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【入国管理局ポイント制】高度外国人材の採用を解説

外国人採用活動において、技術力や専門性を持った人材を雇用するには、入国管理局の設定したポイント制による高度人材ビザを利用することができます。 本記事では、高度人材のポイント制や入国管理局の優遇措置、採用メリットなどについて解説していきます。

CONTENTS

  1. 1.高度外国人材とは?
  2. 2.入国管理局の高度人材ポイント制とは?
  3. 3.高度人材の優遇措置とは?
  4. 4.在留資格「高度専門職」で採用するメリット
  5. 5.在留資格「高度専門職」を有する外国人を採用する方法
  6. 6.まとめ

1.高度外国人材とは?

日本もしくは海外の大学や大学院を最終学歴に持ち、高度な専門知識や技能を有している海外の人材を「高度外国人材」と呼びます。

2009年の高度人材受入推進会議報告書によれば、日本における高度外国人材とは「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することができない良質な人材」であり、「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」を指します。

現在の日本では、高度外国人材が行う活動類型として以下の3つに分類されます。


2.入国管理局の高度人材ポイント制とは?

こうした高度外国人材を巡っては世界中で獲得競争が行われ、日本も積極的な受け入れを目指しています。
特に人出不足が深刻化している日本は高度外国人材の受け入れを促進するために、高度外国人材に対してポイント制を活用した出入国在留管理上の優遇措置を講ずる「高度人材ポイント制」という制度が導入されています。

この制度では、在留資格「高度専門職1号」の対象となる外国人材に対して、それぞれ「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設定。ポイント合計点が70点以上に達した場合には「高度専門職1号」が許可されるとともに出入国在留管理上の優遇措置が与えられます。

また、「高度専門職1号」で3年以上活動を行った外国人は「高度専門職2号」の対象となり、さらなる優遇措置を受けることができるため、高度外国人材にとって非常に魅力的な制度となっています。

3.高度外国人材の優遇措置とは?

さまざまな優遇措置が設けられる高度外国人材ですが、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」では受けられる優遇措置に違いが見られます。本項ではそれぞれが受けられる優遇措置について解説します。

3-1.「高度専門職1号」で受けられる優遇措置

①複合的な在留活動の許容

通常の在留資格は、許可された在留資格で定められる範囲の活動しか認められていません。しかし、高度外国人材においては、大学で研究活動をしながら関連事業の運営を行うというような複数の在留資格にまたがる活動が行えます。

②在留期間「5年」の付与

高度外国人材の在留期間は一律に5年が認められるとともに、この在留期間は更新することができます。

③在留歴に係る永住許可要件の緩和

永住許可を受けるためには、原則10年以上続けて日本に在留している必要があります。しかし、高度外国人材としての活動を3年間継続して行っている場合や、高度人材ポイントが80ポイント以上かつ高度外国人材として1年以上継続して活動している場合には要件が緩和され、永住許可要件を短縮して申請することができます。

④配偶者の就労

高度外国人材の配偶者は「特定活動告示別表第5で定める活動」「高度外国人材と同居」「日本人と同等以上の報酬」の要件を満たす場合、在留資格「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「興行」に該当する活動を行うことができます。
この場合、上記の在留資格の取得に必要となる学歴や職歴の要件を満たしている必要はありません。

⑤一定の条件の下での親の帯同

就労が認められる在留資格では通常は親の帯同は認められていません。しかし、高度外国人材は「高度外国人材またはその配偶者の7歳未満の子(養子含む)を養育する場合」、もしくは「高度外国人材の妊娠中の配偶者または妊娠中の高度外国人材本人の介助などの支援をおこなう場合」に該当するケースにおいては、親の入国・在留が認められています。

ただし、この場合でも、「高度外国人材と同居すること」「高度外国人材の世帯年収が800万円以上であること」「高度外国人材または配偶者の親(養父含む)であること」のいずれの要件も満たしている必要があります。

⑥一定の条件の下での家事使用人の帯同

高度外国人材は下記の要件を満たす場合、入国帯同型、家庭事情型いずれかの家事使用人を帯同することができます。


入国帯同型は高度外国人材とともに出国予定である必要があり、かつ入国後の雇用主変更は認められません。対して、家庭事情型は入国後の雇用主変更は認められますが、子が13歳に達した場合や、配偶者が日常の家事に従事できない事情が消滅した場合には在留期間の更新ができないといった違いが存在します。

⑦入国・在留手続きの優先処理

高度外国人材の入国・在留審査は、優先的に早期処理が行われます。入国事前審査にかかる申請は申請受理から10日以内、在留審査にかかる申請は申請処理から5日以内が目処となります。

3-2.「高度専門職2号」で受けられる優遇措置

①複合的な在留活動の許容

「高度専門職1号」の活動に加え、ほぼ全ての就労資格で認められる活動が行えます。

②在留期間が無期限となる

「高度専門職1号」にあった5年の在留期間の縛りがなくなり、無期限の日本在留が認められます。

③「高度専門職1号」で受けられる3〜6までの優遇措置が受けられる

「高度専門職1号」で認められる「在留歴に係る永住許可要件の緩和」「配偶者の就労」「一定の条件の下での親の帯同」「一定の条件の下での家事使用人の帯同」の優遇措置を引き続き受けることができます。

4.在留資格「高度専門職」で採用するメリット

さまざまな優遇措置が与えられることから外国人にとって魅力的な在留資格となる「高度専門職」ですが、雇用企業にとってはどうでしょうか。「高度専門職」を有する高度外国人材を採用するメリットを解説します。

4-1.在留期間5年が付与される

「高度専門職」の在留資格が認められた高度外国人材には、一律で5年の在留期間が与えられます(「高度専門職1号」の場合)。

この5年という期間は就労が認められる他の在留資格でも法律上の最大年数として定められていますが、通常は3年ないし1年の在留期間で在留資格を更新していくことが一般的です。しかし、高度外国人材は最初から5年の在留期間が認められ、さらには「高度専門職2号」にステップアップすれば在留期間は無期限になります。
この長い在留期間によって、雇用企業は安定した雇用が認められる人材を採用できることから長期的な経営計画が立てやすくなるのです。


4-2.永住許可が最短で取得できる

永住許可を受けるためには、原則10年以上続けて日本に在留している必要がありますが、「高度専門職1号」の有資格者の場合は3年に短縮されます。
さらに高度人材ポイントが80ポイント以上ある場合は1年で永住許可申請をすることができます。在留資格「永住者」の取得には高いハードルが設定されている一方で、取得者は活動の制限がなくなるなど社会的地位が向上します。そのため、雇用側は社会的地位の高い人材を採用できる企業として評価がアップすると推察できます。

5. 在留資格「高度専門職」を有する外国人を採用する方法

企業にもメリットの大きな在留資格「高度専門職」に該当する高度外国人材を採用するには、どうしたら良いでしょうか。3つの方法とポイントを解説します。

5-1.人材紹介サービスの利用

企業と就労希望者の間をつなぐ人材紹介サービスの中には、外国人に特化したものがあります。外国人に特化した人材紹介サービスは、希望する人材の選定はもちろんですが、採用までのやり取りや在留資格の申請業務を代行してくれるところもあるため、高度外国人材の採用をする際に利用してみる価値は高いです。

5-2.自社サイトや求人サイトで募集

留学や日本企業に勤務しているなど、すでに高度外国人材が日本に在留しているケースがあります。そうした外国人材は、日本人と同様に企業サイトや求人サイトの求人を見て応募します。自社サイトに求人を掲載するのと同時に、外国人材に強い求人サイトへの掲載を検討すると良いでしょう。

5-3.海外と提携している転職エージェントの利用

日本で働きたいと思っている外国人材は、海外にも多くいます。そうした方たちを高度外国人材として日本に呼び寄せるのも一つの手です。
自社で人材の選定から来日までを行うこともできますが、時間と労力の観点からもノウハウがない場合にはおすすめできません。コストはかかりますが海外と提携している転職エージェントを利用した方が、効率的に希望する人材とのマッチング機会を得られるでしょう。

6.まとめ

人手不足は日本のみならず、世界的な課題になっています。
その中で、高度外国人材は世界中で争奪戦となっており、希望すれば簡単に採用できるというわけではありません。高度外国人材の採用にはこの点をしっかりと理解した上で、国の優遇装置に頼るだけではなく、労働環境や労働条件を整えるなど自社を魅力的にアピールしていくことが大切です。

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