【人手不足解消】外国人ドライバー採用メリットと注意点を解説
2024.04.02
ドライバー業界では、人手不足が深刻化しています。厳しい労働条件により、若年層の人材確保が難しく、代わって外国人ドライバーの需要が高まっています。
2024年には、関連法の改正によりドライバー不足が加速することが懸念され、外国人ドライバーの採用を積極的に進めている会社もあります。
本記事では、ドライバー業界の人手不足の現状、2024年問題、外国人ドライバー採用のメリットや注意点について解説します。
CONTENTS
- 1.ドライバー業界の人手不足
- 2.ドライバー業界と2024年問題
- 3.外国人ドライバーの需要高まる
- 4.外国人ドライバーの在留資格は?
- 5.外国人ドライバー採用のメリット
- 6.外国人ドライバー採用の注意点
- 7.まとめ
ドライバー業界の人手不足
ドライバー業界では、他の産業と同様に人手不足の問題が深刻となっています。厳しい労働条件で若年層の人材確保が難しく、外国人ドライバーの採用に注目が集まっています。
そこで、ドライバー業界が人手不足になっている理由や現状について把握し、外国人ドライバーの必要性について確認していきましょう。
ドライバー業界の人手不足の現状
国土交通省の調査によりますと、物流現場の大きな課題の一つが「ドライバー不足」となっています。コロナ禍による景気低迷下でも、トラックドライバーの有効求人倍率2倍前後で募集しても人材が集まらない状況で、現在もドライバー不足が解消していません。
ドライバー不足になっている主な理由として、他の産業と比較しても1~2割低い賃金で2割程度の長時間労働であることや、手作業による積卸し作業など厳しい労働条件が大きな要因となっています。
ドライバー業界の長時間労働については、荷役時間と拘束時間の短縮が課題となっており、 物流効率化に向けて作業の標準化を図ることや、物流DXが必須となっています。
また、ドライバーの仕事が若年層に人気がない理由として、トラック事故などのニュースによって危険なイメージがあることも挙げられます。
さらに、トラックドライバーの場合は、普通免許以外に免許を取得する必要があり、これから準中型や中型免許を取りたい若者があまりいないということもあります。
危険で長時間労働であるのに、賃金が安く、厳しい労働条件下では、なかなか人手が集まらない現状があります。
ドライバー業界の平均年収と平均年齢
以下は、厚生労働省が調査したドライバーの平均年齢に対する平均年収の数値です。ドライバー職の高齢化と低賃金により、人手不足が年々深刻化しています。
また、さらにドライバー業界では、2024年問題が大きな課題となっています。
ドライバー業界と2024年問題
物流業界の人手不足やカーボンニュートラルへの対応など、さまざまな課題を抱えている現状に伴い、「働き方改革関連法」に基づいて、自動車の運転業務の時間外労働に対して2024年4月から960時間(休日労働含まず)の上限規制が適用されます。
いわゆる「2024年問題」です。
また、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」により、拘束時間などが強化されます。
以下は、2024年4月よりスタートするドライバーの労働規制の改定内容です。
外国人ドライバーの需要高まる
2024年問題による影響については、ドライバーの労働時間が減少すると賃金も減って、離職するドライバーが増えることが懸念されています。また、ドライバー1人あたりの荷物量が減ると運送会社の利益も低下します。
2024年問題のタイミングで、早めに外国人ドライバーの採用に踏み切っている会社も増えてきています。
ただし、外国人ドライバーの採用には、人手不足解消のメリットがある一方、在留資格の取得や日本語能力、サービスの質など、いくつか課題をクリアする必要があります。
外国人ドライバーの在留資格は?
では、具体的に外国人ドライバーが取得できる在留資格について解説します。
特定活動
タクシードライバーを雇用できる在留資格「特定活動(告示46号)」があります。
日本の四年制大学(大学院を含む)を卒業し、学士または修士を取得していることが必要です。さらに日本語レベルについては、日本語能力試験1級(N1)または、BJTビジネス日本語能力テストで480点以上を獲得していることが要件です。
「特定活動(告示46号)」は、日本語能力が高いことが求められるため、タクシードライバーとしてお客様とのコミュニケーションに長けている外国人が対象となります。
留学生
留学生の在留資格では、正社員での雇用はできませんがアルバイト採用であれば問題ありません。ただし、資格外活動許可が必要になり、労働時間は週28時間以内の就労ルールを守る必要があります。
また、留学生アルバイトの場合は、学校に在籍している期間のみとなりますので、退学や卒業を期に、継続してドライバーとして雇用する際は、在留資格の変更手続きが必要になります。
身分系の在留資格
他の在留資格よりも安定して雇用できるメリットがあります。身分系の在留資格とは、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4種類に該当します。
これらの在留資格には就労制限がないため、ほぼ日本人に近い条件で雇用することが可能です。
特定技能
在留資格「特定技能」の対象に「自動車運送業」で働くことができる分野を追加することが検討されています。特定技能では、外国人ドライバーの雇用で、人手不足の改善を目指しています。
特定技能の産業分野は現在12分野。特定技能1号で在留期間は通算で5年間働くことができて、特定技能2号に移行できれば、在留制限なしで継続して働くことが可能です。
外国人ドライバー採用のメリット
これから、外国人ドライバーを雇用検討されている際は、外国人ドライバー採用メリットを抑えておきましょう。
労働力の確保
人手不足の改善策として、外国人ドライバーは労働力の確保に繋がります。外国人の取得できる在留資格と、ドライバーとして働く条件と雇用内容がマッチングすれば、深刻な労働力不足を解消することができます。
インバウンド対策
訪日外国人が増加している日本で外国人観光客の利用するタクシードライバーが英語でコミュニケーションを取ることができれば、サービスの向上に繋がります。外国人観光客に対応できるタクシードライバーの育成を行うことで、外国人ドライバーのモチベーションを維持し定着して働きやすくするメリットがあります。
労働条件の改善
外国人ドライバーを採用することで、今までの労働環境を見直すきっかけになり、古い体質の会社から新しい体制づくりに改善することも可能になります。
給与体系の見直し、研修や育成、荷役作業を機械化するなど、外国人ドライバーが離職しないような会社の体制を整備することで、従来から働いている日本人ドライバーのメリットにもつながります。
外国人ドライバー採用の注意点
外国人ドライバー採用の注意点を確認しましょう。
サービスの質
外国人ドライバーに、日本のタクシードライバーやトラックドライバーの働き方のマナーや顧客サービスについて、事前に研修を行うことをおすすめします。「外国人ドライバーだからサービスの質が低下した」とならないように指導が必要です。
接客スキル
日本の習慣を理解して適切な接客対応ができるようにしましょう。日本人のお客様に対して、どのような配慮が必要か理解するためにも、日本の文化や習慣を学ぶことも大切です。
日本語能力
お客様との会話で必要なフレーズを覚え、基本的なマナーを踏まえて、接客に必要な日本語能力を身に着けることが必要です。
交通ルール
日本の交通ルールに従って仕事ができるように指導することが必要です。海外の交通ルールとは異なることもありますので注意しましょう。
まとめ
外国人ドライバーの採用で、2024年問題が少しでも改善されることが期待されているため、採用を検討なさっている企業では、外国人ドライバーへの研修や指導を行って、今までの会社体制を見直して定着率を高めることを目指しましょう。
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