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外国人を単純労働で雇用するのはNG!
製造業の現場で就労できる在留資格を解説

労務管理

2021.12.06

単純労働の目的で外国人を雇うことは違法です。しかし、製造業などの分野で外国人を単純労働者として雇用している企業が見受けられます。

在留資格に関する知識がない状態で外国人の採用手続きを進めてしまうと、不法就労罪などの疑いで逮捕される可能性があるため、在留資格について理解を深めることが重要です。

本記事では、外国人の単純作業が禁止されている理由や、在留資格の基本概要、外国人が製造業で従事できる仕事内容などについて解説します。この記事を読むことで、自社が注意すべきポイントをおさえられるようになるので、ぜひ参考にしてください。

外国人を単純労働で雇用するのはNG

大前提として、外国人を単純労働で雇用するのは違法です。入管法によって、外国人の単純労働は禁止されています。

外国人の単純労働が禁止されている理由は、日本の治安への影響が懸念されている、および日本で働く労働者の仕事を奪ってしまう可能性があるためです。

許可申請を行う際に提出する「採用理由書」に、単純労働以外の仕事内容を記載しているにも関わらず、実際は単純作業だったというケースも見受けられます。

在留資格について

外国人を単純労働の目的で雇用することは違法行為であることを説明しました。ここでは、在留資格について再度確認し、外国人の業務が違法行為に該当しないか確認しましょう。

技術・人文知識・国際業務とは

出入国在留管理庁のホームページ※1によると、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で外国人が従事できる活動内容は以下の通りです。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動。

つまり、外国人は知識を必要とする業務や、外国の文化を活かした仕事を行う必要があるということです。

※1 出入国在留管理庁

技術・人文知識・国際業務で働ける職種例

在留資格「技術・人文知識・国際業務」で外国人が従事できる職種例は以下の通りです。

技術(理系の仕事)

  • コンピューター関連の技術者
  • 機械工学などの技術者
  • 情報セキュリティーの技術者
  • 土木及び建築における研究開発、解析、構造設計関連の従事者
  • ゲーム開発のシステムの設計や試験、検査等の従事者
  • その他製造や開発に携わる人


人文知識(文系の仕事)

  • 貿易などの海外と取引する業務、経理、人事、総務、法務
  • マーケティング、広報、商品開発、営業、企画、コンサルティング


国際業務

  • 翻訳、通訳、語学の講師
  • 服飾や広告などのデザイナー
  • ホテルマン(通訳が主業務)

製造業において外国人が従事可能な仕事内容

ここまで、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の定義や具体的な職種例を確認しました。製造業においては、外国人は主に以下のような仕事内容に従事することができます。

技術

  • 製品の開発、品質管理や技術の指導


人文知識

  • 総務、経理、マーケティング、企画


国際業務

  • 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務


つまり、在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもつ外国人に対して、現場での単純作業は違法になるということです。企業は、知識や外国文化を活かした仕事を提供する必要があります。

技術・人文知識・国際業務以外にも、製造業の現場で就労できる身分系の在留資格が存在します。該当する在留資格は主に以下の通りです。

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者(留学や家族滞在におけるアルバイト、技能実習生、特定技能)

身分系の在留資格をもつ者は、職種や分野の制限無しに仕事に就くことができます。

一方、身分系の在留資格もっていない外国人に対しては、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得してもらう必要があります。

入管から許可された職種以外の仕事を外国人に与えた場合

入管から許可された職種以外の仕事を外国人に与えた場合、企業は入管法73条の2によって「不法就労助長罪」に問われることになります。

雇用主のみならず、監督的立場にある従業員が罪を課せられることもあり、罰金や懲役の処罰が与えられるのです。

また、仕事を与えた企業だけでなく、単純労働に従事した外国人当人も、入管法70条1項4号により「資格外活動罪」に問われることになります。明らかに資格外活動を行っていると判断された場合、罰金、懲役、強制退去などの処罰を受けることになります。

違法行為が摘発された事例

入管の取り締まりや従業員の告発により、違法行為が摘発された事例を紹介します。

図面作製と申請するも実際は建設資材の仕分けや運搬


在留資格「技術・人文知識・国際業務」で入国したベトナム人に対して、単純労働に従事させた疑いで、日本人とベトナム人を含めた3人が逮捕されました。

容疑者らはベトナム人2人を建設会社の図面作製に従事させると入管当局に申請書を提出したのにも関わらず、実際の業務内容は建設資材の仕分けや運搬であったことが明らかになりました。

留学生などのアルバイトでは、労働時間に制限があるため、在留資格の申請を装って安価な労働力として雇用したとみられています。

接客など在留資格外の活動で社長と役員が逮捕


焼きそばで知られている中華料理店「梅蘭」で、従業員に在留資格外の活動をさせたとして、運営会社社長と役員が「入管難民法違反」の疑いで逮捕されました。

マーケティングや通訳などの業務に従事させると入管当局に申請書を提出しものの、従業員7人が接客業に従事していたことが明らかになりました。

行政は不法就労等外国人対策を推進

警察庁、法務省、出入国在留管理庁、厚生労働省は、不法就労等外国人対策に関する取り組みを強化することを発表しました。

近年は、偽物の在留カードで就労する事案や外国人が単純労働に従事する事案など、不法就労の方法が大きく変化しています。

外国人を不法就労させる手口が巧妙、悪質になっており、労働市場に悪影響を及ぼすことが懸念されているのです。

不法就労をあっせんする者への取り締まりを強化、在留カード等読取アプリケーションの配布など、行政は新たな取り組みを開始しており、不法就労等外国人対策を推進しています。

在留資格について理解を深めよう

本記事では、外国人を単純労働で雇用するのが違法にあたる理由や、在留資格「技術・人文知識・国際業務」について解説しました。

日本の治安への影響や、日本で働く労働者の仕事を奪ってしまう可能性などの理由で、外国人を単純労働させることが禁止されています。

しかし、入管局に提出する採用理由書を偽造し、単純労働に従事させるケースが多く見受けられます。実際に、違法行為が摘発された事例も多く見られており、企業には在留資格に関する理解を深める姿勢が求められています。