監理団体とは?役割と選び方、新制度「育成就労」による影響を解説
2026.02.19
技能実習制度における「監理団体」の役割や業務内容、許可基準を分かりやすく解説します。2027年開始予定の「育成就労制度」による監理支援機関への移行や、特定技能(登録支援機関)との違い、優良な団体の選び方・見極め方まで紹介します。
技能実習生の受け入れにおいて、中心的な役割を果たすのが「監理団体」です。しかし、全国に3,000以上存在する団体の中から、自社に合ったパートナーを選ぶことは容易ではありません。また、2027年までに現行の技能実習制度は廃止され、新たに「育成就労制度」へ移行することが決定しており、監理団体の在り方も大きく変わろうとしています。
本記事では、監理団体の基本的な役割や業務内容、特定技能(登録支援機関)との違いを解説するとともに、新制度を見据えた「失敗しない監理団体の見極め方」について、専門的な視点から解説します。
CONTENTS
- 1. 監理団体とは
- 2. 監理団体と「登録支援機関」の違い
- 3. 監理団体の主な役割と業務内容
- 4. 2027年開始予定「育成就労制度」で監理団体はどうなる?
- 5. 失敗しない監理団体の見極め方・選び方
- 6. 悪質な監理団体の特徴とリスク
- 7. まとめ:制度移行期だからこそ信頼できるパートナー選びを
1. 監理団体とは
まず、監理団体がどのような組織であるか、その法的な位置づけと基本的な役割を整理します。あわせて、制度上の区分や技能実習生受け入れにおけるシェア率などの客観的データを用いながら、監理団体の重要性を解説します。
1.1 技能実習制度における「監理団体」の定義
監理団体は、技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)に対して指導・監督・支援を行う非営利団体(事業協同組合や商工会など)です。公平性が求められる立場であることから、営利目的の民間企業(株式会社など)は監理団体になることができません。
1.2 「企業単独型」と「団体監理型」の違い
技能実習生の受け入れ形態には「企業単独型」と「団体監理型」があります。そのうち、全体の98.3%(※2022年末時点)が監理団体を通じた「団体監理型」です。

出典:技能実習制度の現状について
参考:外国人技能実習制度とは
中小企業が自社単独で海外から受け入れるハードルは高く、実質的に監理団体の利用が必須となっています。
※詳細は技能実習の企業単独型とは? 団体監理型との違いをご覧ください。
1.3 「一般監理事業」と「特定監理事業」の違い
比較表:実習期間
| 項目 | 一般監理事業 | 特定監理事業 |
|---|---|---|
| 実習期間 | 最長5年(第3号)まで | 最長3年(第2号)まで |
優良な監理団体として認定された一般監理事業は、実習期間最長の5年(第3号)まで対応可能です。一方、特定監理事業は3年(第2号)までとなります。さらに、一般監理事業の許可を受けるには、監査実績や失踪者ゼロなどの厳しい要件が課され、監理団体の信頼性の指標となっています(参考:1.技能実習制度における優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件、2.第5章 監理団体の許可)。
2. 監理団体と「登録支援機関」の違い
混同されやすい「特定技能」制度における登録支援機関と監理団体の違いを、目的・主体・業務範囲の観点から整理します(参考:登録支援機関(Registered Support Organization) | 出入国在留管理庁)。
自社の状況に応じて、どちらの制度・機関を利用すべきか判断する際の参考にしてください。
※詳細は特定技能制度における登録支援機関とは?支援内容・選び方を解説をご覧ください。
2.1 対象制度と実施主体の違い
監理団体は、技能実習(国際貢献・人づくり)を対象とし、非営利団体に限られます。これに対して、登録支援機関は特定技能(労働力確保)を対象とし、民間企業も参入可能です。また、監理団体は許可制、登録支援機関は登録制と、参入ハードルにも違いがあります。
2.2 業務範囲と企業への関与度の違い
監理団体は、1〜3カ月ごとの定期的な監査や訪問指導が義務付けられており、企業への指導権限が強く「管理・監督」の側面が強いのが特徴です。
一方、登録支援機関は、特定技能外国人の生活・就労支援が中心で、企業への指導権限は持たず、「委託業者」の側面が強い点が大きな違いです。

3. 監理団体の主な役割と業務内容
企業が支払う監理費に対し監理団体がどのようなサービスを提供しているのかを、時系列やカテゴリに分けて具体的に解説します。
3.1 現地送り出し機関との連携・人材募集
監理団体は各国の送り出し機関と提携し、求人票の作成から現地での面接調整、実習生の選抜までを担います。
特に、現地の悪質なブローカーを排除できるかどうかは、実習生の質を左右する重要なポイントであり、監理団体の提携体制や管理能力が問われます。
※詳細は送り出し機関の完全ガイド|仕組み・選び方から国別の注意点まで徹底解説をご覧ください。
3.2 入国前後の手続きと講習の実施
選抜された実習生については、在留資格認定証明書の交付申請やビザ申請など、入国に必要な各種手続きを行います。
入国後は、約1カ月間にわたり法的保護講習や日本語学習を実施するほか、銀行口座の開設や住民登録など、日本での生活を始めるための初期手続きにも対応します。
3.3 監査・訪問指導と実習生の保護
実習期間中は、定期的に受け入れ企業を訪問し、労働基準法違反がないか、実習計画どおりに技能実習が行われているかを監査します。
また、実習生が母国語で相談できる窓口を設けるなど、労働者保護の役割も担っており、トラブルの未然防止に努めています。

4. 2027年開始予定「育成就労制度」で監理団体はどうなる?
政府の方針決定により、技能実習制度は廃止され、2027年から新たに「育成就労制度」へ移行する予定です。
本章では、この制度改正によって監理団体の名称や役割がどのように変わる可能性があるのかを整理するとともに、企業が委託先を選定する際の基準にどのような影響が生じるかについて、現時点での情報をもとに解説します。
※詳細は【新制度】育成就労制度とは?技能実習からの変更点を解説をご覧ください。
4.1 「監理支援機関」への名称変更と要件厳格化
新制度への移行にともない、監理団体は「監理支援機関」へと役割が変わり、許可要件が厳格化される予定です。
新制度は「人材育成」と「人材確保」の両立を目的としており、これにより監理団体に求められる役割や責任が従来よりも重くなることが示唆されています。
4.2 外部監査人の設置義務と中立性の確保
育成就労制度では、従来の監理団体が抱えていた「企業との癒着」や「監査機能不全」を防ぐため、外部監査人の設置が義務付けられる方向です。
制度運用の透明性を高め、不適切な運営を行う団体の排除につながることが見込まれています。
4.3 転籍(転職)容認にともなう支援体制の変化
育成就労制度では、一定の条件のもとで本人の意向による転籍(転職)が認められる予定です。
これに伴い、監理支援機関には、転籍に関する支援やキャリア形成を支える体制の整備が求められるようになります。

5. 失敗しない監理団体の見極め方・選び方
本章では、企業担当者が監理団体を選定する際に確認すべき具体的なポイントを整理します。
営業トークに惑わされず、実態を見極めるための視点を紹介します。
5.1 管理費・費用の透明性と妥当性
「初期費用」や「月額管理費」の内訳が明確に示されているか、また相場から大きく外れていないかを確認することが重要です。
極端に安い費用を提示する団体の場合、巡回指導が十分に行われないなどサポート体制が不十分であったり、不適切な金銭の授受が行われたりするリスクがあるためです。
5.2 監査体制とサポートの厚さ
「名ばかり監査」にとどまるケースもあるため、通訳スタッフが同行し、実習生の本音を聞き出せる体制があるかを見極める必要があります。
病気、怪我、失踪などのトラブル発生時に備え、緊急対応フローが確立されているか、土日対応が可能かといった点も重要な確認ポイントです。
5.3 希望する国・職種の実績数
監理団体ごとに、「特定の国に強い」「特定の職種に特化している」などの傾向があるため、自社が希望する国・職種での実績があるかを確認します。
特定技能の登録支援機関としても登録されている団体であれば、制度変更後のキャリアパス(特定技能への移行)を見据えた対応がしやすい点も判断材料となります。
5.4 対応職種の実績と「一般監理事業」の確認
監理団体ごとに、許可されている職種や作業内容は異なるため、自社が受け入れを希望する職種(建設、食品製造、介護など)での実績があるかを確認します。
また、「技能実習3号(4〜5年目)」までの受け入れを希望する場合は、「一般監理事業(優良な監理団体)」の許可を受けている団体でなければ移行できません。この点については、事前に必ず確認しておく必要があります(参考:(3)制度の仕組み(第3号技能実習への移行手続の留意点))。
6. 悪質な監理団体の特徴とリスク
コンプライアンス違反が企業経営に与える影響は甚大です。
本章では、契約を避けるべき悪質な監理団体の特徴を整理し、契約してしまった場合に生じ得る企業側のリスクを解説します。
6.1 法令違反や行政処分の有無
過去に「改善命令」や「許可取り消し」を受けた履歴がないか、外国人技能実習機構の公表情報などで確認します。
違反歴がある団体の場合、再度の違反によって実習の継続が困難となり、実習生の帰国に至るリスクがあります。
6.2 不当なキックバックや過剰接待
送り出し機関から違法な「キックバック」を受け取っている団体は、実習生に高額な借金を背負わせている可能性があり、失踪リスクが高まります。
また、企業に対して過剰な接待やプレゼントを行う団体も、本来使うべき実習生支援の経費を削っている可能性があるため注意が必要です。

7. まとめ:制度移行期だからこそ信頼できるパートナー選びを
監理団体は技能実習制度の要であり、2027年開始予定の「育成就労制度」への移行期において、その選定の重要性はさらに高まっています。
目先のコストだけで判断するのではなく、サポート体制やコンプライアンスを重視した選定が、企業の中長期的なリスク回避につながります。
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