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ベトナム人エンジニアの特徴、採用メリットと注意点を解説します

日本国内でIT人材が不足していることを受けて、外国籍の中でもベトナム人エンジニアの採用が注目されています。そこで、ベトナム人エンジニアを採用するにあたって、企業側はベトナムの国民性や働き方、特徴などを事前に把握しておくことをおすすめします。また、ベトナム人エンジニアが定着して働けるような企業体制も整備しておきましょう。

本記事では、人材不足のIT業界の現状、近年増加しているベトナム人エンジニアの在留状況、ベトナム人エンジニアの特徴、採用メリットと注意点、在留資格の手続きと優秀なベトナム人エンジニアを採用する方法について解説します。

CONTENTS

  1. 1.人材不足のIT業界の現状
  2. 2.ベトナム人エンジニアの在留人数の状況
  3. 3.ベトナム人エンジニアの特徴や国情報
  4. 4.ベトナム人エンジニア採用のメリット
  5. 5.ベトナム人エンジニア採用の注意点
  6. 6.在留資格を取得する方法と流れ
  7. 7.ベトナム人エンジニアを採用する方法
  8. 8.まとめ

人材不足のIT業界の現状

経済産業省の調査によりますと、IT人材は2030年には最大で79万人不足すると公表されています。デジタル化の普及に伴い、IT分野の専門人材の確保やIT人材の育成など、各企業の対応が急務となっています。

IT業界での求人を集めやすくするには、中途採用にすることや女性が結婚・出産後に職場復帰しやすい環境を整備すること、高賃金、好待遇な労働条件で働ける職場環境を整えることなどが挙げられます。

また、日本人エンジニア以外に海外からのITエンジニアを積極的に採用している企業も増えており、業務DX化への取り組みが行われています。

ベトナム人エンジニアの在留人数の状況

これから外国人エンジニアの採用を検討している企業は、外国人エンジニアの採用が増えている理由やベトナム人エンジニアの採用について確認しておきましょう。

外国人のITエンジニア採用が増えている理由

日本の少子高齢化の影響が、IT業界にも関係しています。2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇の一途をたどり、高齢化問題が顕著になってくると予想されています。

日本のITエンジニアの需要に対して人材不足が進行することで、日本のIT化の遅れが懸念されており、そこで外国人エンジニア、特にベトナム人エンジニアの採用活動が盛んになってきています。

また、IT業界の特徴として、他の業界と比較すると日本ならではの年功序列制度がなく、外国人が働きやすい労働環境があります。さらに、日本のIT人材不足の対策として外国人雇用がしやすい仕組みを国が積極的に整備していることが挙げられます。

ベトナム人エンジニアの採用が増加

厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)』のデータによりますと、国籍別では、ベトナムが最も多く51万8364人。外国人労働者数全体の25.3%を占めています。ベトナム人エンジニアの在留資格に該当する「専門的・技術的分野の在留資格」が対前年増加率として最も大きく、59万5904人。前年比11万5955人で、24.2%の増加となっています。

ベトナム人エンジニアの特徴や国情報

では、今、日本のIT業界で増加中のベトナム人エンジニアを採用する際に役立つ、ベトナムという国の情報とベトナム人の国民性や性格について確認しておきましょう。

ベトナム国の情報

ベトナムに進出している日本企業数は、2373件。日本とベトナムの空路は直行便で6〜7時間程度のため移動しやすい環境です。成田空港・関西国際空港・中部国際空港・福岡空港の各空港からホーチミン行き、またはハノイ行きのフライトがあり、行き来しやすいアクセスとなっています。

地理的には、ベトナムはインドシナ半島東部に位置し、国土は南北に長く広がっています。北は中華人民共和国、西はラオス、南西はカンボジアと国境を接し、東と南は南シナ海に面していて、フィリピン、ボルネオ島、マレー半島が隣接しています。

ベトナム戦争後、1973年パリ和平協定が成立し、アメリカ軍が撤退した後、1976年に南北統一したベトナム社会主義共和国が成立しています。

ベトナム人の特徴

ベトナム人エンジニアを採用する際は、ベトナム人の特徴について知っておくとコミュニケーションを取りやすく、ベトナム人が働きやすい体制づくりができます。

以下は、一般的なベトナム人の特徴についてです。ただし、これらに該当しない方もいますので、あくまでも目安として参考にしてください。

※ベトナム人の性格は以下の特徴を押さえておきましょう。

・真面目でよく働き、温厚な性格なので、日本企業からの評判が高い傾向です。
・性格はシャイで恥ずかしがり屋な面があるので、時間をかけて交流するといいでしょう。
・親しみやすく打ち解けやすいので、社内コミュニケーションにおいて、フレンドリーな関係が築きやすくなります。

※ベトナム人の働く姿勢について特徴を確認しましょう。

・家族を第一に考え、本国においては仕事を休んでも家族のイベントを大切にする方が多いです。ベトナム人に限らず、アジアの諸外国出身者は、家族を重んじる傾向があります。
・残業は好まない方も多いですが、大半は、残業代が出ればしっかり働いてくれる傾向です。残業の仕組みや残業代について事前に説明があればトラブルなく、仕事の効率も高くなります。
・目先の利益を優先する方が多く、将来を見据えて稼ぐという意識は薄い傾向にあります。

出身地による違い

ベトナムは南北に長く続く地形で、南部のホーチミンと北部のハノイでは、それぞれの地域によって国民性の違いが見られます。

南部のホーチミンは、平均気温32度の暖かい気候なので、住んでいる人は大らかで楽天家の傾向があり、商売上手な人が多いといわれています。

一方、北部のハノイは、四季がある「亜熱帯性気候」の地域で、社会主義の影響が色濃く残っていて、住んでいる人の特徴は、真面目でシャイ、堅実的な考え方をする人が多い傾向です。

ベトナム人エンジニア採用のメリット

では、続いてベトナム人エンジニアを採用するメリットについて確認しましょう。

以下のポイントを押さえておくと採用活動に役立ちます。

・若い人材を採用できる
・高レベルな理系の人材が採用できる
・IT人材を採用できる
・若い人材を採用できる

ベトナムの平均年齢は33.3歳で、 日本の平均年齢は48.4歳です。2つの国の平均年齢を比較してもわかるように、ベトナムの若い人材を日本の企業で採用できれば即戦力としてIT人材を確保することができます。ただし、ベトナムは、アジアの中でも経済成長率が著しく、急成長している国であるため、海外に就職せずに本国で就職を希望するベトナム人エンジニアも増えてきています。

したがって、日本企業が若いベトナム人エンジニアを採用する際は、日本のIT業界で働く魅力を打ち出して受け入れ体制を整備することが求められます。

ベトナム人エンジニアが、日本のIT業界で働くことにメリットがあるような労働条件や好待遇が必要です。

高レベルな理系の人材が採用できる

ベトナム人エンジニアの場合、レベルの高い理系大学出身者を採用できるケースもあります。ベトナム現地の理系大学と連携して日本語教育を指導している日本企業もあり、日本で不自由なく働けるように日本語育成を並行して行って優秀なベトナム人エンジニアを採用できる仕組みができています。

日本語能力+IT技術のスキルがあることで、即戦力となるITエンジニアの確保ができます。

事例としては、優秀なベトナム人エンジニアの人材獲得戦略として、ベトナムの理系大学

「ハノイ工科大学」と日本の自治体が連携協定を結んで、ベトナムの学生をインターンシップ制度で採用する仕組みができています。

IT人材を採用できる

ベトナムでは国がIT人材の育成に力を入れており、現在35万人のエンジニアやプログラマーがいるといわれています。ベトナム政府は今後も100万人以上のIT人材を増やすことを検討していて、国内ではますますITエンジニアの数が増加することが予想されています。

そこで、日本国内のIT人材不足の解消策として、エンジニアの母数が多いベトナムからの採用が注目され、実際にベトナム人エンジニアの採用数も年々増えている状況です。

ベトナム人エンジニア採用の注意点

さて、ベトナム人エンジニアの採用は、日本企業にとって社内DX化に大きなメリットをもたらしますが、一方で、採用の注意点についてもあわせて確認が必要です。

優秀なベトナム人エンジニアが定着して日本企業で働けるように、気を付けたいポイントを押さえておきましょう。

ベトナム人エンジニアを採用する際の注意点には、以下のポイントが挙げられます。

・雇用契約の内容を確認する
・日本人社員と同等に対応する
・在留資格について把握する
・安い労働力として採用しない
・日本語能力についてチェックする

雇用契約の内容を確認する

優秀なベトナム人エンジニアの採用合戦は、年々激しくなっている傾向があります。そのため企業が注意したい点は、ITエンジニアの給与や労働環境、待遇などについて、良い条件を提示できるように雇用条件の見直しを行うことです。

また、採用後の定着を図るためにも、キャリアプランやサポート体制などについても、採用前に双方が共有できるように話し合っておくことをおすすめします。

日本とベトナムの働き方の違いなどによって、条件が合わず離職につながらないよう、雇用契約の内容をしっかりと確認しましょう。

日本人社員と同等に対応する

ベトナム人エンジニアを採用する際は、同じ職場で働く日本人エンジニアと同等の給与、待遇で雇用条件を設定する必要があります。

ベトナム人エンジニアに限らず、外国人の雇用においては、労働基準法に基づいた賃金、および日本人と同等に支払うことが法律で定められています。

また、賃金以外の社内での働く条件や環境整備についても、日本人エンジニアとベトナム人エンジニアを差別せずに、同等に対応することが大切です。福利厚生なども同等に適用されます。

在留資格について把握する

日本企業が外国人を雇用する際は、就労できる在留資格の取得、または更新手続きが必要になります。ベトナム人エンジニアを雇用できる主な在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」です。なお、ベトナム現地から採用する場合と、すでに日本に在留しているベトナム人エンジニアを採用する場合では、在留資格の申請方法が異なりますので、それぞれのケースに合わせて対応しましょう。ベトナム人エンジニアの在留資格については、次の見出しで詳しく解説します。

安い労働力として採用しない

外国人の雇用においては、最低賃金法について留意しましょう。最低賃金法は、国籍に関係なく日本人社員と同等に適用されます。

ベトナムの最低賃金(2023年度)について、首都ハノイや南部ホーチミン市などの都市部を含む第1地域は、月496万ドン(3万506円)、第2地域は月441万ドン(2万7124円)、第3地域は月386万ドン(2万3741円)、第4地域は月345万ドン(2万1219円)です。(※1ドン=0.0062円で換算)

平均給与が日本と比較して安く、地域格差、教育格差、社会格差などによっても収入が違ってきます。

日本の最低賃金はベトナムと比較して高く、日本のITエンジニアの平均年収は544万円で、日本の平均年収443万と比較してもIT業界の収入は高くなっています。(経済産業省「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」より)

ベトナムは日本よりも賃金が安い国ですが、日本で雇用する際は、日本人社員と差別化しないで最低賃金法に従って雇用することが必要です。

ベトナム本国の給与相場を目安にして、日本で安い労働力として採用することは控えましょう。

日本語能力についてチェックする

ベトナム人エンジニアの日本語能力について、英語でコミュニケーションできる場合は、日本語能力を重視する必要はなくなります。ただし、社内の共通言語が日本語のみである場合は、目安として一般的に「N1」「N2」の日本語レベルがあると仕事の効率が高まります。

日本語能力の育成については、外部から日本語講師を受け入れて学習環境を整備することや、各自がeラーニングを活用したり、社員同士の交流の場を設けたり、日本語を学習できる体制を会社が整えておくことが必要です。

在留資格を取得する方法と流れ

ここでは、ベトナム人エンジニアを雇用できる在留資格「技術・人文知識・国際業務」について解説します。在留資格を取得する方法については二通り、海外(ベトナム)から採用する場合、または日本国内(在留ベトナム人)から採用する場合があります。

ベトナム人エンジニアの在留資格

ベトナム人エンジニアを雇用できる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、理系のエンジニア、プログラマーの職種が該当する「技術・人文知識」の分野でベトナム人エンジニアが取得できる在留資格です。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する場合は、雇用する企業のカテゴリーによって申請書類が異なり、企業カテゴリーは、企業の規模によって4区分されています。カテゴリー1は上場企業、カテゴリー2は未上場の大規模企業、カテゴリー3は設立2年目以降の中堅・中小零細企業、カテゴリー4は新設企業が該当します。

「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、5年、3年、1年または3カ月です。

日本の企業で採用する際は、雇用期間に合わせて在留期間の更新手続きが必要となります。

エンジニアの職種に該当する「技術・人文知識」に必要な要件は、以下の通りです。

・従事する業務については、当該技術または知識に関連する科目を専攻して大学を卒業、またはこれと同等以上の教育を受けたこと。
・従事する業務については、当該技術または知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了したこと。(ただし、「専門士」または「高度専門士」の称号が付与された者に限る。)
・10年以上の実務経験があること。(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程または専修学校の専門課程において当該技術または知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)
・日本人の報酬と同等額以上の報酬を受けること。

海外からベトナム人エンジニアを採用する場合

ベトナム人エンジニアを現地から採用する場合は、以下の流れで申請手続きを行います。

なお、申請してから交付されるまでの審査期間は、目安として新規申請で約50日、変更申請で約40日程度となっています。

1.企業が雇用するベトナム人と雇用契約を結びます。 2.企業が代理人として本人の代わりに「在留資格認定証明書交付申請」を出入国在留管理庁に提出して手続きを行います。 3.在留資格認定証明書」が交付されたら、現地のベトナム人本人に送付します。 4.ベトナム人本人がベトナム国内の日本大使館で査証(ビザ)を発給してもらいます。 5.査証(ビザ)と在留資格証明書を持って、日本に入国し就労を開始します。

なお、入国については、原則として在留資格認定証明書交付日から3カ月以内に行うことが必要です。

日本にいるベトナム人エンジニアを採用する場合

日本に在留しているベトナム人をエンジニアとして採用する場合は、以下の流れで申請手続きを行います。

1.企業が雇用するベトナム人と雇用契約を結びます。
2.ベトナム人の現在の在留資格からエンジニアとして採用できる在留資格へ「在留資格変更許可申請」を行います。
3.在留資格の変更が完了したら、就労を開始します。

ベトナム人エンジニアを採用する方法

ベトナム人エンジニアを採用する方法は、現地から採用する場合と日本に在留するベトナム人を採用する場合に分けて対応しましょう。

※ベトナム人エンジニアを採用する主な方法

・人材紹介
・Web求人サイト
・紙媒体
・ハローワーク
・自社サイト
・SNS
・知人からの紹介

すでに日本に在留しているベトナム人を採用するには、Web求人サイト、紙媒体、ハローワーク、自社サイト、SNSなどが効果的です。

日本国内で働いた経験のあるベトナム人エンジニアや、日本語能力の高い人材を採用できて、採用後には企業の即戦力として雇用できるメリットがあります。

人材紹介の利用は、海外から大量採用をしたい場合や、初めて外国人雇用をする企業に向いている方法です。また、現地ベトナムから採用する場合は、知人からの紹介やベトナムとの連携ができている人材紹介会社を活用すると、スムーズな流れで採用活動を進めることができます。

まとめ

日本の少子高齢化に伴ってIT業界でも人材不足の問題があり、外国人雇用が注目されています。外国人の中でもベトナム人の採用は増加傾向にあり、IT人材としてベトナム人エンジニアの採用に人気が集まっています。

ベトナム国内では、国が優秀なIT人材の育成に力を入れており、日本のIT人材不足の救世主として、日本企業もベトナム人エンジニアの採用に注目しています。

日本のIT人材不足の解消策としてベトナム人エンジニアの採用を検討する際は、労働条件や労働体制を見直して、外国人にとって魅力のある企業であることをアピールできるように企業体制を整備していきましょう。

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