【これで迷わない!】特定技能申請手続きの方法を解説〜ベトナム・フィリピン編~
2021.11.12
日本では、外国人労働者を受け入れる特定技能制度というものがあります。労働力を確保することを目的とし、2019年より始まった比較新しい制度です。少しずつ認知度が広がってきていますが、まだ「外国人労働者を受け入れたいけど、何からはじめたら良いか分からない」とか「受け入れ手続きや国による取り決めが複雑そう」と思っている人も少なくないでしょう。
そこで本稿では、特定技能制度の申請手続き方法をベトナムとフィリピンを例に挙げながら、まとめてみました。
CONTENTS
1.特定技能制度について
「特定技能制度」とは、特定分野の専門性や技術を有している外国人を受け入れるための在留資格です。日本における人手不足が深刻な産業分野への人材確保や生産性向上を支援するために、2019年4月より外国人労働者を受け入れることが可能になりました。
この在留資格には、「特定技能1号」と「特定技能2号」に分類され、特定産業分野に関する相当程度の知識や経験のある外国人は特定技能1号、さらに熟練した技術を要する外国人に特定技能2号が値します。特定産業分野として、介護や建設、農業をはじめとする14分野が定められています。
特定技能1号と2号の違いや、特定技能制度に関する詳しい情報は以下を参考にしてください。
特定技能2号とは
在留資格「特定技能」とは
外国人が日本で技能実習を行うための技能実習制度とは違い、特定技能は、特定分野で即戦力となる外国人を雇用する制度です。
特定技能制度は国の制限はないものの、送り出す国によって手続き方法が異なります。
今回は、特定技能制度の主要国であるベトナムとフィリピンの手続き方法を解説します。
2.申請手続きの流れ
特定技能外国人を円滑に送り出し・受け入れを行うために、13ヵ国が日本と協力覚書を作成しています。今回は、特定技能外国人の主要国であるベトナムとフィリピンの申請手続きについて紹介します。
ベトナム
1. 労働者提供契約の締結
日本の特定技能所属機関(受入機関)が、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省 海外労働管理局(DOLAB)と労働者提供契約を結びます。この際にベトナム認定送出機関を利用します。
2. 雇用契約の締結
受入機関は、労働者提供契約に基づいて人材を募集し、送出機関から人材の紹介を受け、申請人(特定技能外国人)と雇用契約を結びます。
3. 推薦者表の発行申請
申請人はDOLABより推薦者表の承認を受ける必要があります。
推薦者表とは、申請人が海外での就労においてベトナム側の手続きが完了したことをベトナム政府が証明するものです。
4. 在留資格認定証明書の交付申請
受入機関は、地方出入国在留管理官署に推薦者表を提出し、在留資格認定証明書の交付申請手続きを行います。
5. 査証発給申請
申請人は、在ベトナム日本国大使館で在留資格認定証明書を掲示し、特定技能外国人として来日するための査証の発給申請をします。
6. 特定技能外国人として入国
上記の手続きが完了した申請人は、ベトナムを出国します。日本到着時に入国審査官より入国条件が適していると認められると、入国が許可され、特定技能の在留資格を得ることができます。
フィリピン
1. 人材募集や雇用に関する募集の取り決めを締結
日本の特定技能所属機関(受入機関)は、フィリピン認定送出機関と人材の募集や雇用に関する募集の取り決めを結びます。
2. 必要書類の準備・提出
受入機関は、必要書類(雇用契約書のひな形や募集取り決めに関する書類)を、駐日フィリピン大使館海外労働事務所(POLO)または在大阪フィリピン総領事館に提出し、所定の審査を受けた後、雇用主としてフィリピン海外雇用庁(POEA)に登録される必要があります。3. 受入機関の面接
受入機関は、POLO等で労働担当官による英語での面接を受けます。面接の結果、受入機関が雇用主として適正であると判断された場合、POLO等から認定印が押印された書類一式と推薦書が受入機関に郵送されます。4. POEAへの登録
受入機関は、送出機関を通じて上記3で郵送された書類一式をフィリピンのPOEAに提出します。雇用主としてPOEAに登録されるとともに、求人情報が登録されるようになります。5. 雇用契約の締結
受入機関は、送出機関から人材の紹介を受け、申請人(特定技能外国人)と特定技能に係る雇用契約を結びます。6. 在留資格認定証明書の交付申請
日本の受入機関は、地方出入国在留管理官署に対して、在留資格認定証明書の交付申請手続きを行います。
※在留資格認定証明書の有効期限は、発行日から3ヶ月のため、以降の手続きを有効期限内に進める必要があります。
7. 査証発給申請
申請人は、在フィリピン日本国大使館で在留資格認定証明書を掲示し、特定技能外国人として来日するための査証の発給申請をします。8. 出国前オリエンテーションの受講
申請人は、フィリピンの海外労働者福祉庁(OWWA)が実施する出国前オリエンテーションを受講することが必要とされています。9. 健康診断の受診
申請人は、健康診断を受講します。※上記7〜9の手続きは、同時並行で行うことが可能です。
10. 海外雇用許可証(OEC)の発行申請
申請人は、上記7で査証を取得し、上記8のオリエンテーションの受講及び上記9の健康診断の受診後、送出機関を通じてPOEAにOECの発行を申請します。11. 特定技能外国人として入国
上記の手続きが完了した申請人は、フィリピンを出国します。日本到着時に入国審査官より入国条件が適していると認められると、入国が許可され、特定技能の在留資格を得ることができます。3.在留諸申請時の提出書類や注意点
ベトナムの場合は、在留諸申請の際に国独自が定めた推薦者表の提出が必要です。
フィリピンの場合は、在留諸申請の際に提出書類は必要ありませんが、フィリピン側で一定の送出手続きが定められています。
4.まとめ
特定技能外国人を受け入れるうえで、必要な手続き方法を主要国の中からピックアップして紹介しました。国によって細かい規定や手順が定められていますが、スケジュールや取り決めをしっかり理解することで、円滑に手続きを進めていくことができます。
特定技能に関する二国間の詳しい取り決めは随時更新されています。
出入国在留管理庁ホームページ
(http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri05_00021.html)
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