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海外在住外国人リモートワークに在留資格は必要?

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及している中、海外在住の外国人も同様にリモートワークで仕事をする方が増えています。そこで気になるのは、リモートワークで海外在住の外国人を雇用する際に「在留資格」は必要なのかという疑問です。

本記事では、リモートワークで外国人を雇用する際の在留資格、税金、社会保険などについて詳しく解説します。

CONTENTS

  1. 1.海外在住外国人リモートワーカーに在留資格は必要?
  2. 2.海外在住外国人が出張で日本に入国する場合
  3. 3.在留資格「短期滞在(短期商用ビザ)」を取得するには?
  4. 4.報酬がでる場合は別の在留資格(就労ビザ)が必要
  5. 5.海外在住外国人リモートワーカーの社会保険について
  6. 6.海外在住外国人リモートワーカーの税金について
  7. 7.まとめ

1.海外在住外国人リモートワーカーに在留資格は必要?

日本の在留資格は、日本国内で働き報酬を得る場合に必要なので、海外在住の外国人をリモートワークで雇用する場合は、在留資格を取得する必要がありません。あくまでも、日本国内で業務に従事する場合に必要なのが各種の在留資格です。

ただし、在留資格不要の海外在住リモートワーカーも、出張などで来日する場合は在留資格「短期滞在(短期商用ビザ)」が必要になります。

2.海外在住外国人が出張で日本に入国する場合

海外在住の外国人がリモートワークをする場合は在留資格が不要ですが、日本に出張する場合は在留資格「短期滞在(短期商用ビザ)」が必要になります。在留資格「短期滞在」には、観光、親族・知人訪問、短期商用などの種類があり、出張の場合は短期商用で申請します。短期商用ビザの在留期間は基本的に90日もしくは30日、または15日のいずれかです。

なお、ビザ免除国の場合は取得する必要はありません。

3.在留資格「短期滞在(短期商用ビザ)」を取得するには?

短期商用ビザは申請する外国人本人が、外国にある日本国大使館・領事館へ申請書類などを提出して申請しますが、短期商用ビザを確実に取得するためには、日本側で招へい機関と身元保証機関を立てる必要があります。
招へい機関とは日本側の企業・法人で、身元保証機関は該当する外国人の旅費などを含む滞在費用に責任を持つ企業・法人となります。招へい機関と身元保証機関は同一の企業・法人が担うのが一般的なので、雇用している企業が提出書類の作成などを担当し、雇用予定の海外在住外国人に事前に送付します。

審査に当たっては「日本に来る外国人が過去に犯罪を起こしていないか」「日本に呼び寄せる会社が信頼に値するか」「滞在の目的が明確で、認められている活動内容か」「滞在の日程、予定が明確か」「身元保証人によって滞在費、帰国旅費、法令の順守の3点が保障されているか」などの条件があります。

間違った記載をすると許可されるものも許可されないことがありますので、不安な場合は短期滞在ビザの取得を専門とする行政書士事務所などに相談することも検討しましょう。なお、不許可になると6カ月間、同一目的での再申請ができません。

4.報酬を出す場合は別の在留資格(就労ビザ)が必要

短期商用ビザは日本に最大90日間滞在できますが、日本国内の活動に対して報酬を出すことはできません。短期商用ビザは「見学・視察」や「講習・説明会・会議への参加」「業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査、その他の短期商用活動」が活動範囲であり、これらは報酬を受ける活動に該当しません。

報酬を出す場合は、それがたった1日の業務であっても短期滞在とは別の在留資格が必要となり、業務の内容によって「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を取得しなければなりません。

5.海外在住外国人リモートワーカーの社会保険について

海外在住の外国人でリモートワークに従事している場合も「日本法人と雇用契約を結んでいる」「日本法人から指揮命令を受けている」「日本法人が給与を支払っている」場合は社会保険に加入する必要があります。
その場合、海外在住の外国人は基礎年金番号やマイナンバーを持っていないので、パスポートなど公的機関が発行した本人確認書類の写しと、日本法人との雇用契約書や入社書類などで手続きをします。

5-1.健康保険

健康保険を使う場合は海外の病院にかかった費用を全額外国人本人が実費で支払い、後日、日本の健康保険の海外療養費制度を使って一定割合の給付を受けられます。ただし、日本国内の療養費を基準に算定されるので、実際に支払った治療費とは割合が一致しません(3割負担とはならない)。

5-2.介護保険

介護保険は「日本国内に住所を有する40歳以上65 歳未満の健康保険加入者が対象」なので、海外在住の外国人は対象になりません。ただし、管轄の年金事務所や健康保険組合に「介護保険適用除外等該当・非該当届」を提出する必要があるので注意しましょう。

5-3.厚生年金

健康保険と同様に厚生年金の加入も必要となります。すでに他国の公的年金に加入している場合は二重加入になりますが、日本と社会保障協定を結んでいる国であれば、日本の社会保険への加入を免除できる場合があります。社会保障協定の内容は、協定締結国ごとに異なるので、雇用する外国人リモートワーカーごとに確認が必要です。

5-4.労働保険(労災保険・雇用保険)

海外在住の外国人が社会保険の加入要件を満たしていれば、所属する日本の事業所を管轄する労災保険の給付を受けられます。リモートワークの場合は、業務上の事故かプライベートの事故かを個別に調査されます。

なお、雇用保険は海外在住の外国人は被保険者ではないため加入対象外となります。

6.海外在住外国人リモートワーカーの税金について

日本の所得税は国籍に関係なく、居住者・非居住者により課税・非課税が決まります。海外在住の外国人社員がリモートワークを行っていれば、非居住者による国外源泉所得となるので、日本の会社の仕事で、日本の会社から給与が支払われていても非課税となります。ただし、外国人が社員でなく役員の場合は課税対象となります。

6-1.役員報酬の場合

海外在住の外国人リモートワーカーが会社の役員で、役員報酬を支払う場合は課税対象となり、国内在住者と同じく源泉所得税が課税されます。

6-2.役員報酬以外の場合

海外在住の外国人が会社の役員ではなく社員である場合、給与の源泉徴収が不要となり、課税は居住国で行われます。ただし、在留資格「永住者」など日本の居住者とみなされる外国人は海外でリモートワークに従事していても給与は課税対象となり、源泉徴収が必要です。

7.まとめ

コロナ禍を経てリモートワークが世界中で広がり、働く場所を選ばない新しい働き方やライフスタイルが定着しました。
今回解説したように、優秀な外国人労働者を日本に呼び寄せることなく、現地で働いてもらうことを前提にした雇用がこれまで以上に広がっていくと思われます。
このような採用活動を推進していくためには、在留資格や社会保険、税金の知識を深めておく必要があります。日本国内で外国人を雇用する場合と日本国外で外国人を雇用する場合、それぞれの手続きの違いを心がけ、グローバル人材の採用を検討していきましょう。

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