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【技能実習】1号・2号・3号の違いと移行する方法を解説

技能実習制度とは、日本の技能、技術または知識を開発途上国へ移転し、開発途上国の発展に寄与することを目的として、外国人労働者を受け入れる制度です。1993年に創設され、2017年に「外国人技能実習生の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が施行されたことで、体制の強化がなされました。技能実習生は農業や建設業など87種類あり、最大5年間の在留資格(ビザ)が認められています。

技能実習の在留資格には、1号・2号・3号の区分があります。本記事ではそれぞれの区分の違いと移行する方法について詳しく解説します。

CONTENTS

  1. 1.技能実習区分1号・2号・3号の違い
  2. 2.技能実習生の受け入れ方式
  3. 3.技能実習1号から2号へ移行する方法
  4. 4.技能実習2号から3号へ移行する方法
  5. 5.まとめ

1.技能実習区分1号・2号・3号の違い

技能実習の区分には3つの区分があり、希望する場合には試験や手続きを経て、順に移行していく仕組みになっています。

1-1.技能実習1号

技能実習1号は、日本に来て1年目の技能実習生に与えられる在留資格です。「入国1年目の技術の習得を目指す」ことが目的とされていますので、受け入れが可能な職種・作業に制限がありません。「技能実習制度の目的に則った、開発途上地域への技能移転や経済発展に寄与すると認められる職種」であれば、受け入れが可能です。ただし、同一作業の反復のみの作業は単純作業とみなされますので対象外になります。

また、技能実習1号では、原則2カ月間の座学講習を受ける必要があります。在留期間は1年です。

1-2.技能実習2号

技能実習2号は、1年目(技能実習1号)に習得した技能を習熟させることを目的とした在留資格です。1年目の実習内容をさらに深めていくわけですから、技能実習1号から職種や作業内容を変更することはできません。さらに、技能実習2号の対象職種は定められていますので、1号の職種が2号の移行対象職種にない場合には移行ができないことになります。そのため、2号への移行を希望している実習生や受け入れ企業は、1号の受け入れの段階で適合する職種があるかを確認しておく必要があります。在留期間は2年です。

1-3.技能実習3号

技能実習3号は、1号、2号で習得・習熟した技能をさらに深め、「技能の熟達を目指す活動」を目的としています。3号では2号よりもさらに対象職種が制限されます。そのため、1号から2号へ移行するときと同様に、1号の段階から3号の対象職種を選択しておく必要があります。つまり、1号の受け入れ当初から、2号、3号への移行を考えているのか確認し、計画を立てておかなければなりません。在留期間は2年です。

また、2号より注意が必要なこととして、3号では実習受け入れ側の監理団体と実習実施者の双方が、一定の条件を満たした優良の認定を受けていることが必要になります。中でも監理団体が優良監理団体として認められるためには、より厳しい条件を満たす必要がありますので、注意してください。

2.技能実習生の受け入れ方式

技能実習生の受け入れ方式は、企業単独型と団体監理型があります。1号・2号・3号ともに、いずれの受け入れ方式でも採用可能です。企業単独型を「イ」、団体監理型を「ロ」と表します。例えば、1号では「技能実習第1号イ」または「技能実習第1号ロ」という在留資格になります。

2-1.企業単独型とは

企業単独型とは、日本の企業が海外の現地法人や関連企業・取引先などで働く常勤職員を直接受け入れ、企業内で技能実習を行う方式です。企業単独型で採用するには、海外の企業と受け入れ企業に密接な関係性があることを証明する必要がありますので、海外の外国人労働者を自由に選定することはできません。

2-2.団体監理型とは

団体監理型とは、事業協同組合や商工会などが受け入れ団体となって、技能実習生を受け入れ、傘下の中小企業で技能実習を行う方式です。団体監理型では、出入国に関する事務手続きや配属までの日本語講習などを監理団体が実施してくれるので、企業は技能実習の内容に専念できます。

3.技能実習1号から2号へ移行する方法

2号に移行するには、1号の職種が2号の対象職種である必要があります。その他にも、1号の受け入れ方式が「イ」なら2号でも「イ」、「ロ」なら「ロ」で同じでなければなりません。

その上で、2号移行試験を受験し、技能検定基礎級もしくは技能評価試験初級に合格します。試験には学科試験と実務試験がありますが、どちらも合格することが必要です。

並行して、外国人技能実習機構(OTIT)へ2号用の技能実習計画を作成・提出し、認定を受けます。

2号の技能実習計画の認定が下りたら、試験の合格をもって、実習生の働く地域を管轄する出入国在留管理庁へ在留資格の変更申請をします。

3-1.注意点

移行にかかる行程には、それぞれスケジュールに縛りがあります。

外国人技能実習機構(OTIT)へ申請する技能実習計画の審査には2~5週間かかり、かつ、1号の期間が満了する3カ月前までには行わなければならないとされています。

2号への在留資格変更は、出入国在留管理庁での審査に約1カ月かかりますので、1号の在留期限が切れる最低1カ月前までには申請を済ませておかなければなりません。

3-2.具体的な移行スケジュール

これらを踏まえた1号から2号への具体的移行スケジュールは、以下の通りです。

技能実習1号として日本に入国した6カ月目に2号移行試験の申し込みを行い、8カ月目に受験をする。

入国後7~9カ月目に、外国人技能実習機構(OTIT)へ技能実習計画2号用の提出・申請をする。

1号期間満了の2カ月前に、2号移行試験の合格結果と技能実習計画の認定をもって、在留資格の変更申請をする。

4.技能実習2号から3号へ移行する方法

1号から2号への移行と同様に3号に移行する場合も、3号の対象職種でしか移行ができません。2号の対象職種よりも3号の対象職種はさらに限定されています。受け入れ方式が同一でなければならない条件は2号移行のときと同じです。

3号移行では、2号期間終了後に1カ月以上母国へ一時帰国することが条件となることと、技能検定3級相当の所定の技能評価試験の実技試験に合格することが必要になります。

また、受け入れ側の監理団体および実習実施者は、それぞれ優良な監理団体、実施者の認定を受けていることが求められます。

その上で、2号移行と同じく、3号技能実習計画認定の申請をします。認定通知書が交付されたら3号への在留資格変更の申請をし、許可が下りれば、晴れて一時帰国から日本に戻ってくることができます。

1号から2号移行のときと同様に、試験は在留期間満了の2カ月前には受験している必要があります。3号技能実習計画認定の申請も、認定通知書の交付まで3週間から2カ月ほどかかります。ただし、1号から2号へ移行するときと違い、2号では在留期間が2年あるので、3号への移行はある程度余裕をもって準備ができると言えます。

4-1.一時帰国

2号から3号移行では一時帰国を挟みますので、在留資格の変更手続きは一時帰国の期間によって異なります。一時帰国が2カ月以内であれば、出入国在留管理庁への「在留資格変更申請」の手続きになります。一時帰国が3カ月を超える場合には、「在留資格交付申請」の手続きになります。「在留資格交付申請」の場合は、許可が下りた後に、母国の日本大使館でビザの発行が必要です。

5.まとめ

技能実習1号から3号まで、いずれの移行にも対象職種は同一である必要があります。途中で変更することはできませんので、最長5年の日本滞在を考える場合には、入国当初から計画性をもった職種選びが重要です。

あわせて、1号から2号への移行では、日本での生活に慣れていない在留期間1年の間に2号移行の準備が必要なため、スケジュール管理が重要になってきます。

2号から3号への移行では、その他、受け入れ側にも優良認定が必要であったり、一時帰国が条件に入ったりします。これらを踏まえて、長期的な視野で技能実習生の受け入れを検討してください。

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