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ワーキングホリデーの外国人を雇う注意点・社会保険の適用について解説

ワーキングホリデーは、日本で休暇を楽しんだりするほかに、アルバイトなどで働くこともできます。そこでワーキングホリデーの外国人の場合、社会保険の加入はどうしたらいいのか、採用担当の方で疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

本記事では、ワーキングホリデーの外国人に適用する社会保険について解説します。

CONTENTS

  1. ワーキングホリデーとは
  2. ワーキングホリデーで滞在している外国人の社会保険
  3. まとめ

ワーキングホリデーとは

日本と協定を結んでいる国や地域に長期間滞在しながら、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とした制度です。滞在期間に休暇を楽しんだり、アルバイトをしたり語学学校に通ったりすることができます。

日本では、1980年にオーストラリアとの間でワーキングホリデー制度をスタートし、現在は、以下の29の国と地域の間で協定を結んでいます。

オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チェコ、チリ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、イタリア、フィンランド、ラトビア

ワーキングホリデーの外国人の在留資格

日本に来日するワーキングホリデーの外国人が取得している在留資格は、「特定活動」になります。「特定活動」とは、法務大臣が個々の外国人について、特に指定する活動を認める在留資格です。該当例としては、ワーキングホリデー、外交官などの家事使用人、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者などになります。

ワーキングホリデーの記載はパスポートの指定書を確認する

ワーキングホリデーで滞在する外国人の在留カードには、「特定活動」としか記載されていません。従って、在留カードだけでは、ワーキングホリデーで来日しているかどうか判断ができないため、外国人のパスポートに貼付してある指定書の内容を確認しましょう。

指定書には、ワーキングホリデーで滞在していることが記載されています。

ワーキングホリデーの外国人の滞在期間を確認する

ワーキングホリデーの滞在期間は、長くても1年間の場合が大半ですが、雇用期間が延長しないように正確な滞在期間について確認が必要です。

ワーキングホリデーの滞在期間が過ぎても働き続けた場合は、不法就労となりますので注意しましょう。不法就労助長罪に問われた会社は、懲役3年以下または罰金300万円以下の罰金が科せられます。

ワーキングホリデーで滞在している外国人の社会保険

ワーキングホリデーの外国人を雇用した場合の社会保険について確認しましょう。

ワーキングホリデーの外国人が適用する社会保険

一般に、外国人を雇用する際は以下の社会保険に加入するようになっています。

●厚生年金保険:日本の公的年金制度があり、20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務がある「国民年金」と国民年金の2階部分に当たる「厚生年金」になります。

厚生年金に加入すると、年金支給時に国民年金に上乗せした料金が支払われます。会社員の大半が原則として加入する保険です。

●健康保険:病気やけが、傷病による休業、出産、死亡などに対して、医療費の自己負担を減らして治療することができる保険です。健康保険に加入すると、高額療養費、疾病手当金、出産育児一時金、出産手当金などが支給されます。

●労災保険:業務中や通勤中に、けが・病気・障害・死亡などが起きた場合、保険料全額を事業主が負担します。労働者を1名でも雇用している会社は、加入が義務付けられています。

●雇用保険:失業や休業をした場合などに、給付を受けられます。労働者の生活や雇用の安定を図るため、また再就職の援助を行うことなどを目的とした雇用に関わる支援制度です。

ただし、ワーキングホリデーの外国人の場合は、「雇用保険」は適用外となりますので注意してください。


また、「厚生年金保険」と「健康保険」が適用外になるケースもあります。

適用外になるのは以下の場合です。

・パート・アルバイトで働く場合
・社会保障協定を結んでいる場合

パート・アルバイトで働く場合

パート・アルバイトで働く場合は、労働時間、労働日数が社員の4分の3以下であれば、保険の適用外になります。ただし、社員の4分の3以下であっても、雇用期間が2カ月を超える見込みがあること、週の所定労働時間が20時間以上であること、月収8万8000円以上であることなど、条件が異なる場合は保険加入の対象となります。

社会保障協定を結んでいる場合

社会保障協定の締結については、外国人の母国と日本での保険料を二重に払うことを防ぐために二国間で取り決めたルールです。また、年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することもできます。

社会保障協定を結んでいる国は以下の通りです。

ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国

※イギリス、韓国、イタリア、中国との協定は「保険料の二重負担防止」のみで、年金加入期間の通算は対応していません。

脱退一時金

厚生年金で支払った金額は、一部、脱退一時金として戻ってきます。脱退一時金制度とは、外国人が、国民年金、厚生年金保険の被保険者資格を喪失して日本を出国した場合、日本の住所がなくなった日から2年以内に、厚生年金の支払額の一部を請求することができる仕組みです。
詳しくは、日本年金機構:脱退一時金の制度より閲覧できます。

労災保険

労災保険は、社員1名の会社でも加入の義務があります。社員が、けがや病気で治療が必要な際に、労災保険で雇用主が全額負担します。ワーキングホリデーの外国人の場合も、パート・アルバイトであっても労災保険の加入が必要です。

労災保険給付の種類については以下の通りです。

●療養(補償)等給付 :業務または通勤が原因となった傷病の療養を受けるとき

●休業(補償)等給付 :業務または通勤が原因となった傷病の療養のため、労働することができず、賃金を受けられないとき

●傷病(補償)等年金 :業務または通勤が原因となった傷病の療養開始後、1年6カ月たっても傷病が治らないで障害の程度が傷病等級に該当するとき

●障害(補償)等給付 :業務または通勤が原因となった傷病が治らないで障害等級に該当する身体障害が残ったとき

●遺族(補償)等給付 :労働者が死亡したとき

●葬祭料等(葬祭給付) :労働者が死亡し、葬祭を行ったとき

●介護(補償)等給付 :障害等年金または傷病等年金の受給者のうち、一定の障害により介護を受けているとき

まとめ

ワーキングホリデーの外国人の雇用においては、在留資格「特定活動」の確認と滞在期間について把握しておきましょう。また、社会保険の加入については、雇用保険は適用しないため注意が必要です。脱退一時金は外国人が帰国する際に、手続きの方法を説明しましょう。労災保険については、外国人の安全を守るためにも加入が必須です。

ワーキングホリデーの外国人は約1年間の滞在となりますが、社会保険の加入が適用されますので、外国人本人に詳しく説明して理解してもらうようにしましょう。

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