海外人材Times

外国人採用のすべてが分かるバイブル

検索
海外人材Times

違法な賃金設定に注意!外国人労働者の最低賃金は?

知識

2022.04.11

外国人労働者を雇用する場合に疑問に感じることとして「賃金をいくらにすれば良いか」というものがあります。

日本では「最低賃金」が定められており、労働者に対しては最低賃金以上の額を支払う必要がありますが、それは外国人労働者も対象なのでしょうか。

この記事では外国人労働者の最低賃金について説明します。

それに関連して、最低賃金の制度や日本全国の地域別最低賃金についても触れるほか、賃金の支払額が違法である場合の罰則についても解説します。

CONTENTS

  1. 1. 外国人労働者の最低賃金は?
  2. 1-1. 外国人労働者を最低賃金以下で働かせることは問題
  3. 2. 最低賃金法・最低賃金制度とは?
  4. 2-1. 最低賃金の種類「地域別最低賃金」
  5. 2-2. 最低賃金の種類「特定最低賃金」
  6. 3.日本全国の地域別最低賃金
  7. 4. 違法な賃金にした場合の会社に対する罰則
  8. 5. まとめ

1. 外国人労働者の最低賃金は?

外国人労働者の最低賃金は、日本人労働者の最低賃金と同額です。

その理由は、日本で働く人に対しては国籍を問わず日本の法律が適用されるためです。
日本で働く外国人労働者はベトナムや中国、フィリピンなど、主にアジアの出身者が多くみられます。
これらの国々の平均賃金は日本と比べると安いですが、日本で働く以上は日本の最低賃金が提供されることを理解しておきましょう。

なお、最低賃金の額は都道府県ごとに異なります。くわしくは「日本全国の地域別最低賃金」の項目を参照してください。

1-1. 外国人労働者を最低賃金以下で働かせることは問題

外国人労働者の賃金に関する問題として、一部の企業が外国人労働者を最低賃金以下で働かせていることがあります。
もし、最低賃金以下で外国人労働者を働かせてしまうと、賃金が安すぎることを理由に離職につながりかねません。
さらには、外国人労働者が「日本は最低賃金以下で働かせる国だ」と批判する可能性もあります。
それにより、日本で働くことを考えていた外国人は「日本では働きたくない」と考えるかもしれません。

このように、外国人労働者を最低賃金以下で働かせると、外国人労働者が少なくなる原因になりかねない点を留意しておきましょう。

2. 最低賃金法・最低賃金制度とは?

最低賃金法とは、賃金の最低額を保証する法律です。
賃金の最低額が決められた背景は、労働者の賃金を適正な額として不当に低くならないようにすることです。
最低賃金を定めることにより、労働条件の改善が見込まれるほか、労働者の賃金が適正となることで安定的な生活を送りやすくなります。
最低賃金は基本給や諸手当といった基本的な賃金のみが対象です。残業代や通勤手当、ボーナスなどは最低賃金の対象外となります。

2-1. 最低賃金の種類「地域別最低賃金」

最低賃金は「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。
地域別最低賃金とは、都道府県ごとに設定された最低賃金のことです。
最低賃金を地域別に設定する理由は、地域ごとに必要となる生活費が異なるためです。

例えば、首都圏では地価が高いために住居費がかかります。そのため、首都圏の最低賃金は全国的にみると高めに設定されています。
そのほか、最低賃金は各地域の平均賃金、企業の賃金支払い能力も考慮したうえで決められます。
各都道府県の最低賃金の額は後述します。

2-2. 最低賃金の種類「特定最低賃金」

特定最低賃金とは、特定の産業に対して設定された最低賃金のことです。
特定最低賃金が設定されている産業の一例をあげると、電子製品製造業、鉄鋼業、自動車製造業があります。
特定最低賃金が設定される産業は、一定以上の知識や技術が求められます。そのため、特定最低賃金は一般的な最低賃金よりも高めに設定されています。

3.日本全国の地域別最低賃金

日本全国の地域別最低賃金を下記に示します。

下記の最低賃金は2021年度のものです。最新の最低賃金については、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/

最低賃金は例年10月に見直しされます。なお、年によっては前年と同額の場合があります。

  • 北海道:889円
  • 青森:822円
  • 岩手:821円
  • 宮城:853円
  • 秋田:822円
  • 山形:822円
  • 福島:828円
  • 茨城:879円
  • 栃木:882円
  • 群馬:865円
  • 埼玉:956円
  • 千葉:953円
  • 東京:1,041円
  • 神奈川:1,040円
  • 新潟:859円
  • 富山:877円
  • 石川:861円
  • 福井:858円
  • 山梨:866円
  • 長野:877円
  • 岐阜:880円
  • 静岡:913円
  • 愛知:955円
  • 三重:902円
  • 滋賀:896円
  • 京都:937円
  • 大阪:992円
  • 兵庫:928円
  • 奈良:866円
  • 和歌山:859円
  • 鳥取:821円
  • 島根:824円
  • 岡山:862円
  • 広島:899円
  • 山口:857円
  • 徳島:824円
  • 香川:848円
  • 愛媛:821円
  • 高知:820円
  • 福岡:870円
  • 佐賀:821円
  • 長崎:821円
  • 熊本:821円
  • 大分:822円
  • 宮崎:821円
  • 鹿児島:821円
  • 沖縄:820円

全国加重平均:930円

出典:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
https://www.mhlw.go.jp/

4. 違法な賃金にした場合の会社に対する罰則

賃金の額が違法である場合、その会社は罰則を受けます。
賃金の支払額が最低賃金を下回っている場合は、50万円以下の罰金が科せられます。
利益を出すことを目的として賃金の支払額を抑えてしまい、結果として高額な罰金を科せられると本末転倒です。

労働の対価として、外国人労働者には最低賃金以上の賃金を支払いましょう。

そのほか、最低賃金法では下記についても罰則を定めています。


30万円以下の罰金
  • 労働者に対して最低賃金を周知していない
  • 労働基準監督署から報告を求められた際に報告していない
  • 労働基準監督官による立ち入り検査を拒否した

下記の場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

労働者に対して最低賃金以下の賃金を支払った場合、労働者が労働者基準監督署に不服を申し立てたことに対し、使用者が労働者を解雇、または不当に対処した場合

5. まとめ

外国人労働者に対しても、日本の最低賃金が適用されます。そのため、外国人労働者の賃金は、日本の最低賃金以上の額を支払う必要があります。
なお、最低賃金は地域によって異なります。厚生労働省が各都道府県の最低賃金額を公表しているので、最低賃金の額を確認したうえで賃金を決めましょう。

賃金の支払額が最低賃金を下回っている場合は50万円以下の罰金が科せられます。

外国人労働者にとって働きやすいと感じられる職場環境とするためにも、適正な金額の賃金を支給しましょう。