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ベトナム人の犯罪は多い?
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.26

生活関連

2025.04.11

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.26
ベトナム人の犯罪は多い?

ワタシ、伊能ゆりなは外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。
実はこれまでもメンバーとともに珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(これまでの珍事はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

窃盗事件

私はプラスチック製品製造工場で働く、技能実習生のダオ。
ある日の帰り道、同じ工場で働くベトナム人技能実習生と会社を出る時間が重なった。彼らはつい最近入社し、先週から隣の製造ラインに配属されていて、いつか話しかけてみようと思いながらなかなかタイミングが合わずにいた同年代の男女3名。



50mほど先を行く彼ら。
母国は一緒だと聞いているが、出身地域はどこだろうか?まずは年齢や家族構成なども聞いてみよう…そう思って歩みを早めると3人揃って脇道に逸れ、その場に追い付いたときには姿がもう見えなくなってしまっていた。先に広がるのは木々や農作物が育つ畑。それに倉庫と思われる建物、農機具がちらほら。

今日はまた一段と西日が強い。もしかすると、同僚と思って追いかけた3人組はまったくの他人で、そもそも帰り道も反対方向だったのかもしれない。危うく他人に声を掛けるところだった!

私は薄暗くなった通勤路を足早に自宅へと向かった。



翌日、出社してみると私たち技能実習生のお世話を担当している鈴木さんは不在。代わりに佐藤さんが現場に入り、始業の号令をかけてくれた。
いつものように掃除が始まり、掃除用具入れに向かうと仲良しのマイさんがモップを掛けながら近寄って来た。

「ダオさん、おはよう。ねえ、知ってる?隣のラインの3人。あの人たち、泥棒したらしいよ」

「ど、泥棒?」

「朝からちょっと聞いちゃったんだけど、そこのさくらんぼ畑で泥棒してたみたいよー。鈴木さん、すごく怒ってた」

「あー、だから鈴木さんがいないんだ。で、どんなやつ?売り物を転売するとか?」

「違う違う!帰り道にさくらんぼ畑に侵入して、勝手にとって食べてたって。だから泥棒っていうか…無銭飲食?木に実ってて、これから収穫されるはずのさくらんぼをちぎって食べてたらしい。無銭フルーツ狩りだね。しかも連日やってたっぽくで、会社の人が3人の不審な動きを見かけたから見張ってたって話だよ?」



━心がざわつく。

「あのさ、私、昨日の帰り道、3人かなって思う人を見かけたの。そしたらさ、すぐそこの角でいなくなっちゃって。私、人違えしたか見失ったか何かかなって思ってた」

「じゃあ、まさに犯行中のそれだったのかもね。いやー、私たちも散々”犯罪”はダメって、置いてある自転車をちょっと借りるとかもダメって、色々厳しく言われてるしさ。ダメなことぐらいわかってそうなのに」

「そうね。私たちもうここで2年近くなるけどそんなの初めて聞いたね」

「そんなことしたら、ゆりな先生にぶち切れられるどころか、クビになっちゃうかもしれないのに…ね!私たちまで変な疑いを持たれるようになったら嫌だねー」

そう言い残してマイさんは持ち場に戻っていった。



事情聴取

後にこの事件は私たちにも共有され、こうした犯罪が起らぬよう鈴木さんからお話があった。

実際、3人のうち1人が犯行におよび、あとの2人は見ているだけだった(でも、盗み持ち帰ったさくらんぼは3人とも食べていた)とか、ベトナムでは畑に生えている物を食べても重罪にならないと言っていたとか、どこまで本当か嘘かわからない話が噂されていた。

また、会社側は当然ながら立腹。3人は解雇寸前になったが、幸いにも農家さんが優しく許してくれたとかで、会社としても解雇要件には値しないと判断され、3人は3日間の停職処分となり反省文を書いていたと聞いた。
きっと、ゆりな先生のような立場の人やその支援機関が間に入って仲裁に奔走し、どうにか穏便に済ませてもらったのだろう。こんなことを簡単に許してもらっていたら、外国人労働者の私たちの立つ瀬がなくなっていく。


引用 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/325178?display=1

最近、この手の犯罪が後を絶たない。畑の農作物を盗み、起訴されればまだよいが不起訴になった事案も多くその理由も明確にされず、Xで話題になることもしばしば。そもそも犯罪が起きなければ話題になることもないのだが、この手の事案はとにかく印象が悪い。

研修をしていれば事件が起きないということではないのだろうが、少なくとも私たちはゆりな先生のような担当者に口を酸っぱくして注意喚起され、しぶとく日頃の過ごし方のチェック、定期面談などなど実施されている。

どこの国でも犯罪は犯罪だ。私たち外国人労働者が同郷やそれに近しい犯罪者によって立場が危うくなるのは何か違う気がする。皆が日本という国で少しでも気持ちよく過ごせるよう、互いの立場や役割を尊重し、ルールを守っていける社会となるよう願ってやまない。






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