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【専門家コラム】技能実習生とのつきあい方・・・指導のコツとは何?

日本語能力や文化の違いから、思わぬトラブルになってしまうことがあります。
日本人の当たり前と実習生の当たり前が違うこともあります。
効果的な技能実習を行うために、実習生に対する理解も深めましょう。

実習生の「大丈夫!」は、大丈夫じゃない?
実習生の「わかりました!」は、わかっていない?

大半の実習生の日本語能力は、日本に在留する外国人の中でも、かなり低いと言えます。
実習生が便利な日本語として、真っ先に覚える日本語の1つが「だいじょうぶ」であり、「わかりました」です。作業内容がわかっていなくても「わかりました」と言いますし、「わかった?大丈夫?」と確認すると、大丈夫じゃなくても「だいじょうぶ」と言います。
また、実習生は話を聞くことや工程を確認することを面倒がります。
「ハイハイハイ・・・・」と連呼する実習生も多いです。イラっとする指導員も多いと思いますね。

弊社研修センターでもそうですが、入国直後に義務付けられている講習(日本語教育等の座学研修)中には、作業内容がわからないときのため「わかりません。もう一度お願いします。」と指導員に伝えるような練習をします。もちろん、返事は1回だけ。「ハイ」とはっきりと。も、トレーニングします。でも、企業配属後に、このルールを守れる実習生は、かなり少ないのが現状です。

ですから、指導員は、実習生が「わかっていない」ことを前提に、作業内容を伝えることが肝要です。
山本五十六の名言のように、①やってみせる ②言って聞かせる ③やらせてみる
加えて、④指導員が作業結果(理解度)を確認する。ことが大切です。
また、日本人従業員ならば、複数工程の指示も可能だと思いますが、実習生には困難です。1つの工程について、前述の①②③④を行い、それができたら次へ。というように、段階的に複数工程につなげていく。ことが、不良率を減らしていくコツになります。

カギの管理・保管は万全に!
実習生は「作業工程」を守らない?

実習生には、危険が伴うフォークリフトの運転等をさせない企業も多いですね。
ところが、休憩中に、勝手に操作して遊んだり、休日に事務所にある社有車のカギを持ち出して運転したりと・・・・実習生は、会社が想像もしないことをすることがあります。もちろん、無資格・無免許での運転なので、事故を起こしてケガをすることも多いのです。

【休憩中であっても、カギは本体から外すこと】
【勝手に持ち出しできないような鍵の管理をすること】が重要です。
事故があれば、会社の責任を問われることになりますので、十分にご注意ください。

日本の作業場の安全(工程)管理は、世界でもトップクラスだと思います。
例えば「あえて、面倒にすることで、安全を図ったり・・・」ということもありますね。
それを指導員は、実践して実習生に教え、実習生にやらせてみて、理解度まで確認しても、指導員が目を離したすきに、実習生は、平気で端折って作業します。
実習生は、端折った方が効率が良いとか、面倒だからやらないとか。勝手に判断します。

実習生は、工程だけを教えても守らないのです。

もし守らないと、こんなケガをするから、この工程が必要なのだ。ということまで教えることが必要です。日本では、到底考えられませんが、とあるアジアの国の地元工場の壁に、センセーショナルな事故とケガの写真が平然と掲示されているのを見て、大変驚いたことを覚えています。
> 単に「ケガしないために手順を守ること」と伝えるのではなく「ケガの内容をより具体的に説明する」ことが効果的なのだと思います。
いくら説明しても守らない実習生はいますから、何度も何度も繰り返すことが重要ですね。

雨が降っているから、早めに家を出よう!ではなく、
雨が降っているから、遅刻しよう!

「今日は、雪なので、一時間早く家を出ました」
大雪の日のニュースのインタビューでは、よく聞く回答ですね。
日本人は、始業時間に間に合うように、出発の時間を調整することが当たり前です。
実習生の多くは、雨(雪)が降っているから遅れるのが当たり前だと考えます。
「時間」に対する考え方が違うのですね。

「雨だから、当然に遅刻するものだ」ではなく、
日本では「遅刻しないように、いつもより早く寮を出ます」
日本では「時間を守ること」が最優先されることを、実習生にもしっかり伝えましょう。

「もういい! 今日は “帰れ!”(怒)」と
言ったら、実習生は帰ります。

注意した方は、実習生から「すみません!もう一度やらせてください。」を期待しているかもしれませんが、実習生は、悪気もなく、普通に、帰ります。最近の若い日本人社員も同様かもしれませんね。
翌日になって「昨日は、なぜ帰ったんだ!」と問うたところで、実習生には?です。
「帰ってください。・・・社長、言いました」と、言われて終わりです。
この言い方は、実習生だけでなく、既に日本人にも通用しなくなっていると思います。

「何やってんだ!コラ(怒)」と、
ヘルメットの上から、ボールペンでコツン。
これも暴力です。 ご注意を!

ヘルメットは、頭を守るための保護具ですから「ボールペンでコツン」ごときではビクともしませんが、
「頭痛い!頭痛い!・・・暴力!暴力!」と主張され、MRI検査。
こんなことがよくあります。ギャグみたいな話ですが、本当です。
むしろ検査して異常がないという証拠を取っておかないと、
後から「内容証明が届く」なんてこともあります。
殴っちゃいけないと思って「胸ぐらをつかむ」のも暴力です。
どんなにイライラしても暴力はNG。「言葉」で指導しましょう。

「見える」ところだけ「キレイ」に。ではなく、
「見えない」ところまで「キレイ」に。

日本の自動車も家電製品も建設物等も、その品質の高さは世界から賞賛されていますよね。
目に見える表面だけでなく、目には直接見えない部品や部品の裏側であっても、
丁寧に、もちろん破損も汚損もなく、キレイに仕上げるのが日本人の仕事です。
そのため、機能も優れており、正確で、壊れにくい良い製品ができるのではないでしょうか。
建設現場も同様、クロスを貼るにしても、塗装するにしても、まずは、嫌と言うほどしっかり下処理をやりますね。だからこそ、仕上がりは美しく、長く維持もされるのだと思います。

大半の実習生は、見えるところだけを「キレイ」にします。
見えないところまで「キレイ」にすることが、大切であることがわからないからです。
ですから、徹底して、その重要性を教えてあげてください。

技能実習の良いところは、
日本人の仕事の丁寧さ、緻密さ、目に見えないところまでを大切にする態度などを、
実際に体験させて教えることができることだと思います。

野口かおる

技能実習生受入れコンサルタント
株式会社Kensyu.Net 代表取締役

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