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技能実習の企業単独型とは? 団体監理型との違い

外国人労働者・技能実習制度の受け入れ方式には、大きく「企業単独型」と「団体監理型」の二つに分けられます。現在は「団体監理型」が主流となっていますが、企業によっては企業単独型の方が適している場合もあります。

本記事では、技能実習制度における「企業単独型」と「団体監理型」の違いについて解説します。

CONTENTS

  1. 1.企業単独型とは?
  2. 2.企業単独型での受け入れ条件
  3. 3.企業単独型のメリット
  4. 4.企業単独型のデメリット
  5. 5.まとめ

1.企業単独型とは?

「企業単独型」の技能実習とは、企業が単独で外国人を受け入れ、技能実習を実施することを指します。

法務省のデータによると、「団体監理型」で技能実習生を受け入れている企業は98.3%。「企業単独型」は、わずか1.7%です。技能実習制度の受け入れ方式の中では、レアケースと言っていいでしょう。

1-1.団体監理型との違いは?

「団体監理型」は監理団体が技能実習生の受け入れ企業と契約し、実習を指導するのに対して、「企業単独型」は企業が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業と連携し、技能実習生と直接契約します。つまり技能実習生の監理責任を担うのが企業自身なのか、監理団体なのかが両者の主な違いと言っていいでしょう。

「企業単独型」では企業の監理のもとで実習を行いますが、「団体監理型」の場合、監理団体が技能実習生の教育プログラム作成などを行い、受け入れ企業はその指導に沿って実習を行います。

2.企業単独型での受け入れ条件

技能実習生を受け入れる企業は、海外の企業から自由に実習生候補を選べるわけではありません。「企業単独型」では、海外の企業と受け入れ企業が密接な関係であることを証明する書類を提出し、認定された企業間でのみ受け入れが可能となります。

ちなみに、受け入れ企業と密接な関係として認定される機関には、下記のものが当てはまります。

・本店と支店
・親会社と子会社
・子会社同士であること
・受け入れ企業の関連会社であること

こうした関係性の企業であれば、「企業単独型」で技能実習生を受け入れることができます。

また、一口に技能実習生といっても「企業単独型」で受け入れることができる技能実習生には、いくつかの条件があります。以下が主な条件です。

・実習時の年齢が18歳以上であること
・帰国した後に、日本で習得した技術を生かした業務に就く予定があること
・日本で実習を行い習得する技術は、母国では修得することができないものであること
・海外の支店や子会社または合併会社の職員で、その事業所などから転勤もしくは出向する者であること
・技能実習生やその家族が、送り出し機関や実習実施機関などから保証金を徴収されないこと、または違約金が定められていないこと

3.企業単独型のメリット

監理費用が抑えられる

「企業単独型」で技能実習生を受け入れるメリットの一つとして、監理費用が抑えられる点が挙げられます。自社で技能実習生の申請・監理を行うため、外部団体に支払う費用が発生しません。さらに多くの場合、帰国後は現地の支店や関連会社で働くことになるので、受け入れにかかったコストを回収できるのもプラス材料です。

3-1.事前に業務の取り組みが把握できる

「企業単独型」では、受け入れ先企業でどのような業務を行うのか、技能実習生が事前に現地を見学することができます。つまり、企業側も実習生の業務への取り組みを事前に知ることができるということ。これは企業側と実習生側、双方のメリットと言えるでしょう。

3-2.実習後に関連会社で就職できる

自社で実習を終えた技能実習生を関連会社に紹介できるというのも、「企業単独型」ならではのメリット。さらに実習先で良好な実績を残し、企業側がその実習生を関連会社に推薦する場合、実習生の能力や人柄を評価して採用を決定することが可能になります。

そのため企業単独型の技能実習制度は、実習生においても就職の機会が広がるというメリットがあります。

4.企業単独型のデメリット

メリットの多い「企業単独型」の技能実習ですが、デメリットも存在します。代表的なものを紹介します。

4-1.海外拠点がないと難しい

「企業単独型」の最も大きなデメリットは、海外に拠点がないと実現するのが厳しい点でしょう。

その名の通り、「企業単独型」は企業が単独で実習生を受け入れる制度なので、海外に支店や現地法人を持たない中小企業や海外進出前の企業などは、利用することができません。

また、「企業単独型」の実習制度では現地の法律や制度に詳しい人材が必要となるため、海外進出をしている企業でも、現地の法律や制度に詳しくない場合や現地でのビジネス経験が乏しい場合には利用しづらくなるでしょう。

4-2.団体監理型より人数枠が少ない

技能実習制度では、実習実施者(企業)の常勤職員の総数に応じて、受け入れ可能な技能実習生の基本人数が定められます。しかし、実際に受け入れられる実習生の数は「団体監理型」に比べて、はるかに少なくなってしまうのが一般的です。

例えば「団体監理型」の場合は、技能実習1号の区分の実習生を、職員総数から割り出された基本人数の分だけ(おおよそ職員総数の10分の1)雇うことができますが、「企業単独型」は「法務大臣及び厚生労働大臣が継続的で安定的な実習を行わせる体制を有すると認める企業」でなければ基本人数を雇うことができず、職員総数の20分の1の数に制限されてしまいます。

外国人技能実習生の受入人数枠について解説

4-3.入出国の書類の手続きが必要

「企業単独型」の場合、監理団体を通さないので入出国の書類関係の手続きや入国後の講習、実習を企業自身ですべて対応する必要が出てきます。在留資格の申請やビザ取得の手続きはもちろん、日本語教育や労働法、安全衛生面などの法令に関する講習を行わなければいけません。

さらに、実習生が住む場所の手配や交通機関の利用方法の説明、健康管理のサポートなどが必要になるため、通常よりも手続きの工数が増えることが考えられます。

5.まとめ

技能実習生を採用する際に、「団体監理型」と「企業単独型」では多くの違いがあることが分かりました。それぞれのメリットを理解し、技能実習を行う際の参考にしてください。

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