海外人材Times

外国人労働者の雇用・採用WEBメディア

検索
海外人材Times

不法滞在の見分け方と在留カードのチェックポイントを解説

外国人雇用においては、不法滞在の外国人を採用しないように在留カードを確認しましょう。最近では、偽造の在留カードも出回っていますので、採用面接時にはしっかりチェックすることが必要です。
本記事では、外国人の不法滞在の見分け方と在留カードの真偽を見極める方法について解説します。最後に、在留カードについて知っておきたい疑問点を紹介しています。参考になさってください。

CONTENTS

  1. 不法滞在とは
  2. 不法滞在を見分けるには在留カードを確認する
  3. 不法滞在を見分ける方法
  4. 不法滞在防止のために企業が気を付けたいポイント
  5. 在留カードに関するQ&A
  6. まとめ

不法滞在とは

不法滞在(オーバーステイ)に該当する外国人は以下の状況にある場合です。

・有効なパスポートを持たないで入国、または入国審査官から上陸許可を受けないで上陸する目的で不法入国した外国人
・在留資格を取得していたが、在留資格の期限が切れても日本に滞在している不法残留の外国人
違反と知りつつ不法滞在している場合はもちろん、ついうっかり手続きを忘れていた場合も、どちらも法令違反に該当します。

不法滞在の外国人は、退去強制事由となりますので、本国へ強制送還されるケースもあります。強制送還された場合は、入管の記録に残り、日本への再上陸は5年間できなくなります。なお、やむを得ない事情によって不法滞在となってしまった外国人に対しては、在留特別許可によって日本に在留することが認められ、在留資格を取得できるケースもあります。

不法滞在を見分けるには在留カードを確認する

では、不法滞在の外国人を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?

外国人を採用面接する際は、外国人の日本での身分証明となる在留カードを確認することが重要です。

在留カードとは

在留カードは、新規の上陸許可、在留資格の変更許可や在留期間の更新許可などで在留資格を持つ中長期在留者に対して交付されます。在留期間が3カ月以下の外国人には交付されません。

また、在留資格を持つすべての外国人が在留カードを所持しているわけではなく、在留カードを所持していない外国人もいます。

以下は、在留カードを交付されない在留資格です。

・短期滞在
・「外交」または「公用」
・一部の特定活動
・特別永住者

在留カードの記載項目について

では、在留カードの見方について確認しましょう。在留カードには以下の項目が記載されています。16歳以上の外国人は顔写真が表示されています。記載事項に変更があった場合は、届け出が義務付けられていますので、最新の情報が確認できます。

・氏名
・生年月日
・性別
・国籍・地域
・住居地
・在留資格
・在留期間
・就労の可否

在留カードの更新について

外国人を雇用している会社では、外国人の在留カードの期限を確認しておく必要があります。更新を忘れると不法滞在に該当しますので要注意です。

在留カードの有効期限は、在留期限と同じ日になっていますので、在留カードと在留資格の更新を行うことが必要です。
更新の手続きは、在留期間満了日の3カ月前からできますので、できるだけ早めに対応してください。

更新手続きの方法については、申請書に必要書類を貼付して申請します。在留資格の更新が許可されると同時に、新しい在留カードが交付されます。申請の審査期間は、おおよそ2週間から1カ月程度になります。新しい在留カードの発行には4000円(収入印紙)を用意しましょう。

なお、在留資格「永住者」は、在留制限が無いため更新手続きは不要です。ただし、在留カードの更新は7年に1度必要なので忘れずに手続きを行ってください。

不法滞在を見分ける方法

昨今、偽造の在留カードが出回っている事件が発生しています。偽造カードの流出は、外国人雇用においてトラブルになりかねないリスクがあり、未然に防止することが重要です。

在留カードの確認方法

まず在留カードの記載事項で、主に以下の項目をチェックしてください。

氏名:本人かどうか確認します。表示されている顔写真と本人を照らし合わせて確認しましょう。
在留資格と在留期間:在留期限切れでないか、オーバーステイではないか、日付を確認しましょう。
就労の可否:就労できる・できないについてチェックします。就労制限の有無の欄には、「就労制限なし」または「就労不可」と表示されています。
資格外活動許可:就労不可の場合、留学生や家族滞在が該当しますが、在留カードの裏面に資格外活動許可が表示されている場合、週28時間以内でアルバイトができます。アルバイトでは、風俗営業に関わる仕事は除外されています。

在留カードの真偽を見分ける方法

続いて、在留カードの真偽を見分ける方法について確認しましょう。
在留カードの真偽を見分けるには、以下の方法があります。

・目で見て判断する
・アプリを利用する
・カード番号失効情報を見る

目で見て判断する

在留カードには、ホログラムや光学的変化インキなどの偽造・変造防止対策が施されています。
では、以下の4つのポイントをチェックしましょう。

「MOJ」の透かし文字を見てください
カードを上下方向に傾けると「MOJ」の文字の周囲の絵柄の色が、グリーンからピンクに変化します。変色しなければ偽造カードの疑いがあります。

顔写真の下部を見てください
銀色のホログラムの見る角度を 90度変えると、文字の白黒が反転します。反転しなければ偽造カードの疑いがあります。

カードの左端を見てください
カードを上下方向に傾けると、色がグリーンからピンクに変化します。変色しなければ偽造カードの疑いがあります。

カード裏面を見てください
暗い場所で、カードの表面側から強い光を直接当てて透かして見ると「MOJMOJ・・・」の文字が見えます。見えない場合は偽造カードの疑いがあります。

アプリを利用する

出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」を利用して見分けることができます。在留カードのICチップ内に記録された情報をもとに、真偽を確認できるアプリです。詳しくは、在留カード等読取 アプリケーション:出入国在留管理庁から使い方を確認できます。

カード番号失効情報を見る

出入国在留管理庁のウェブサイトで、カード番号の執行情報を確認できます。
在留カード等番号失効情報照会:出入国在留管理庁

不法滞在防止のために企業が気を付けたいポイント

不法滞在や不正な在留カードを見極めるために、企業が気を付けたいポイントを確認しましょう。

外国人を雇用する際は在留カードを確認する

外国人の雇用において、まずは在留カードの内容をチェックしましょう。
もし在留カードを確認しないで雇用した後に、就労不可の外国人であることがわかった場合、雇用した企業は、不法就労者を雇用したとして「不法就労助長罪」に問われるケースがあります。知らなかったでは済まされないため、在留カードは必ず確認して、不法滞在や不法就労の外国人を雇用しないように対応が必要です。不法就労助長罪の罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。

在留カードのコピーを保管しておく

外国人を採用する際は、在留カードの原本を確認した後、コピーして保管しておくことをおすすめします。外国人の在留期限の管理にも役立ちます。なお、本人確認のために在留カードとあわせてパスポートのコピーも取っておくといいでしょう。
偽造カードを見つけたら入管へ連絡する もし偽造の在留カードを見つけたり、不法就労のあっせんを持ち込まれたりした場合は、出入国在留管理庁へ連絡してください。出入国在留管理庁では、安全で安心な社会の構築のため、不法滞在・偽装滞在する外国人への対策に積極的に取り組んでいます。
情報の提供については、メール、電話、郵送で受け付けています。

在留カードに関するQ&A

在留カードについて、よくある疑問をまとめておきます。

Q在留カードはいつどこでもらえる?

A:初めて日本に入国する外国人が、下記の空港から入国する場合、「在留カード」は空港で即日交付されます。

・成田空港 NRT
・羽田空港 HND
・中部空港 NGO
・関西空港 KIX
・新千歳空港 CTS
・広島空港 HIJ
・福岡空港 FUK

上記の空港から入国しない外国人の場合、入国後に市区町村に届け出た住所宛てに在留カードが郵送されます。

Q在留カードの有効期間の更新申請を忘れたら?

A:在留カードの有効期間が経過した場合には、速やかに在留カードの「有効期間更新申請」をしてください。

在留カードの「有効期間更新申請」を申請期間中に行わなかったときは、入管法第71条の2の規定により、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあります。
なお、疾病により自ら在留カードの「有効期間更新申請」ができない場合は、同居する親族が代わって手続きをしてください。手続きをするべき親族が申請などをしなかったときは、5万円以下の過料が科せられることがあります。

Q在留カードの有効期限は?

A:16歳未満の永住者は、16歳の誕生日が在留カードの有効期限となり、その前に在留カードの更新申請をする必要があります。

16歳未満の永住者以外は、在留期間の満了日または16歳の誕生日の、どちらか早い方が有効期間となります。16歳の誕生日が先に来る場合は、その前に在留カードの更新申請をする必要があります。

Q在留カードを紛失したら?

A:在留カードを紛失または汚してしまった場合などは、最寄りの出入国在留管理庁で再交付の申請をすると新しい在留カードが交付されます。再交付の手数料は無料です。

紛失届を警察に出してから、その届を持参して入管に再交付の申請をしてください。申請は、紛失した日から14日以内に対応しましょう。
期間内に申請をしなかった場合、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあります。

Q在留カードは常に携帯義務がある?

A:在留カードは常時携帯することが必要です。なお、入国審査官、入国警備官、警察官などから提示を求められた場合には、提示する必要があります。

在留カードを携帯していなかった場合は20万円以下の罰金、提示に応じなかった場合は、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあります。
なお、16歳未満の方については、在留カードの常時携帯義務が免除されています。したがって在留カードを常時携帯する必要はありません。

Q在留カードは行政サービスに使える?

A:国民健康保険、介護保険、国民年金、教育、各種手当といった行政サービスで身分証明として使えます。外国人が日本の金融機関で口座開設する際も、在留カードを提示して手続きができます。

Q帰国する場合の在留カードは?

A:再入国許可を持たずに日本を出国する場合は、空港で出国審査の際に審査官に在留カードを返納します。一時的に出国する場合は、在留カードはそのまま所持して再入国する際に提示して入国します。

まとめ

外国人を雇用する際は、不法滞在者の採用や不正な在留カードでリスクを負わないように、事前に注意点を知っておくことをおすすめします。

最近では、偽造の在留カードも出回っていますので、会社の採用担当の方は、在留カードの真偽を見分ける方法について確認しましょう。
また、在留資格の有効期限や在留カードの更新を忘れないように、早めに更新手続きをしましょう。

外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!

  • 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
  • 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
  • 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
  • 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

× 教えてタイムスくんバナー画像