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外国人を雇用した企業は支援が義務に
企業が負担する金額の目安は?

外国人を雇用した企業は支援が義務に 企業が負担する金額の目安は?

外国人を雇用した企業は、外国人が日本での生活を順調に始められるようするために、一定の支援が義務づけられています。
特に企業が知っておきたいことは、外国人が生活する物件の家賃、水道光熱費、Wi-Fiなどの通信費を企業がどの程度負担すれば良いか、という点ではないでしょうか。
この記事では、外国人が日常の生活を送るにあたって企業が支援すべき内容、家賃や水道光熱費、通信費の会社負担はどの程度が適正か、という点について説明します。

CONTENTS

  1. 1.外国人を雇用した際に必要な支援は?
  2. 1-1.特定技能外国人:住居に関する支援
  3. 1-2.特定技能外国人:水道光熱費に関する支援
  4. 1-3.技能実習:住居に関する支援
  5. 1-4.技能実習 水道光熱費に関する支援
  6. 1-5.技能実習 生活必需品の支援
  7. 2.家賃・水道光熱費・通信費 企業はどの程度負担すれば良い?
  8. 2-1.家賃
  9. 2-2.水道光熱費
  10. 2-3.通信費
  11. 3.まとめ

1.外国人を雇用した際に必要な支援は?

外国人を雇用した際に必要な支援にはさまざまなものがあります。
例として、特定技能外国人に対して必要な支援をあげると下記の通りとなります。

  1. 事前ガイダンスの実施
  2. 空港送迎
  3. 住居に係る支援
  4. 生活オリエンテーションの実施
  5. 公的手続き等への同行
  6. 日本語学習機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援
  10. 定期的な面談・通報

この記事では、家賃・水道光熱費・通信費(Wi-Fi費用)を企業がどのくらい負担するか、という点について掘り下げるため、上記に記載した支援のうち「3.住居に係る支援」と「5.公的手続き等への同行」についてみていきます。
なお、公的手続き等への同行は、水道光熱費の手続きに関する内容が含まれます。
特定技能・技能実習ともに、住居に関する支援と水道光熱費の手続きが必要です。なお、技能実習はこのほかに「生活必需品の支援」も必要となります。

1-1.特定技能外国人:住居に関する支援

特定技能外国人を雇用する場合、企業は特定技能外国人が生活する住居を確保する必要があります。
特定技能外国人が生活する住居の条件は、居室のスペースが1人あたり7.5m2以上であることです。
なお、7.5m2を畳の部屋に置き換えて考えると、江戸間や京間など畳の寸法によって若干異なりますが、4~4.5畳程度が目安となります。

ただし、技能実習が終了した後、引き続き特定技能として働き続ける外国人に対しては、1人あたり4.5m2以上であれば差し支えありません。

4.5m2を畳の部屋に置き換えると約3畳となります。
なお、1人あたり4.5m2以上とは、技能実習生が生活する住居に対して設けられた基準です。また、居住スペースはではなく寝室のスペースとなります。

特定技能向けの住居を確保する方法

特定技能外国人が生活する住居を確保する方法は下記の3種類です。
これらのうち、いずれかの方法を選びます。
  1. 特定技能外国人が居住する賃貸物件を企業が探す
  2. 企業が所有する社宅、または寮に特定技能外国人を居住させる
  3. 外国人本人が物件を探し、居住する
それぞれの方法について補足します。

(1)について
特定技能外国人が初めて来日する場合、企業が社宅を所有していなければ、企業が外国人向けの物件を探し、企業が賃借人となります。

(2)について
社宅を所有しており、特定技能外国人に向けに社宅を提供できる場合はこの方法をとります。

(3)について
日本での生活が長い特定技能外国人は、外国人本人が物件を探すこともできます。

この場合、企業は下記の支援を行います。

  • 外国人に賃貸物件に関する情報を提供する
  • 外国人が賃貸物件を探すときに同行する
  • 企業は賃貸物件に居住する外国人の連帯保証人になる

1-2.特定技能外国人:水道光熱費に関する支援

企業は、水道光熱費の手続きに関する支援も行います。
日本語を理解していない外国人は、水道光熱費など公共料金の支払い手続きを自分自身で行うことは難しいといえます。
水道光熱費に関する手続きをスムーズに行うためにも、企業がこれらの手続きをサポートします。

1-3.技能実習:住居に関する支援

特定技能外国人と同様、技能実習生に対しても住居の確保が必要です。
ただし、下記の点に違いがあります。
  • 居住する物件は賃貸物件、または企業が所有する社宅や寮
  • 就寝スペースは1人あたり4.5m2以上

特定技能の場合は、外国人本人が物件を探すことも可能でしたが、技能実習の場合はあくまでも企業で実習を受ける形となるため、企業が確保した物件に住みます。
また、特定技能の場合は居住スペースが1人あたり7.5m2以上必要であったのに対し、技能実習の場合は就寝するスペースが1人あたり4.5m2以上必要です。
つまり、技能実習の場合は寝るためのスペースを確保する、という考え方がベースとなります。

1-4.技能実習 水道光熱費に関する支援

水道光熱費の手続きは、特定技能の場合と同様に企業が行います。

1-5.技能実習 生活必需品の支援

技能実習生に対しては、生活するために必要な生活必需品の支援を企業が行います。
主な生活用品としては、家電品や寝具、台所で使用する道具類などがあげられます。
必要な家電品とは、冷蔵庫、炊飯器、掃除機、洗濯機など家事で使用する家電品です。
台所で使用する道具類としては、フライパンや鍋など調理するときに必要なものや、茶碗、はし、スプーンなど食事をするときに必要なものなどがあります。


生活するときにどんな道具が必要か、という観点で必要な道具をそろえましょう。

2.家賃・水道光熱費・通信費 企業はどの程度負担すれば良い?

家賃・水道光熱費・通信費 企業はどの程度負担すれば良い?

特定技能外国人や技能実習生を賃貸物件、または企業が所有する寮や社宅に住まわせる場合、企業は家賃・水道光熱費・通信費をどの程度負担すれば良いか、という点についてみていきます。

2-1.家賃

特定技能外国人、技能実習生が負担する家賃額の目安は2万円程度が目安です。
つまり、企業が負担する家賃の額は、本来の家賃から2万円程度を引いた額となります。
1つの物件に複数人が生活している場合、外国人1人あたりの負担額は居住する人数で割って計算します。

例えば、4人で生活している場合は、2万円÷4人=5,000円となります。

なお、企業が外国人に対して家賃の支払いを求める場合、本来の家賃を超えない額であれば請求しても差し支えありません。ただし、外国人から本来の家賃を超える額を請求することは禁じられています。
しかし、家賃の相場や特定技能外国人や技能実習生が受け取る賃金の額などを踏まえると、家賃の多くを外国人に請求するケースは少なく、外国人に対する請求額は2万円程度が相場といえます。

社宅などに住まわせている場合、どの程度請求できる

特定技能外国人や技能実習生を社宅や会社の寮などに住まわせている場合、外国人に対して請求できる金額は、賃貸物件の家賃の場合と同様に、周辺の家賃の相場と外国人の賃金を元にして決めます。

目安としては2万円前後となります。
なお、外国人から請求する金額は、下記の計算式で計算した金額を超えないようにする必要があります。

建設費用÷耐用年数÷12ヶ月÷居住する人数
=請求できる上限の金額

下記に計算した内容の例をあげます。

・社宅の建設費用3000万円、耐用年数25年、居住する人数が1人の場合
3000万円÷25年÷12ヶ月÷1人=10万円

つまり、上記の条件の場合、家賃代として10万円を超えた額を請求することはできません。

2-2.水道光熱費

特定技能外国人や技能実習生が負担する水道光熱費の額は、目安として1万円前後となります。
ただし、1つの物件に複数人で生活している場合、外国人1人あたりの負担額は生活している人数で割って計算します。

例えば、4人で生活している場合は、1万円÷4人=2,500円となり、1人あたり2,500円を負担します。
企業が負担する水道光熱費の額は、実費から1万円程度を引いた額です。

なお、水道光熱費として請求できる金額は実費までとなります。実費を超える金額を外国人に請求することは認められていません。

2-3.通信費

Wi-Fiなどの通信費は、多くの場合外国人が全額を負担するため、企業が通信費を負担する必要はほぼありません。
1つの物件に複数人が生活する場合、1人あたりの負担額は、通信費としてかかった費用を居住者の人数で割って計算します。

3.まとめ

特定技能外国人や技能実習生を雇用した場合、企業は住居の確保や水道光熱費の支払いに関する手続きも行う必要があります。
また、技能実習生に対しては生活必需品の支援も行います。
特定技能外国人や技能実習生が生活する際、企業は家賃や水道光熱費の負担が必要です。
家賃や水道光熱費の負担額は、外国人の賃金と家賃・水道光熱費の相場を考慮して決めます。
外国人が負担する金額の目安は、家賃が2万円、水道光熱費が1万円となります。外国人が負担する分以外は企業が負担しなければなりません。
通信費は外国人自身が負担するケースが多いため、企業が負担する必要はありません。
家賃や水道光熱費は、外国人と企業側がともに負担になりすぎない金額となるよう、双方にとって適正な負担額を定めましょう。

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