、水やりはしなくても大丈夫かもしれない。野菜たちも、たくさんの雨を浴びてたっぷりと水分補給ができていることだろう。


翌週、菜園の草取りをしたあといつものように買い物に行こうとすると、あの時のおじさんが現れた。

「アンタ、うちのアパートに住んどる人か?」

怖くなって、速足で立ち去ろうとした。だが、おじさんはしつこくついてきて、何やらブツブツ言っている。

「裏庭のあの畑は、誰に許可をもらっとるんじゃ?野菜作りはいいことだが、あそこはウチん土地だぞ。 アンタ、誰を通して許可してもらったんじゃ?ウチのもんか?勤めとる会社か?」

ダメだ、全然わからない。なんとなく私の家庭菜園について話しているような気もするけど、言葉が早すぎてほとんど聞き取れない。

それに…!

もしかしたら、嫌がらせで付け回されているのかもしれない。だって、あの時、写真撮ってたもの。ここのアパートは女性が半分ぐらい住んでいるし、みんな独身だし、そういうこと、もしかしたらあるんじゃないの?

とにかく、この場を切り抜けるには、逃げるしかない。

考えると同時に、足が動いていた。
あの角を曲がれば、コンビニがある、スーパーもある。人がたくさんいる…!
携帯電話を握りしめ、全力疾走した。

「ウチのは、そんな話聞いてないと言っとる。警察を呼ぶなんぞ物騒なことはせん。とにかく、事情を説明してくれ!」



風の音にかき消されそうになりながらも、遠くで叫ぶオジサンの声がいつまでも耳の奥で響いていた。
つづく

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