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在留資格「特定技能」とは? 技能実習との違いや採用ポイントを解説

在留資格「特定技能」は、人手不足の産業分野を対象に外国人を雇用できる就労資格です。

本記事では、外国人を採用する際に知っておきたい特定技能について、技能実習との違いや採用する際のポイントを解説します。

CONTENTS

  1. 1.在留資格「特定技能」での受け入れ状況
  2. 2.在留資格「特定技能」とは
  3. 3.特定技能と技能実習との違い
  4. 4.特定技能で採用するポイント
  5. 5.特定技能外国人を採用するルート
  6. 6.まとめ

1.在留資格「特定技能」での受け入れ状況

出入国在留管理庁が発表している特定技能外国人の数は、以下の通りです。

引用:特定技能制度運用状況

令和5年12月末現在で208,462人の特定技能外国人が在留しています。その数は過去3年間の推移を見ても順調に増加を続けていることがわかります。
しかしながら、5年間における1号特定技能外国人の受け入れ見込み人数目標は345,150人とされており、まだまだ目標には届いていない現状です。

分野別受け入れ状況

特定産業分野別における特定技能外国人の受け入れ状況は、以下の通りです。

引用:特定技能制度運用状況

直近1年の推移を見ても、飲食料品製造業での受け入れが一番多く、次が素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業となっています。介護、建設、農業は同数程度で、外食業が後に続いています。

都道府県別受け入れ状況

都道府県別における特定技能外国人の受け入れ状況は、以下の通りです。

引用:特定技能制度運用状況

グラフから、多くの都市部または都市周辺の地域では総じて10,000人前後の特定技能外国人の受け入れを行っていることがわかります。その中でも、最も多く受け入れを行っているのは愛知県で17,635人となっています。続いて大阪府の13,278人という結果です。一方、都市部から離れた地方の地域では受け入れが少ない状況にあります。このことから、外国人は仕事が多く、生活に便利な都市部に集まりやすいという傾向が読み取れます。

2.在留資格「特定技能」とは

在留資格「特定技能」について、概要を説明します。

制度の目的

特定技能制度は、人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を即戦力として受け入れることを目的とする在留資格です。

特定産業分野に指定されている12分野14業種は、業務内容に単純労働を含むことから既存の在留資格では外国人雇用ができませんでした。そのため、2019年4月に新たな在留資格として特定技能制度が導入されました。

受け入れ分野

在留資格「特定技能」の受け入れ分野は、以下の12分野14業種です。

①介護
②ビルクリーニング ③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(※)
④建設
⑤造船・船用工業
⑥自動車整備
⑦航空
⑧宿泊
⑨農業
⑩漁業
⑪飲食料品製造業
⑫外食業

※「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は、かつて業種ごと3分野に分かれていましたが、2022年4月に統合され1分野になりました。

1号と2号がある

在留資格「特定技能」には、「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。

1号と2号の違いは、以下の通りです。

雇用形態

特定技能外国人の雇用形態は、原則正社員かフルタイムの直接雇用と決められており、週5日、30時間以上の勤務が必要です。派遣雇用は認められていません。

ただし、農業分野と漁業分野だけは例外として派遣雇用が認められています。

3.特定技能と技能実習との違い

外国人労働者を雇用する制度といえば、技能実習を挙げる人が多いかもしれません。
しかし、技能実習と特定技能は創設の目的も内容も大きく異なります。

技能実習と特定技能の主な違いは、以下の通りです。

4.特定技能で採用するポイント

特定技能外国人を採用するポイントについて解説します。

支援を行う義務がある

特定技能外国人の受け入れを行う企業は、受け入れた外国人が日本での生活をスムーズに過ごし、業務を円滑に行えるように「支援計画」を作成し、支援を行う義務があります。

支援項目は事前ガイダンスや生活オリエンテーションなど10項目ありますが、自社内ですべて実施するのが難しい場合には登録支援機関に委託することができます。

登録支援機関とは

登録支援機関とは、特定技能外国人の支援を受け入れ企業に代わって行う機関です。直近2年間に外国人労働者の受け入れ実績がない、もしくは、生活相談業務に従事した職員がいない企業は、すべての支援を登録支援機関へ委託しなければなりません。一方、これらの条件を満たしている企業は一部の支援のみ委託することも、委託せず自社内で支援を行うこともできます。

日本人と同等以上の条件で雇用する

特定技能外国人の賃金は、入管法により同種の業務に従事する日本人と同等以上の賃金設定をすることが定められています。特定技能外国人にも日本の労基法が適用されるため、「最低賃金を下回っていないか」や「割増賃金は支払われているか」などに注意が必要です。

特定技能の要件をチェックする

在留資格「特定技能」を取得するには、試験に合格するか、他の在留資格から移行する方法があります。

特定技能評価試験および日本語試験に合格する

分野ごとに行われる特定技能評価試験と日本語試験に合格する方法です。

特定技能評価試験は筆記と実技があり、両方に合格が必要です。また、日本語試験は、日本語能力試験(JLPT)N4以上か、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必須になっています。

技能実習2号を良好に修了する

技能実習2号を良好に修了した場合は、試験が免除されるため、在留資格の変更のみで特定技能に移行できます。

5.特定技能外国人を採用するルート

特定技能外国人を採用する具体的なルートとしては、すでに日本にいる外国人の在留資格を変更するか、海外から現地採用して特定技能の在留資格を取得するかの二つのルートがあります。

在留資格の変更をする場合は、試験が免除される技能実習からの移行が一般的ですが、在留資格「留学」から特定技能へ移行することもできます。

技能実習から特定技能へ移行

先述の通り、技能実習2号を良好に修了することで特定技能へ移行できます。引き続き日本で働きたいと考える技能実習生には、切り替えを勧めるといいでしょう。

留学から特定技能へ移行

技能実習からの移行のように試験免除にはなりませんが、技能試験と日本語試験の両方をクリアすることで在留資格「特定技能」へ移行できます。

在留資格「留学」からの移行パターンは「技術・人文知識・国際業務」が一般的ですが、就労ビザのため、学歴に大卒以上などの条件があります。そのため、試験だけで移行できる特定技能も「留学」からの選択肢の一つにできます。

海外から現地採用

海外で特定技能試験が行われている分野は、現地採用することが可能です。ただし、現地での採用は、当然ながら外国語での募集が必要であるなど自社ですべて対応するのは難しい場合があります。現地の送り出し機関や人材紹介会社を利用することもできますので、必要に応じて検討してください。

6.まとめ

今回は、在留資格「特定技能」について、制度の内容から技能実習との違い、採用のポイントまで説明しました。従来の在留資格では不可能であった単純労働にも従事できる特定技能は、人手不足が深刻な企業や事業所にとって救世主となるかもしれません。また、日本で働きたい外国人にとっても、特定技能2号に移行すれば将来的に上限なしで在留でき、母国から家族を連れてくることも可能になります。企業、外国人の双方にメリットが大きい特定技能を積極的に使って、人材確保に努めてみてはいかがでしょうか。

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