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監理団体とは?登録支援機関との違いと役割・選び方を解説

技能実習生の受け入れの98.4%は、監理団体を経由する「団体監理型」で行われています。パートナーとなる監理団体選びが技能実習制度の円滑な運用に直結するため、その役割やリスク、正しい選び方を理解しておくことが重要です。

本記事では、登録支援機関との違いや監理団体の具体的な業務内容といった基礎知識に加え、優良な団体を見極めるポイントや悪質な団体を選んだ場合のリスクを解説します。最後まで読めば、監理団体選びの具体的な判断基準が明確になり、自社に適した団体を選定できるようになります。

CONTENTS

1. 監理団体とは

監理団体とは、技能実習生の受け入れ企業を支援・監督し、実習生の生活・労務管理をサポートする非営利団体です。
監理業務を行うには、法務大臣および厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。

▶参考:【最新】外国人技能実習生とは?制度の仕組み・受入れ方法を解説

1.1 技能実習生の受入れ方式(企業単独型・団体監理型)

技能実習生の受入れ方式には「企業単独型」と「団体監理型」の2種類があります。
企業単独型は、日本の企業が海外の現地法人や取引先企業の職員を直接受け入れて実習を行う方式です。一方、団体監理型は、非営利の監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業で実習を行う方式です。技能実習生の受け入れ方式の98.4%(2025年6月末時点)は「団体監理型」であり、監理団体は技能実習制度においてほぼ不可欠な存在といえます。

※参考:出入国在留管理庁「令和7年6月末現在における在留外国人数について」【第1表】 国籍・地域別 在留外国人数の推移

1.2 監理団体と登録支援機関の違い

監理団体と登録支援機関は、どちらも外国人の受け入れを支援する機関ですが、対象となる在留資格や役割が異なります。
監理団体は「技能実習」制度における支援機関であるのに対し、登録支援機関は「特定技能」制度に対応する機関です。また、監理団体は協同組合や商工会などの非営利団体に限られる一方で、登録支援機関は営利法人(株式会社など)や個人事業主でも登録が可能という点も大きな違いです。

▶参考:
特定技能制度における登録支援機関とは?支援内容・選び方を解説
在留資格「特定技能」とは? 技能実習との違いや採用ポイントを解説

2. 監理団体の2つの区分と許可基準

監理団体は、許可される事業内容に応じて「特定監理事業」と「一般監理事業」の2種類に区分されます。
監理団体として認可を受けるには、非営利法人であることに加え、事業を適正に実施できる体制や十分な財産的基礎など、複数の許可基準を満たす必要があります。

2.1 「特定監理事業」と「一般監理事業」の違いとは

「特定監理事業」では、技能実習1号(1年目)および2号(2~3年目)までの監理事業が許可されています。一方、「一般監理事業」では、特定監理事業で認められている技能実習1号・2号の監理に加え、技能実習3号(4~5年目)の監理も可能です。

一般監理事業の監理団体は、法令違反がないことに加え、技能評価試験の合格率や指導・相談体制などにおいて高い基準を満たすことが求められます。これらの基準を満たした監理団体は、「優良な監理団体」と位置付けられています。技能実習を3号まで実施する場合は、一般監理事業の許可を受けた優良な監理団体でなければ移行できないため、注意が必要です。

また、監理団体が一般監理事業であり、かつ実習実施企業も優良と認められた場合には、技能実習生の受け入れ可能人数が通常の2倍となります。より多くの技能実習生を受け入れたい企業にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

2.2 監理団体の許可を得るための要件

監理団体の許可基準は、以下のとおりです。

  •   ● 営利を目的としない法人であること
  •   ● 事業を適正に行う能力を有していること
  •   ● 監理事業を健全に遂行できる財産的基盤を有していること
  •   ● 個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じていること
  •   ● 外部役員の設置または外部監査の実施など、外部によるチェック体制を整えていること
  •   ● 基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに関する契約を締結していること
  •   ● (第3号技能実習の実習監理を行う場合)優良要件に適合していること
  •   ● その他、監理事業を適正に遂行するための体制・能力を有していること

2.3 監理団体の許可を受けられない主な欠格事由

監理団体は、次のいずれかに該当する場合、許可を受けることができません。

  •   ● 監理団体の役員等が、過去5年以内に禁錮以上の刑に処された、または出入国・労働関係法令に違反する不正行為を行った場合
  •   ● 過去5年以内に、監理団体の許可を取り消された場合
  •   ● 暴力団員等の反社会的勢力が関与している場合

※参考:厚生労働省「技能実習制度運用要領」第5章 監理団体の許可

3. 監理団体の主要な7つの業務と役割

監理団体は、受け入れ企業と技能実習生が適正に技能実習を実施できるよう、監査や各種サポートを行う機関です。なかでも最も重要な役割は、定期的な監査を通じて、受け入れ企業における賃金の未払いや労働基準法違反などがないかを確認・監督することです。このほかにも、技能実習の円滑な実施を支えるため、さまざまな支援を行っています。

3.1 技能実習計画の作成指導と認定申請

技能実習生を受け入れる実習実施企業は、あらかじめ技能実習生一人ひとりの技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構(OTIT)から認定を受けておく必要があります。監理団体は、その作成に関する指導を行うとともに、作成された計画が適正であるかを確認し、OTITへの認定申請手続きを代行またはサポートします。

▶参考:【OTIT】外国人技能実習機構の役割とは?業務や関わり方を解説

3.2 送り出し機関の選定と契約、求人活動、面接同行

日本での駐在事務所の有無や管理費などの費用面、日本語教育の水準といった要素を踏まえ、技能実習生を送り出す現地機関の選定および契約を行います。さらに、現地での求人活動や面接への同行なども実施します。

▶参考:技能実習のうちの送り出し機関とは、国ごとに何が違う?

3.3 技能実習生の入国手続きと入国後講習の実施

入国管理局に申請して許可を得るなど、技能実習生の入国に関わる手続きを行います。また、入国後は一定期間、技能実習生に対して、日本語や日本での生活に関する知識、労働基準法など、技能実習生の法的保護に関する講習を一定期間実施する義務があります。この講習は、実習実施企業へ配属される前に行わなければなりません。

講習時間は、第1号技能実習(現場でのOJT)として計画されている総時間の「6分の1」以上(入国前講習を実施済の場合は「12分の1」以上)と定められています。実務上は、この法定時間数を消化するために「約1カ月程度」の期間を充てるのが一般的です。

3.4 企業への定期監査と臨時監査

受け入れ企業が事前に提出した「技能実習計画」に沿って実習が行われているかを確認するため、監理団体は3カ月ごとに定期監査を行います。技能実習計画認定に反する疑いがあると判断された場合には、臨時監査を実施します。
監査では、技能実習生の4分の1以上と面談を行うほか、帳簿や書類の確認、宿泊施設などの生活環境の確認も必要です。

3.5 企業への定期的な訪問指導

監理団体の職員が実習実施企業を訪問し、技能実習の実施状況を確認するとともに、認定された技能実習計画に沿って技能実習が行われるよう指導を行います。訪問指導の頻度については、技能実習1号では1カ月に1回以上の訪問指導が法令上必須とされています。
一方、技能実習2号・3号については、1号のような訪問指導の頻度に関する法令上の義務はありませんが、3カ月に1回以上の定期監査で実習状況の確認や指導を行うのが一般的です。

3.6 技能実習生の保護・支援

技能実習生が安心して日本で暮らせるよう、母国語で相談できる生活相談の窓口対応を行います。相談内容に応じて適切に対処することが求められており、人権侵害や問題が発生した場合には、公的機関や企業と連携して、実習生の保護と適切な対応を行います。

3.7 技能実習終了後の帰国サポート

技能実習を修了した実習生が円滑に帰国できるよう、必要な措置を講じます。具体的には、帰国のための航空券の手配や空港への送迎、銀行口座の解約、役所の転出届などの手続きをサポートします。

4. 増加する悪質な監理団体と許可取り消しの実態

外国人技能実習制度では、実習実施企業での低賃金や人権侵害、実習生の失踪などの問題があります。しかし、本来それらを監視する役割である監理団体自体に問題があるケースも、残念ながら後を絶ちません。

実際に確認されている監理団体の不正事例は以下の通りです。

  •   ● 不正契約の締結:監理団体が送り出し機関と結んだ契約で、実習生が失踪するたびに賠償金を支払わせるケースがある。
  •   ● 「エア監査」の実施:実習実施企業への監査業務を実際には行わず、あたかも実施済であるかのように報告するケースがある。
  •   ● ペーパー団体の存在:実態の伴わない監理団体、いわゆる「ペーパー団体」が存在している。

不正行為や法令違反が発覚した監理団体は、主務大臣(法務大臣、厚生労働大臣)から改善命令を受けたり、許可を取り消されたりします。 許可取り消しの主な理由には、監査や訪問指導の不適切な実施、虚偽の報告書提出、違約金を定める契約の締結などが含まれます。
なお、許可を取り消された監理団体は、その後5年間は新たに許可を得ることができません。

5. 悪質な監理団体を選んだ場合に企業が受けるデメリット

悪質な監理団体を選定すると、サポートが手薄になるだけでなく、受け入れ企業に法的リスクや運営上の重大な損害をもたらす可能性があります。さらに、監理団体の問題が原因で技能実習制度の認定が取り消されることもあり、最悪の場合、実習生が日本で働き続けられなくなる事態も考えられます。

5.1 意図しない法令違反のリスク

悪質な監理団体は、法令遵守のための適切な指導や監査を行いません。その結果、受け入れ企業は時間外労働の上限規制違反や賃金台帳の不備などに気付かず、意図せず法令違反を犯してしまい、処罰の対象となるリスクがあります。

5.2 実習生の失踪リスクの増大

悪質な監理団体は、実習生が多額の借金を負わされるような不適正な送出機関と提携している場合があります。本来の実習生の保護や相談窓口が機能せず、実習生が追い詰められた結果、失踪につながるリスクが高まります。

5.3 技能実習が継続できないリスク

企業側に直接の違反がなくても、監理団体が不正行為によって許可を取り消された場合、その監理団体の傘下にある技能実習計画認定も連鎖的に取り消されます。受け入れ企業は実習生の雇用を継続できなくなり、新たな監理団体を探して計画を再申請するまでの間、事業運営に甚大な支障をきたすことになります。

6. 優良な監理団体を選ぶための6つのポイント

監理団体の選定は、技能実習制度を安全に活用するうえで非常に重要です。しかし現在、日本全国には監理団体が4,000カ所以上存在しており、受け入れ企業が最適な監理団体を選ぶのは容易ではありません。
そこで、良い監理団体を見極めるためのポイントを紹介します。

6.1 監理実績と規模(受入れ人数・許可年数)

長年の運営実績や、多数の技能実習生を受け入れている規模は、監理団体の信頼性を判断するうえで重要な指標の一つです。また、最長5年の受け入れを希望する場合は、技能実習3号に対応できる「一般監理事業」の許可を得ているかも確認が必須です。

6.2 監査・指導体制の透明性(訪問頻度やレポートの有無)

監理団体にとって、実習実施企業の監査業務は最も重要な役割であり、実習現場で起こり得る不正行為の防止に非常に有効です。しかし、その監理団体自体が監査を省略したり、適正に実施しなかったりする不正を働く場合もあります。

良い監理団体を見極めるためのポイントは、主に以下のような項目があります。

  •   ● 監理団体の規模や運営実績、評判を事前に確認する。
  •   ● 団体の幹部に、過去に違反行為をした団体出身者がいるかどうかを確認する。
  •   ● 監査や訪問指導を、法令で定められた頻度(監査は3カ月に1回、訪問は1カ月に1回)以上に適正に実施しているか確認する。
  •   ● 監査結果や指導内容を、企業に対して具体的にフィードバック(レポート提出など)してくれる体制があるか確認する。

6.3 サポート体制の充実度(住居手配・訪問指導の質など)​

監理団体は実習実施企業に対してさまざまなサポートを提供しますが、その内容は団体によって異なります。 例えば、技能実習生の受け入れに関わる準備をすべて実習実施企業に任せる監理団体もあれば、住居の準備まで行ってくれる監理団体もあります。訪問指導においても、実習生や企業担当者と時間をかけて話し合う団体がある一方で、書類の確認だけで終わる場合もあるため、事前に内容を確認しておくことが重要です。

また、実習生の母国語に対応できる体制が整っているかどうかも、重要なチェックポイントです。専任の担当者が継続して対応する体制なのか、それとも都度外部の通訳者を手配する体制なのかを確認することで、サポートの「質」を見極める参考になります。 専任の社内スタッフが継続対応する体制であれば、情報共有がスムーズになり、実習生との長期的な信頼関係を築きやすい傾向があります。

6.4 対応可能な国・地域

監理団体によって、技能実習生の受け入れに対応している国や地域は異なります。特定の国や地域に希望がある場合は、事前に必ず監理団体へ確認しておきましょう。一方で、国や地域に特段の希望がない場合は必須ではありませんが、できるだけ多くの国・地域から実習生を受け入れている監理団体を選んでおくと安心です。自社のビジョンやニーズに合った国から実習生を紹介してもらえる可能性が高まります。

6.5 対応職種と専門知識(自社の業種と一致するか)

監理団体によって、指導や監査を行うことができる職種や作業は異なります。また、団体ごとに得意分野もあるため、自社が受け入れたい職種や作業に実績のある監理団体を選ぶことが重要です。あわせて、自社が実習を行いたい職種・作業分野での受け入れ実績があるか、技能実習計画の作成指導などに関する専門知識を有しているかも確認しておきましょう。

6.6 管理費・諸経費の妥当性(内訳の明確さ)

実習実施企業は監理団体に対して、管理費や試験料など、さまざまな費用を支払うことになります。まずは、これらの費用が適正に設定されているかを確認しましょう。ここで重要なのは、費用があまりにも安い監理団体を安易に選ばないことです。監理団体は非営利法人ですが、適切な監査や指導、サポート体制を維持するためには一定の運営コストがかかります。それにもかかわらず、初期費用や管理費が他の団体と比べて極端に安い場合があります。こうしたケースでは、十分な人員を確保していなかったり、悪質な送出機関からキックバックを受け取っていたりするなどのリスクが潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。あわせて、企業が監理団体に支払う「監理費」については、内訳が明確に提示されているかを必ず確認しましょう。

7. 監理団体を変更する際の手順

技能実習の実施中に、現在の監理団体を新しい団体に変更(転籍)することは可能です。現在の監理団体のサポート体制に不安がある場合や、監理団体の許可が取り消された場合などには、変更(転籍)手続きが必要となります。
変更にあたっては、まず新たな監理団体を選定し、契約を締結します。その後、新しい監理団体の指導のもと、外国人技能実習機構に対して「技能実習計画の変更認定」を申請し、認定を受けなければなりません。特に、監理団体の許可が取り消された場合は、技能実習を継続するため、速やかに新たな監理団体を探し、変更手続きを進める必要があります。

8. まとめ:監理団体の見極めが技能実習の成果につながる

監理団体は、技能実習生と受け入れ企業をつなぐ重要な存在です。最適な監理団体を選ぶことは、技能実習制度を安定的に運用し、成功へ導くために欠かせません。 一方で、数多く存在する監理団体の中から悪質な団体を避け、自社のビジョンや方針に合った最適な監理団体を見つけることは、決して簡単ではないでしょう。 本記事で紹介した監理団体の見極め方を参考に、ぜひ信頼できる最適なパートナーを慎重に選定してください。

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