技能実習制度で重要な役割を担う「送り出し機関」とは?
技能実習生を採用する場合、技能実習の受入れ方式には「団体監理型」と「企業単独型」の2種類があります。前者は監理団体が企業からの求人を受けて、現地の送り出し機関に求人を依頼する方法であるのに対して、後者は日本の企業が、海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式です。実際には97%の企業が団体監理型で実習生を採用していますが、そこで重要な役割を担っているのが、現地の「送り出し機関」です。
送り出し機関とは、実習生になりたい人からの求職の申込みを適切に日本の監理団体に取り次ぐことができる機関。送り出し機関として認定されるには、所在する国か地域の公的機関から推薦を受ける必要があります。その主な役割は以下の通り。
- 制度の趣旨を理解して、候補者を適切に選定し送り出す
- 技能実習生等から徴収する手数料等の算出基準を明確に定めて公表し、技能実習生に明示する
- 技能実習修了者(帰国者)に就職の斡旋などを行う
日本政府と技能実習生の送り出し国政府との間では、多くの場合、二国間協定を結んでいます。送り出し国は送り出し機関の審査を行い、適正な機関のみを認定。送り出し機関は以下のような業務を行います。
- 日本の監理団体から来た求人を現地で公開
- 応募者の選定
- 採用が決まった技能実習候補生に自国で一定期間の研修を実施(日本語、日本文化、マナーなど)
- 日本に行った実習生と帰国した実習生のフォロー
なお、送り出し機関の一覧は外国人技能実習機構のウェブサイトで見ることができます。
最後に、送り出し機関を選ぶ際に注意すべきポイントを2つ挙げておきましょう。
-
送り出し機関の日本語力は大丈夫?
技能実習生が日本で学び働き暮らしていくために、日本語能力が必要不可欠。送り出し機関の日本語教育水準や来日経験者がいるかを確かめましょう。
-
日本に駐在スタッフはいる?
実習生の人数が増えているため、監理団体や実習実施者との緊密な連携が必要になっています。そのため、送り出し機関に日本駐在スタッフがいることが重要。いつも日本に滞在しているスタッフがいるとトラブルが回避しやすくなります。 また、初めて日本に来る実習生にとって、母国語で相談できる相手がいると心強いでしょう。
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