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ルール、規則は何のためにある?
ベトナムの交通事情とは

生活関連

2024.10.16

20XX年。
少子&超高齢社会を迎えた日本。
国内企業は、人材不足解消のため外国人材の活用に活路を見出していることだろう。

しかし、外国人材の活用については、労働環境の整備や異文化理解・コミュニケーションなど、課題であふれている。

果たして、企業が外国人労働者から選ばれるには?

本コラムは、外国人材の背景にある“異文化”への理解の第一歩として読んでいただきたいノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録
ルール、規則は何のためにある?ベトナムの交通事情とは

私、伊能ゆりなは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。

日頃は外国人材を雇用する企業や雇用される外国人の皆さんをサポートするキャリアアドバイザーとして、メンバーとともに全国各地で起こる珍事を紐解き、解決しているのだが(これまでの「青山智香の解明」はこちら )、現在、弊社ではベトナム、インドネシアなど外国人材市場の開拓にも力を入れており、海外での業務も増えてきた。

今回は、ベトナム出張に際して、見聞き、体験した記録を紹介していきたいと思う。

私、ここにいます!

プップー!
ビビーッ!

ベトナムの町を歩いていると、いつもどこかからけたたましいクラクションの音が鳴り響いている。3人乗りどころか4人乗りのバイク、これでもかというほど荷物を積んだバイク、ノーヘル、スマホを見ながら運転は当たり前だ。

(時間帯を問わず渋滞が酷いハノイ)

こうした交通事情について、頭ではわかっていたつもりだが、いざ現地に行ってみると日本とは違った趣に常にキョロキョロしている自分がいる。道路には、車道と歩道、時々、街路樹があり、車線を区切る白線、横断歩道、標識など日本とさほど変わらない景色が広がっているはずなのだが…。

(歩行者がいようとお構いなしに走り去るバイクたち@ダナン)

道路を走るバイクはある意味、列をなして整然と駆け抜けていく。
すると、突然、私の前を歩いていたTシャツに短パン、ビーチサンダルをつっかけた男性が車道に出た。

(あ、危ない…!)

声が出そうになったその時、辺りにいた数名が彼と共に道路を横切り始めた。車道を走るバイクはそれらを予見していたかのように、人々を交わしていく。

よく見れば、そうした光景があちらこちらで起きており、そもそも車やバイクはそれほどスピードを出しているわけでもなく、互いに距離を取りながら上手に路上を通過している。日本でクラクションを鳴らすシーンといえば危険に対する警告だが、ベトナムではまるで「私はここにいるから、周辺の皆さん、良い具合に距離を取ってね!」と自己主張をしている感じである。

(人力乗馬車シクロに乗る人々。クラクション代わりに口頭で叫ぶスタイル)

もちろん、ベトナムにも交通ルールがある。ただ、ある程度はそれに則りながら、半分は任意で行動している。無秩序から生まれる良識のおかげともいえようか、“いつでも車両や歩行者に気をつけながら過ごす意識”(=自己責任)があるからこそ、一定の安全が保たれているようだ。

さて、ルール、規則とは何のためにあるのだろう。
ルールは守られてこそ意味を成し、守られなければ危険を伴う。

どちらが良い、正しいということではないが、訪越(越南:ベトナム)初日にして考えさせられる体験であった。

【2024年3月】特定技能「自動車運送業」の施行が決定!

去る、2024年3月、自動車運送業界における人材不足の解消へ向け、特定技能「自動車運送業」の施行が決まった。この制度を利用すれば、タクシー、バス、トラックの運転手として外国人の雇用が可能となる。

交通事情は国によりけりといえども郷に入っては郷に従え。日本では、車両が入り乱れる車道を横切るなんてアリエナイ。逆に、運転手となればどんな事情があったにせよ、歩行者が最も弱い存在として取り扱われる。仮に、不本意でも事故など起こそうものなら、その過失割合は交通弱者が被害者であることを前提とした基準で裁かれる。

(対向車同士、互いに道を譲らずしばし立ち往生してしまう)

昨今の外国人運転手による事故は、ルール、規則に対する遵守(規範)意識の低さだけが問題とはいえないが、今後、運送・物流業界が特定技能外国人を受け入れ、外国人ドライバーに託されていくことを受け、今一度、運転マナーの違いや日本の交通事情の徹底理解と、雇用者による労働環境整備が必要だ。



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団塊の世代にあたる800万人全員が後期高齢者となる「2025年問題」を目前にした今、超高齢化社会で人材不足大国となる日本で、企業が目指すべきは「外国人活用」だ。外国人の労働環境やコミュニケーションの壁を克服し、企業の成長へと導くための方法を伝授する。

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