外国人エンジニアに注目|採用メリットや注意点について
2023.06.30

近年、国内でのITエンジニア需要の高まりにより、外国人エンジニアの採用を検討している企業が増加中です。
本記事では、外国人エンジニアが増えている理由や採用するメリット、注意点、採用に必要な就労ビザの種類について解説していきます。
CONTENTS
- 1.外国人エンジニア数の推移
- 2.外国人エンジニアが注目される理由は?
- 3.外国人エンジニアを採用するメリット
- 4.外国人エンジニアを採用する注意点
- 5.外国人エンジニアを採用できる就労ビザは?
- 6.まとめ
1.外国人エンジニア数の推移
日本国内の外国人労働者数は、2022年10月末の時点で約182万人と過去最高を更新しています。その中でも情報通信業に携わる外国人労働者数は、2008年が約18,000人、2017年では約52,000人と10年間で約3倍にまで増加しました。
現在では、外国人労働者全体の増加に合わせ、外国人エンジニア数もさらに増加していることが予想されます。
2.外国人エンジニアが注目される理由は?
外国人エンジニアが増加傾向にある背景には、日本人のITエンジニア不足という問題があります。企業は不足するITリソースを海外の人材に求めていることが分かります。
国内エンジニアの不足
経済産業省の調査によると、日本国内のエンジニアは2030年の時点で約45万人が不足すると予想されています。コロナ禍での急激なIT市場の拡大や技術のアップデートなどエンジニア需要が拡大する一方、その需要に応えるだけの資格や高度なスキルを持つエンジニアが足りていないのが現状です。
このような国内エンジニアの人材不足を補うため、外国人エンジニアが注目されています。
質の高い外国人エンジニアの確保
外国人エンジニアが注目されるもうひとつの理由に質の高さが挙げられます。海外ではIT教育が充実し、高度な技術を持つエンジニアが育つ環境が整っていますが、母国でエンジニアとして就職するための枠が少なく、思うように就労できないという現実があります。
母国での就職難という事情もあり、ITエンジニアが不足している日本での就職を選択する外国人エンジニアが増加しています。
3.外国人エンジニアを採用するメリット
外国人エンジニアを採用することは、人材不足を解消するとともに技術力の高い人材の確保にも繋がります。さらに外国人エンジニアが加わることで社内の活性化や、グローバル化への足掛かりとしての活躍にも期待できます。
優秀なIT人材を確保できる
海外では母国での就職が難しいことを解説しましたが、それは各国のトップの大学や大学院を卒業した人材であっても同様です。つまり、外国人エンジニアの採用は、AIやブロックチェーン、AR/VRなどの先端技術領域の分野で、世界に通用する人材を確保できるチャンスでもあります。
日本人の優秀なエンジニアは、どの企業も簡単には手放しませんが、外国人エンジニアであれば高度なIT技術を持つ人材を確保しやすいという利点があります。各企業が外国人エンジニアに注目するのは、単に人材不足を解消するだけでなく、より質の高い人材を確保するためでもあります。
社内活性化に繋がる
日本で就業する意欲のある外国人エンジニアは、優秀であるのはもちろん、成長志向が強い傾向にあります。母国から離れ、日本で懸命に挑戦する姿勢に、日本人エンジニアもよい刺激を受けるでしょう。外国人エンジニアを採用することで会社全体の志気があがり、社内の活性化に繋がります。
さらにバックグラウンドの異なる外国人エンジニアは、日本人とは異なる視点や発想を持っているほか、世界の最新情報をキャッチアップすることに長けているといったメリットもあります。
社内グローバル化に繋がる
将来的に海外進出を予定しているなら外国人エンジニアを積極的に採用すべきです。とくに外国人エンジニアの母国への進出を考えるなら、現地拠点の責任者としての活躍にも期待できます。また、自社で海外進出しなくても、外国人エンジニアの独立支援をすることで海外のビジネスパートナーに育成することも可能です。
外国人エンジニアにはグルーバル化の足掛かりとしての役割を担ってもらうことで、さらにビジネスを成長させるというメリットをもたらしてくれます。
4.外国人エンジニアを採用する注意点
外国人エンジニアを採用する場合、在留資格などの確認をすることはもちろん、社内を多言語対応にするなど、 異なる文化背景にも気を配る必要があります。コミュニケーションを円滑にすることで外国人エンジニアが実力を発揮できる環境に整えることが大切です。
外国人対応の労務管理
外国人エンジニアを受け入れるにあたり、通常の労務管理に加え外国人向けの管理項目などを網羅した体制を構築しなければなりません。
在留資格の取得・確認などの採用手続きのほか、外国人労働者を10名以上雇い入れた場合は管理責任者を専任しなければならないなど、プラスの管理工数がかかります。
外国人との異文化コミュニケーション
価値観や文化が異なることは違う視点や発想を持っているというメリットがある反面、仕事とプライベートのバランスなど、日本人とは違う考え方、習慣からお互いの理解が深まらないというデメリットも想定できます。
このようなお互いの不信感を生まないためにも、日本人との考え方や文化の違いを考慮しなければなりません。価値観や文化の相違点を受け入れる姿勢を、社内全体で示していく努力が必要となります。
5.外国人エンジニアを採用できる就労ビザは?
日本で外国人が働くためには、職種に合った就労ビザが必要です。外国人エンジニアの場合は「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザが必要です。
「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得するためには、以下のような条件を満たしている必要があります。
- 従事する職務内容と関連する科目を大学や専門学校で専攻していたこと。
- 日本人が従事する場合と同等以上の報酬を受け取ること。
上記のほか、ITエンジニアの場合は関連する科目を大学などで専攻していなくても、法務大臣が定める情報処理技術に関する試験に合格している場合は就労ビザの取得が認められる場合もあります。
また、就労ビザは「在留資格を確認、業務内容と照会」「就労資格を有している場合、雇用契約の締結」「在留資格変更許可の申請」といった流れに沿って取得します。
6.まとめ
日本ではIT人材不足と急速なIT化の流れから、今後さらに外国人エンジニアの採用が一般的になります。実際に外国人エンジニアを採用するときに備え、受け入れる体制を社内に構築していくことが重要です。
優秀な外国人エンジニアを採用することは、さらなるビジネスの成長を促すチャンスでもあります。この機会に外国人エンジニアの採用について考えてみましょう。
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