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実家の両親がインドネシア人技能実習生を救った話
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.18

生活関連

2025.02.14

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.18
実家の両親がインドネシア人技能実習生を救った話

ワタシ、伊能ゆりなは外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。 実はこれまでもメンバーとともに珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(これまでの珍事はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

特定技能評価試験って知ってる?

去る1月7日。この日は、新潟県で働く技能実習生10名が特定技能評価試験を受験するため東京に来ていた。皆、節約のため夜行バスを使って7時間ほどかけ上京してきたようなのだが、元気いっぱい!なんなら、綺麗でちょっと乗り心地の良いバスの旅すら楽しかったらしい。試験後には東京観光を予定しているとのことで、付き添いの私は午後にはお役御免となった。



ちなみに、特定技能評価試験とは日本での就労を希望する外国人が「日本語能力」と「技能」の水準を満たしているかを評価する試験で、試験内容は国が定めた基準に基づき作成されている。日本語能力と技能の評価は以下の試験で判定される。

・日本語能力の評価
 1 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)(独立行政法人国際交流基金が実施)
 2 日本語能力試験(JLPT)(独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施)
・技能の評価
職種ごとの業界団体が実施する「特定技能評価試験」による

時々、ご質問いただくのだが「技能実習(技能実習生)」と「特定技能(特定技能外国人)」制度の違いについて。これらはそれぞれの目的が異なるので併せて紹介する。

・技能実習制度
日本の技術や知識を開発途上地域へ伝え、その経済発展に貢献する「国際協力」を目的とした制度で本来、人手不足の解消を目的とはしていない。そのため、実習生は事前に日本語や専門知識を持つ必要はなく、決められたカリキュラムに沿って学びながら技術を習得していく。また、そうした意図から指定された実習以外の労働は認められていない。

・特定技能制度
日本国内の人材不足が深刻な業種において「即戦力」となる外国人を受け入れるための制度。特定技能の在留資格を取得するには、以下の能力が必要とされる。

・業種ごとの専門的な技能や経験
・日本語でのコミュニケーション能力

ちなみに雇用形態は原則として正社員で日本人と同等以上の報酬が支払われる。また、同一業種内での転職も認められている。技能実習2号を修了している場合、特定技能1号への移行は試験なしで可能。ここで、特定技能の種類についても簡単に解説しておこう。

特定技能1号
 対象者:即戦力として活動できる知識や経験を持つ外国人
 必要な試験:
  特定技能評価試験(1号):技能水準を確認
  日本語能力試験(JLPT N4以上):日常会話レベルの日本語力を確認
 在留期間:最長5年(更新不可)
 家族の帯同:認められない

特定技能2号
 対象者:特定技能1号から移行し、熟練した技能を持つ外国人
 必要な試験:
  特定技能評価試験(2号):熟練技能を確認
 在留期間:更新可能(条件を満たせば永住申請も可能)
 家族の帯同:要件を満たせば認められる

そんなわけで、技能実習生の彼、彼女らは仕事の幅を広げるべく特定技能への移行を希望し試験に臨んだ、というわけだ。

迷子のインドネシア人技能実習生

さて、本題に戻って今回の珍事は受験後、都内観光を楽しんだインドネシア女性アユさんの話だ。



1月8日まで15分と少し。布団に入り、明日のスケジュールを確認しているとリナさんから着信があった。リナさんは試験を受けに来たメンバーの一人で、浅草観光をし、夕方には新潟に帰ると話していた女性だ。
電話に出てみると、話題はアユさんが迷子になっているとう相談だった。どうやらアユさんとは受験後、浅草寺までは一緒で、その後は別行動になってしまったらしい。ただ現状としてわかっていることは
・北千住駅にいる
 →持ち合わせの現金で駅からは出られたが、それからどうしたらいいかわからない
・携帯電話を紛失してしまいSuicaや新潟に帰るバスのチケットも連絡手段もない
 →頼みの綱の古い携帯電話もバッテリーが切れて、今となっては連絡がつかない
ということだった。



きっと、アユさんは異国の地で途方に暮れているだろう。
しかし私とて東京の西側、高円寺に住んでおり交通手段がない。アユさんが北千住にいる理由もわからない。時間も時間でそちら側の店舗の社員に頼るわけにもいかない…。

「……ゆりなさん?どうしたらいいですか」

リナさんの不安そうな声。
困った。



北千住といえば、北上すれば埼玉県か。埼玉といえば実家がある。実家から北千住まで車で行くと…

「あっ!リナさん!良いこと思いつきました。北千住駅まで、うちの両親に車で迎えに行ってもらいます。たぶんまだ起きてるはずだから。アユさんたぶん駅から動いてないよね?」

「はい、場所がわからないですしお金がないから駅に座ってると言ってました」

「了解。じゃあ、アユさんを確保次第リナさんにも連絡入れるわね。アユさんには私の実家に泊まってもらうから!」

そう言い残して電話を切り、すぐさま両親に連絡を取った。そして「北千住駅で迷子になっているインドネシア人と思しき女性がいたら私の使いであることを伝え、アユさんだったら確保して一晩泊めてほしい」とお願いした。



1時間後。
私の目論見通り事は運び、この珍事は一件落着した。

後日、落とし物センターに問い合わせ、紛失してしまった携帯電話は無事にアユさんの元に戻って来た。
 こんな突拍子もないお願いを即答で了承してくれる父母の寛大さたるや!
そして
 落とし物を落とし物として届けられる日本という国柄の素晴らしさよ!
アユさんからは特段、お礼もなにもなかったが(笑)私の心は温かかった。






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