海外人材Times

外国人労働者の雇用・採用WEBメディア

検索
海外人材Times

特定技能外国人は派遣で雇用できる?できない?

人材不足の企業では、特定技能で外国人を雇用するケースが増えています。

では、実際雇用する場合に、派遣でも雇用できるのか?正社員じゃないとダメなのか?疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、特定技能外国人は派遣で雇用できるのか?雇用形態について解説します。

CONTENTS

  1. 1.特定技能について
  2. 2.特定技能は派遣で雇用できるのか?
  3. 3.農業・漁業分野は派遣で雇用できる
  4. 4.特定技能外国人を派遣で雇用するには登録が必要
  5. 5.特定技能外国人を派遣で雇用する4つの条件
  6. 6.特定技能外国人を派遣で雇用するメリット
  7. 7.まとめ

1.特定技能について

在留資格「特定技能」について概要を説明します。

特定技能とは

特定技能制度の目的は、人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を即戦力として受け入れることを目的としています。

技能実習との違い

外国人労働者を受け入れる制度と言えば、技能実習制度を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。いずれも外国人労働者を受け入れる制度ですが、技能実習制度と特定技能制度はその目的も内容も全く異なります。 一つずつ説明します。

<制度の目的>
技能実習が発展途上国の「人材育成」を通じた国際貢献であるのに対し、特定技能は日本国内の「人手不足解消」を目的としています。この創設目的の違いが、対象業務などその他の要件にも影響しています。

<対象業務>
技能実習は「人材育成」が目的のため、単純作業に従事させることはできません。一方、特定技能は単純作業を含む業務にも従事することができます。

<技能スキル>
技能実習は来日してから技能を学ぶため、従事する業務についてのスキルは不問です。対して、特定技能は即戦力を求めますので、一定の経験・スキルが必要になります。

<転職>
技能実習は「実習」に来ているため、転職という概念がありません。そのため、実習先企業を変えることはできませんが、特定技能は就業するために来日していますので転職が可能です。

<在留期間>
技能実習は1号、2号、3号合わせて最長5年まで在留できますが、特定技能は1号で通算5年まで在留可能です。さらに、特定技能2号へ移行した場合は在留期間の上限がなくなり、永住権が取得できる可能性も出てきます。

1号と2号がある

在留資格「特定技能」には、1号と2号があります。1号の対象分野は12分野、2号は介護分野を除く11分野です。介護は在留資格「介護」への移行ルートがあるため、2号では除外されています。

2.特定技能は派遣で雇用できるのか?

特定技能制度の雇用形態は、基本的に直接雇用のフルタイムか正社員のみで、週5日、30時間以上の勤務が条件です。派遣雇用は認められていません。

ただし、次に説明する農業分野と漁業分野に限っては、季節的要因に左右される業務の性質から例外的に派遣での雇用が認められています。

3.農業・漁業分野は派遣で雇用できる

農業と漁業分野だけに派遣雇用が許可されている理由は、以下2つの産物に関わる要因があります。

・季節や地域によって繁忙期と閑散期がある
・同じ地区で同じ作物を育てていても、事業所ごとに人手を必要とするピーク期間が異なる

通常は正社員で雇う方が雇用は安定しますので、特定技能は基本的に派遣雇用を認めていません。しかし、農業と漁業分野だけは逆に正社員にしてしまうと、仕事がない期間が発生してしまうというデメリットが生じます。そのため、事業所、外国人労働者双方にとってメリットのある派遣雇用が認められています。

4.特定技能外国人を派遣で雇用するには登録が必要

特定技能外国人を雇用するには、各分野の特定技能協議会へ入会が必要です。

では派遣雇用の場合はどうなるのでしょうか。

派遣雇用の場合、雇用主は派遣元の企業です。そのため、特定技能協議会への入会が必要なのは派遣元企業になります。農業・漁業分野で派遣雇用をする場合は、派遣元企業が農業特定技能協議会または漁業特定技能協議会へ入会し、特定技能外国人の支援業務を行います。

特定技能外国人の支援業務

特定技能外国人を受け入れる企業は、当該外国人に対して日本での業務や日常生活がスムーズに行えるように、「支援計画」を作成し、支援を行うことが義務付けられています。

支援には入国後に行う事前ガイダンス、出入国の送迎支援、住宅確保のサポート、生活オリエンテーションの実施など10項目があり、それぞれに義務的支援と任意的支援があります。

登録支援機関

特定外国人への支援には専門的な内容も含まれるため、受け入れ企業ですべての支援を行うことが難しい場合は、登録支援機関に委託することができます。

5.特定技能外国人を派遣で雇用する4つの条件

特定技能外国人を派遣で雇用するには、派遣元企業と派遣先企業の双方が、ともに決められた条件を満たしている必要があります。

派遣元・派遣先に共通の条件

農業または漁業分野の事業所は、派遣元企業から特定技能外国人を派遣してもらいますが、派遣元、派遣先ともに以下の4つの条件を満たす必要があります。

1.労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。

2.過去1年以内に、特定技能外国人が従事することとされている業務と同様の業務に従事していた労働者を離職させていないこと。

3.過去1年以内に、当該機関の責めに帰すべき事由により行方不明の外国人を発生させていないこと。

4.刑罰法令違反による罰則を受けていないことなどの欠格事由に該当しないこと。
参考:外国人材の受入れ制度に係るQ&A|法務省(PDF)

これは外国人に限らず、日本人も含めた過去の雇用状況や法令遵守違反がないことを求めています。また、直接雇用にはない「労働派遣法」も遵守しなければなりません。

派遣元に固有の条件

特定技能制度における派遣元企業は、派遣事業が許可されているだけでは特定技能外国人の派遣は行えません。「農業分野」、「漁業分野」ともに関連する業務を行っている企業である必要があります。

*関連する業務の例
「農業分野」…農業協同組合、農業協同組合連合会など
「漁業分野」…漁業協同組合、漁業協同組合連合会など

派遣先に固有の条件

特定技能外国人を受け入れるのは派遣元企業ですが、適切な外国人雇用は派遣先にも求められます。万が一、外国人の不法就労があった場合には、派遣先企業も罪に問われることになります。

6.特定技能外国人を派遣で雇用するメリット

特定技能外国人を派遣で雇用するメリットは、繁忙期のみ働いてもらうことができるので人件費を抑えることができる点です。

また、特定技能1号では通算で5年間日本に在留できますので、繁忙期が終われば母国へ帰り、また繁忙期に来日するという働き方が5年間可能になります。

事業所にとっては人件費の削減、特定技能外国人にとっては母国に頻繁に帰れるというどちらにとってもプラスがあります。

7.まとめ

特定技能制度を使って外国人を雇い入れることは、人手不足が深刻な企業や事業所にとって大きなメリットがあります。特定技能制度はその目的から、閑散期がある漁業・農業分野の事情も考慮した制度運営になっています。ただしそれには一定の条件や手続きが発生しますので、本記事の雇用の方法を参考にして、前向きに特定技能外国人の受け入れを考えてみてはいかがでしょうか。

外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!

  • 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
  • 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
  • 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
  • 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

× 教えてタイムスくんバナー画像