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【専門家コラム】取次制度について

専門家コラム

2022.10.13

外国人の受け入れには、様々な手続きや書類の準備が必要となります。その中でも、特に煩わしいと感じるのが入管への在留資格の申請手続きではないでしょうか。ご存じの方も多いかと思いますが、入管への申請においては、外国人本人又は代理人のほか、「申請取次者」も制度上手続きが可能な者として認められています。

本記事では、「申請取次者」について、どのような人が該当するのか、取次が出来る範囲、代理人との違い、そして私の申請取次経験からの反省点・失敗談などをお話させていただければと思います。

【取次制度の概要】


入管庁のHPでは申請取次制度について下記の様に記載されています。
「在留期間更新許可申請等の在留諸申請や在留カードの記載事項変更等の手続については、地方出入国在留管理局への本人出頭を原則としていますが、その例外として、法定代理人が申請を行うケースのほか、地方出入国在留管理局長が適当と認める者について、外国人本人の申請等の取次ぎを行うことを可能とする申請等取次制度を定めています。」

申請等取次制度について
https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00262.html

他の人でも申請(取次)できますよという、ことです。

どのような人が該当するのか

受入れ機関等の職員、旅行業者の職員、公益法人の職員、弁護士、行政書士が該当します。
そのため、外国人の受入れをお考えの企業様の場合、受入れ予定の外国人について、「受入れ機関等の職員」として、取次を行うことが可能です。入管慣れしている外国人の方であれば一人で行ってもらえば楽ですが、入管慣れしていない方であれば不安に感じることも多々あるでしょうから、取次者として一緒に行ってあげれば外国人の方は安心すると思います。

 ただし、受入れ機関(雇用元の企業)の場合にも、「申請等取次者証明書」を持っている人のみが取次できますので、注意が必要です。

申請取次者になるには

申請取次者になるには、所定の要件を満たす必要があります。

(1) これまでに入管法に違反する行為その他外国人の入国・在留管理上申請等の取次ぎを承認することが相当でない行為を行ったことがない等信用できる者であること。また、承認を受けようとする者が所属する機関も同様に信用できる機関であること。

(2) 出入国在留管理行政に関する研修会等への参加等その経歴に照らし、外国人の入国・在留手続に関する知識を有していると認められる者であること。

(3) 旅行業者の職員の方については、所属する会社が外国旅行に係る旅行業務を取り扱うことができるものであること。

(2)につき、一定の研修機関が主催している研修会を修了し、修了書を提出することで「知識を有している」と認められます。研修会の詳細については、入管協会等のHPをご参照ください。

取次が出来る範囲


在留資格認定証明書交付申請、変更許可申請、更新許可申請といった、在留資格に関するメインなる申請の他、在留カードの再交付申請や記載事項の変更届出なども行うことが可能です。
もちろん、申請だけでなく在留カードの受取を行うこともできます。

【取次範囲】

在留資格認定証明書交付申請(注4)
資格外活動許可申請(注5)
在留カードの住居地以外の記載事項変更届出
在留カードの有効期間更新申請
在留カードの紛失等再交付申請
在留カード汚損等再交付申請
在留カードの交換希望による再交付申請
在留カードの再交付申請命令による再交付申請
在留資格変更許可申請
在留期間更新許可申請
在留資格の変更による永住許可申請
在留資格取得許可申請
在留資格の取得による永住許可申請
再入国許可申請
就労資格証明書交付申請
申請内容の変更申出
在留カードの受領

(注4)登録支援機関の職員以外の受入れ機関等の職員は代理人として申請が行えるため、取次ぎが認められていません。
(注5)技能実習生については、資格外活動が認められていません。

受入れ機関等の職員の方
https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00256.html

代理人との違い

本人に代わって書類を提出できる取次者ですが、何でもできる訳ではありません。
むしろ、出来る範囲はかなり限られています。「代理人」とは違い、取次者は学問上の「使者」に過ぎません。

代理人:本人に代わり意思表示を行う(法律行為を行う)
使者:本人の意思表示を伝達するのみ(事実行為のみを行う)

そのため、申請書や資料の提出等の事実行為を行うことが認められているものであって、申請人・届出人として署名したり、記載内容を直接訂正等することはできない点にご注意ください。

【実際に申請取次を行ってみて】

実際に申請取次を行ってみると、思わぬ落とし穴に遭遇することが多々あります。
以下、私が実際に体験した出来事(失敗談)について下記にまとめさせていただきます。ここからは完全なる偏見ですが、出る順(遭遇順)に記載いたします。

申請時

  1. 署名、又は書類が抜けている

     これは本当に気をつけなければなりません。転職を予定している方であれば、転職先の会社の近くに引っ越す必要があります。転出届のみをして、転入届をしていなかった場合、受け取りをすることが出来ません。外国人の方が引っ越し(転出)をしたことを伝えてくれないか、又はこちらが把握できていなかった場合、受け取りの際に初めて発覚して受け取れないことになります。  転出については在留カード上には何も記載されませんので、コミュニケーションを密にとる、管理表を作るなどしてしっかり把握していきましょう。

  2. 住所・在留カード等の番号が違う

     署名のミス等に似ていますが、こちらもしばしばあります。ただ取り次ぐだけとは思わず、在留カードやパスポート記載の住所・番号と、申請書記載の内容があっているか確認するようにしましょう。  特に、本人が在留カード交付後に引っ越しをしている場合には、在留カードの裏面に新しい住所が記載されているので、それに気づかず従前の住所を申請書に記載している、ということがあります。こちらもよく確認するようにいたしましょう。

  3. 呼ばれても気づかない

     私の場合には、東京入管でよくありました。東京入管は内部が広く、申請カウンターと受取カウンターが別の区画にあり、両方の手続きをしに行く場合には、どちらも受け付けだけ済ませた後は片方のカウンター近くで待つ、ということをしておりました。  そのため、あと1時間くらいかかるだろうと思っていた申請や受取の待ち時間が、実は20分ほどで終わっていたことがあり、非常に時間を無駄にした経験があります。時間を無駄にするだけならまだしも、窓口の方に「さっきから何回も呼んでました」とお叱りいただいたこともあり、苦い経験です。

  4. 長時間並ぶ(その結果、受付時間を過ぎてしまう)

    こちらはあまりありませんが、いつも時間ギリギリに行動される方はご注意ください。16時までに東京入管に入場できればあとはゆっくりしても大丈夫、と思って16時ギリギリに入場していたことがあり、まずは申請をしてそれから受取、と考えていた時のことです。申請の受付に時間がかかり、16時15分ごろに在留カードの受取のカウンターに行ったのですが、すでに受付時間を終了しており、受け取れないことがありました。
     在留期限に余裕があればごめんなさいで済むかもしれませんが、期限に余裕がなければオーバーステイにつながりかねませんので、在留期限や申請手続きについては余裕をもって臨むようにいたしましょう。

受取時

  1. 転入届をしていない

    これは本当に気をつけなければなりません。転職を予定している方であれば、転職先の会社の近くに引っ越す必要があります。転出届のみをして、転入届をしていなかった場合、受け取りをすることが出来ません。外国人の方が引っ越し(転出)をしたことを伝えてくれないか、又はこちらが把握できていなかった場合、受け取りの際に初めて発覚して受け取れないことになります。
    転出については在留カード上には何も記載されませんので、コミュニケーションを密にとる、管理表を作るなどしてしっかり把握していきましょう。

  2. 手数料納付書を忘れる

    最初のうちは、転入届よりもこちらでつまずくことが多いかもしれません。受け取りの際に、「手数料納付書」を出さなければなりませんが、本人の署名が必要です。
    在留カード・パスポートだけでなく、こちらの書類も忘れずに持参するようにしましょう。

手数料納付書
https://www.moj.go.jp/isa/content/930002853.pdf

【まとめ】

本人に代わって申請取次ができる取次制度は便利な制度です。
本人に直接会うことや、申請人・届出人として署名することはできないことなどの注意点はありますが、しっかり制度を理解した上で利用するのであれば、確実に外国人採用はスムーズに進むでしょう。
是非積極的にご活用いただければ幸いです。

奥 裕也

行政書士

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