在留期間の更新は大丈夫?企業が注意したい外国人の在留資格
2022.02.08
外国人を雇用する場合に気をつけたい点として、外国人の在留期間があります。
日本に滞在している外国人は在留できる期間が定められているため、期間が終了する前に更新手続きを行わなければなりません。
もし、在留期間の更新手続きを行わなければ不法滞在の扱いとなってしまい、外国人が強制的に日本から退去させられるだけでなく、雇用している事業主も罰則を受けてしまいます。
そのようなことにならないよう、在留期間の更新手続きの流れを把握しておきましょう。
CONTENTS
- 1. 在留期間の更新とは
- 2. 雇用している外国人の在留期間が過ぎるとどうなる?
- 2-1. 外国人が不法滞在とみなされる
- 2-2. 事業主も罰則を受けることがある
- 3.在留期間の更新に必要な手続き
- 3-1. 必要書類を準備し、申請書を作成する
- 3-2. 出入国在留管理局に申請する
- 3-3. 更新申請が許可されたら新しい在留カードを受け取る
- 4. 在留期間の更新が許可されない場合は?
- 5. まとめ
1. 在留期間の更新とは
在留期間の更新とは、日本に滞在している外国人の在留期間が終了間近になったときに行う手続きのことです。
なお、在留期間の更新手続きを行う場合は、これまでの在留資格を継続します。更新手続きでは在留資格を変更することはできません。
在留期間の更新手続きを行い、出入国在留管理局から許可が得られれば引き続き日本に滞在できます。
在留期間の更新を行う場合は、出入国在留管理局に「在留期間更新許可申請」を行います。申請ができる期間は、在留期間が6ヶ月以上の場合は在留期間が終了する3ヶ月前からです。
ただし、入院や長期の出張などで更新手続きをできる限り早めに行っておきたい場合は、出入国在留管理局に相談しましょう。在留期間が終了する3ヶ月以上前でも更新手続きができる場合があります。
2. 雇用している外国人の在留期間が過ぎるとどうなる?
もし、雇用している外国人の在留期間が過ぎてしまうと、以下のような問題が発生します。
- 外国人が不法滞在とみなされる
- 事業主も罰則を受けることがある
ここでは、それぞれについて説明します。
2-1. 外国人が不法滞在とみなされる
そもそも、外国人の在留期間が終了した時点で不法滞在となってしまいます。
しかし、外国人が在留期間の更新手続きをすっかり忘れていたなど、故意ではなくうっかりミスが原因で在留期間が終了してしまうケースもあります。
引き続き日本に滞在するためには、すぐに出入国在留管理局で相談しましょう。
在留更新手続きを行わなかった理由をスムーズに説明できるよう、説明する内容をあらかじめ整理しておくことがポイントです。
ただし、外国人の在留期間が過ぎた時点で不法滞在となるため、出入国在留管理局に相談しても在留が認められず、外国人が帰国しなければならない場合がある点も理解しておきましょう。
2-2. 事業主も罰則を受けることがある
さらに、企業の事業主も不法滞在者を就労させたとして罰則を受ける場合があります。
不法滞在者を就労させると「不法就労助長罪」という罪が適用され、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。
雇用している外国人が在留期間の更新を行わなければ、外国人に国外退去の命令が下されるだけでなく、企業も罰則を受けてしまい、事業に支障が生じることがあります。
そのような事態にならないよう、外国人の在留期間の終了が間近になったら、早めに在留期間の更新手続きを行うよう促しましょう。
3.在留期間の更新に必要な手続き
在留期間の更新手続きは外国人本人、または代理人が行います。
外国人本人が日本語を十分に理解しておらず、手続きがスムーズに進まない可能性がある場合は、代理人として行政書士に依頼する方法もあります。
更新手続きの正式名称は「在留期間更新許可申請」です。申請手続きは以下の流れで進められます。
- 必要書類を準備し、申請書を作成する
- 出入国在留管理局に申請する
- 更新申請が許可されたら新しい在留カードを受け取る
3-1. 必要書類を準備し、申請書を作成する
更新手続きを行うためには、必要書類を準備し、申請書を作成する必要があります。
必要書類の準備
必要な書類は以下の通りです。下記に記載したものは外国人本人が準備します。
- 在留期間更新許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- パスポートまたは在留カード
- 住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書
- 企業で働いていることを証明する書類(在職証明書など)
在留資格の種類によっては企業も書類の準備が必要
在留資格の種類によっては、企業も書類の準備が必要となります。
必要となる書類は企業のカテゴリーによって異なります。
在留資格に関する企業のカテゴリーの分け方、在留資格別・カテゴリー別に必要な書類の詳細については、出入国在留管理庁のホームページ「日本での活動内容に応じた資料【在留期間更新許可申請】」のページを確認してください。
https://www.moj.go.jp/申請書の作成
在留期間更新許可申請書は、出入国在留管理局で入手できるほか、出入国在留管理庁のホームページ「在留期間更新許可申請書」のページから印刷することもできます。
ページを開くと在留資格の種類が並んでいるので、当てはまる在留資格の種類を選び、「PDF形式」または「EXCEL形式」をクリックします。
いずれかをクリックすると、在留期間更新許可申請書が表示されるので印刷します。
申請書は外国人本人が記入する欄と、企業が記入する欄があるので、それぞれに必要事項を記入します。
3-2. 出入国在留管理局に申請する
必要書類をそろえ、申請書を記入したら出入国在留管理局に申請します。
審査に問題がなければ2週間前後で許可の通知が届きますが、審査に時間がかかる場合は1ヶ月程度かかることもあります。申請は時間に余裕を持って行いましょう。
3-3. 更新申請が許可されたら新しい在留カードを受け取る
申請が許可された通知が届いたら、出入国在留管理局で新しい在留カードを受け取ります。
新しい在留カードを受け取るときに必要なものは以下の通りです。
- 申請許可の通知書
- 申請受付票(申請時に発行されたもの)
- パスポート
- これまで使用していた在留カード
- 収入印紙(4000円分)
- 手数料納付書
4. 在留期間の更新が許可されない場合は?
在留期間の更新手続きを行っても、場合によっては許可されないケースもあります。
更新が許可されない理由としては、以下が考えられます。
- 在留資格の範囲外の仕事を行っていた
- 罪を犯して罰せられたことがある
- 納めるべき税金を納めていなかった
- 今後、独立して生計を立てることが困難とみられる
更新が許可されなければ原則として日本に滞在できないため、帰国しなければなりません。
また、滞在期間を過ぎても帰国しない場合は「退去強制」の手続きによって強制的に日本から出国させられます。
在留期間の更新手続きが許可されるためには、外国人本人が日頃から法律を守って生活することが有効な対策となります。
また、企業は在留期間が迫っている外国人に対しては更新手続きをするように一声かけることも大切です。
5. まとめ
日本に滞在している外国人は在留期間が定められているため、在留期間の終了が間近になったら更新手続きを行う必要があります。
更新手続きの方法をあらかじめ理解しておき、手続きの業務を確実に行えば、外国人の日頃の素行に問題がなければ通常は更新申請が許可されます。
企業としては、事業に支障が生じることのないよう、在留期間の更新手続きの期限が迫っている外国人に対しては、必要に応じて更新手続きを行うよう促しましょう。
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