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平気で嘘をつく?!ベトナム人特定技能外国人の話 後編
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.22

生活関連

2025.03.14

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.21
平気で嘘をつく?!ベトナム人特定技能外国人の話 後編

ワタシ、伊能ゆりなは外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。
実はこれまでもメンバーとともに珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(これまでの珍事はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

意地でも病院には行かない

今回も、千葉の食品工場で働く特定技能外国人ファムさん、ベトナム人男性の話。



ある日、彼が発熱と喉の痛みを訴え、会社を休んだことがあった。
インフルエンザなどが猛威をふるうこの時期、体力が弱い人や持病を持つ人への感染、さらに同じ閉鎖空間にいる人々の集団感染も考慮する必要がある。もし、発熱やその他症状が出た場合は発熱外来を受診し、コロナやインフルエンザであった場合は、医師の指示に従い解熱後2日間は自宅待機するのが、昨今の学校や会社のルールとなっている。

ファムさんには近くの発熱外来をいくつか案内し、予約できた病院に行って検査してくるよう指示をした。



午後をまわり、なかなかファムさんから結果報告がないため連絡を入れてみると

病院に行って検査を受けたが、道中で診断書を捨ててきた

と返事が届いた。

━読者の皆様の中にも、もしかしたらピンときている方がいるかもしれない。前回、平然と嘘をついたファムさんのことだ。もしかすると病院に行ってない可能性がある。私は、すかさずファムさんに電話した。

最初は不在着信…。2回目も不在着信だ。3回目の電話でようやく電話がつながった。

「ファムさん、体調どう?心配したのよ。…で、病院には行ったの?本当は行ってないんじゃない?」

「いえ、行きました。でも、診断書は捨てました。要らないと思いました」

「じゃあ、もう一度発行してもらうしかないわね。私から病院に電話するから、受診した病院名を教えてくれる?」

「いや………。あの、お金がかかるので病院行きたくないです」

「でも、検査を受けて企業様に診断書を提出しないと、出勤できないけどそれでいいんですか?」

「じゃあ……会社が病院のお金を払ってくれるんですか?

「え?なんでそうなるの」

「病院代、困ります。今日、寝ていました。少し良くなってきました……病院は高い…お金払ってくれるなら行きます…」

こちらが黙って聞いていると、延々と言い訳を続けてくる。ここにクッションがあれば確実に殴っている。体調管理も仕事の内だと、入社時にあんなに言ったのに。しかも、体調不良時の対処方法も、もちろん研修で伝えている。
怒りがこみ上げてきたが、ここは冷静に話を遮った。

「ファムさん、あなたの言い分はわかりました。でも、体調不良になったのは自分の責任ですよね?あなたは会社のせいで熱が出ましたか?違いますよね。体調管理をするのも自分です、そしてそれも仕事の一つです。自分に責任を持ってください。もう子供じゃないです、親も近くにいません。自分の病院代は自分で払いなさい」

ちなみにファムさんは30歳を超えていて、私よりも年齢は上。…なのにこんなことを言わきゃいけないなんて!!!!

「…わかりました。ちょっと今は熱があるから寝ますから……」

プツンと電話は切れた。

なんだそれ、絶対信用できない…!!!!
私は大急ぎで彼の自宅(寮)を訪問してみた。しかし案の定、不在。しばらくすると、仕事を終えた他のメンバーが帰宅し、ファムさんが出勤していないことはわかった。



おそらく彼女の家で養生しているのだろう。その後、何度かメッセージを送るも無視。音沙汰がないため翌日から数日間、会社の担当者の方に連絡すると『解熱後2日は出社しない』というルールは守ったようで、その週はお休みしていたことは確認できた。

技能実習生、特定技能外国人の保険について

さて、ファムさんの「病院はお金がかかるから行きたくない」問題。
これには保険関係の都合が絡んでいる。



技能実習生の場合は、企業負担で実習生総合保険に加入していることが多く、病気などはその保険でカバーできるようになっている。逆に、特定技能外国人の場合については、特定技能外国人総合保険はあるものの、企業側で加入しているケースは稀である。ただし、どちらの場合も社会保険には加入させているため、プラスアルファで企業様が総合保険に入るかどうかは“任意”となっている。

技能実習生の場合は、日本に来てから2か月間は講習期間として、雇用関係がないため総合保険に加入していないとその間の病気や怪我は企業の負担になる。そのため、技能実習生を雇用する場合、企業は社会保険に加え、実習生総合保険に加入していることが多いのだ。

今回のファムさんは、自身が技能実習生の時に受けていた待遇が当たり前の措置だと思っているケース(だと思われる)。
日本での生活、仕事が長くなると、前回の珍事もそうだが、ずる賢くなるパターンや「前職の時はここまでやってくれたのに、おかしい」など、待遇面の主張をするなど、わがままになりがちだ。ほとんどの技能実習生、特定技能外国人は真面目なので「前の会社のルールは、それはそれ。今は、現在所属させていただいている企業様のルールに従うこと」と伝えると素直に従うため、全員がそうだと信用しすぎないよう注意喚起していきたい。






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