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外国人労働者を雇用する際の問題点と解決策

外国人労働者受け入れの増加にともない、不法就労、技能実習生の失踪、労働環境の低下など、様々な問題が発生しています。今後、さらに外国人労働者の必要性が高まっていくため、雇用側と外国人側、双方が改善すべき内容について知っておくことが必要となります。
そこで本記事では、外国人労働者に関する問題について、その原因と解決策について解説していきます。

CONTENTS

  1. 1.外国人労働者の問題点とは?
  2. 2.外国人労働者の問題点の解決策
  3. 3.外国人労働者を雇用するメリット
  4. 4.まとめ

1.外国人労働者の問題点とは?

厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」によると、日本の外国人労働者数は2022年10月末時点で182万人を超え、過去最高を記録しました。その一方で外国人労働者を雇用する場合の問題点が浮き彫りとなっています。その問題点とは大きく4つのポイントに分けられます。

1-1.【問題点①】不当な賃金での雇用

外国人労働者の中でも、特に技能実習生が失踪するなどの問題の原因は、不当な雇用関係に理由があるケースが多いといわれています。技能実習生が転職できないことを逆手に取り、最低賃金違反や契約賃金違反、賃金からの過大控除、割増賃金の不払いなどが行われています。
このような違法行為を抑止するための法改正もなされていますが、この問題は今なお解消されていません。

1-2.【問題点②】厳しい労働環境

技能実習生は、日本人が働きたがらない長時間かつ重労働など、過酷な労働環境に置かれるケースも少なくないのが実情です。怪我のリスクがあるのはもちろん、中には重篤な障害が残る場合もあります。事実、技能実習生の労災も増加しており、より一層、安全衛生教育を実施することが求められます。

また、近年では日本人社員からのパワハラや陰湿ないじめがニュースとなっているように、一部では甚だしい人権侵害が行われていることも問題となっています。

1-3.【問題点③】コミュニケーション不足

3つ目の問題点は、技能実習生だけに限らず外国人労働者全般に当てはまるコミュニケーション不足が挙げられます。これには異なる言語と文化が関係しています。外国人労働者の日本語習熟度や日本人の英語力不足により、コミュニケーションが取れないことから様々なトラブルが発生してしまいます。
そして文化や考え方の違いも意思の疎通を妨げ、お互いにストレスを感じてしまう原因となっています。

1-4.【問題点④】地域社会との摩擦

東京など大都市では外国人が様々な業種で働いていることに違和感がありませんが、まだまだ外国人労働者が少ない地域もあります。そのような地域では、自分たちの街に外国人が増えることをネガティブに捉える人もいて、不信感や差別感情を抱いてしまう場合があります。

外国人労働者への不信感が、雇用する企業のイメージダウンにつながらないようにするためにも、企業は外国人労働者が住民のひとりとして地域に受け入れられるように配慮する必要があります。

2.外国人労働者の問題点の解決策

外国人労働者の問題点を解決するためには、日本人を雇用するのと同じ意識、考え方を持つことが大切です。「外国人」というフィルターを取り去り、一緒に働く仲間として受け入れるだけでなく、賃金体系や労働基準法を遵守することなど、管理体制も日本人社員と同等に考えなければなりません。

2-1.日本人社員と同等の賃金や待遇にする

日本人と外国人を同等に考えるということは、つまり差別してはならないということです。最低賃金法に定められた最低賃金を守ることはもちろん、残業代なども日本人社員と同じく支払う必要があります。世界的に人権保護の機運が高まっている昨今、外国人労働者の権利を損なうような企業は社会に受け入れられないということを理解すべきです。
また、賃金や待遇についてのトラブルを未然に防ぐために、適切な雇用契約書を交わすことも大切です。

2-2.労働基準法を遵守する

最低賃金法以外にも、労働基準法や労働安全衛生法、労働者災害補償保険法なども外国人労働者に適用されます。中でも労働基準法は労働条件の最低基準を定めており、賃金の支払い、労働時間、休日、有給休暇などに関する規定があります。

外国人労働者を雇用するにあたっては、労働基準法など「知らなかった」では済まされない法律について、正しく把握し、遵守しなければなりません。

2-3.外国人労働者との対話の時間をつくる

外国人労働者とのコミュニケーション不足には言葉の壁がありますが、それ以外にも企業側のサポートが不十分な場合があります。企業が積極的に外国人労働者とのミーティングを実施し、悩みや不安を話す機会を設けることが、ストレス解消を促します。

ほかにも外国人労働者が孤立しないよう、社内イベントを開催するなど、日本人、外国人の区別なく社員同士で交流を深められるような環境を整えることもコミュニケーション不足解消に効果的です。

2-4.習慣や文化の違いを知る

また、言葉の壁を乗り越えたとしても、習慣や文化の違いから思わぬトラブルを引き起こすこともあります。例えば、外国では報連相(報告・連絡・相談)しないことが多いだけでなく、挨拶の習慣がない国もあります。そのような習慣・文化の違いを理解していれば、悪感情を抱かないだけでなく、日本の習慣や自社のルールを教えてあげることでコミュニケーションを深めることにもつながります。

また、外国人労働者を受け入れる場合は宗教の多様さも理解し、祈祷部屋や食堂の食材の表記など、各宗教に配慮した環境づくりも大切です。

2-5.地域住民との交流の機会をつくる

外国人に対して不信感を抱いてしまう原因のひとつが、外国人と接する機会がない(少ない)ことが挙げられます。この不信感を払拭するためには、地域住民と外国人労働者の交流を促す必要があります。例えば地域のボランティア活動やお祭りなどのイベントへの参加が交流のきっかけとなります。

企業としても積極的に地域のイベントに貢献することで、住民の外国人への理解を深めると同時に企業イメージの向上が図れます。

3.外国人労働者を雇用するメリット

外国人労働者を受け入れる際の問題点や解決策について解説したところで、実際に外国人労働者を雇用することでどのようなメリットがあるか考えてみましょう。

3-1.人材不足の解消になる

少子高齢化が進む日本では労働人口が年々減少しています。とくに専門知識や技術が必要な業種において人材不足が問題となっています。その人材を補うため、すでに母国で高い技術を習得している外国人労働者を雇用すれば、即戦力として期待できます。

3-2.若い労働力を確保できる

日本では若年世代が減少しているため、若い人材を確保することが難しくなっています。一方で海外ではIT業界などを中心に優秀で若い人材が豊富なので、外国人労働者を雇用することは人材不足を解消するだけでなく、社員の若返りを促進します。

3-3.社内グローバル化につながる

日本での就労を希望する外国人労働者は、母国語に加え日本語や英語など多数の言語を話せることも珍しくありません。グローバル化が進む現在において、海外の顧客との対応(接客・通訳)など、様々な場面で日本人以上の活躍が見込まれます。

3-4.新しいアイデアが生まれる

外国人労働者の言語や文化の違いは、多様な価値観を社内にもたらすともいえます。異なる環境で育ってきたからこそ、日本人とは別の視点や発想で新しいサービス・製品が生まれるかもしれません。外国人労働者を受け入れることで企業価値の向上や新規事業の開発など、新たな可能性が広がります。

4.まとめ

外国人労働者を雇用する際の問題点と解決策を理解すれば、外国人労働者は企業に多くのメリットをもたらせてくれることが分かります。若くて優秀な人材の確保やグローバル化など、社内に新しい風をもたらす外国人労働者は、企業の活性化を促す人材でもあるのです。

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