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Adecco Groupが特定技能外国人材をサポート:成功の秘訣とビジョンを語る

スイスを拠点に世界60の国と地域で事業を展開するAdecco Group。2022年度の売上高は236億4000万ユーロ(約3兆7000億円)となる世界第2位の総合人材サービス企業であり、日本における売上高も2250億円を超えるという、押しも押されもせぬグローバルリーダーである。

そのAdecco Groupにおける人材派遣およびアウトソーシング事業のブランドであるAdeccoが2022年8月に「登録支援機関」のライセンスを取得し、同年10月より特定技能外国人材紹介および就労開始後の育成支援業務をスタートさせた。

昨年10月にスタートしたばかりの事業だが、すでに「多数の紹介実績」と「抜群の定着率」を誇っているという。その秘訣はいったい何なのか?

率直で端的なところを、アデコ株式会社Head of Adecco Japan Global Career Programの木村文幸氏と、Adecco Japan Global Career Program営業推進マネージャー笹川悠太氏に聞いた。

CONTENTS

  1. 1.Adeccoは、“現業系”にもめっぽう強かった!
  2. 2.「大企業=フィーが高そう」というのは思い込みに過ぎない
  3. 3.「約1年間で離職者0人」を達成させた「ビジョンマッチング」
  4. 4.在留5年以内に日本語能力検定N2まで育成する日本語トレーニング
  5. 5.グローバル企業だから可能な「リアルな世界事情の横展開」
  6. 6.「日本の未来」に徹底的に貢献したい

1.Adeccoは、“現業系”にもめっぽう強かった!


――Adeccoというとホワイトカラー系の人材サービス会社としてはよく知っていたのですが、現業系も手掛けているというイメージがありませんでした。最近新たに進出されたのでしょうか?

木村文幸氏(以下、木村さん) グローバルレベルで見ると、実はAdecco Group全体では以前から現業系の人材サービスも多く手掛けているんです。

――そうなんですか?

木村さん はい。現在Adecco Groupは世界60の国と地域でビジネスを展開しています。その中で日本はホワイトカラー系の人材派遣サービスが売上のメインですが、ブルーカラーの分野での売り上げが中心の国も多いです。事実、昨年からはブルーカラー専門の営業組織が立ち上がり、後発ながら外国籍技術系エンジニアの人材紹介やアウトソーシングを中心にぐんぐん業績を伸ばしています。

――それは知りませんでした。

木村さん 本当はもっと前からグローバルでの現業系に関する知見を、ここ日本でも生かしたいと思っていました。今回、ようやくその機会が巡ってきたと言えます。

2.「大企業=フィーが高そう」というのは思い込みに過ぎない


――「Adeccoは実は現業系にも強い」ということがよくわかりました。 料金はいかがでしょうか?「海外人材タイムス」を見ている方の中には、大きな企業なのでその分料金も高いのではと思っている方がいるかもしれません。

木村さん そのようにお考えの方がいらっしゃる可能性はありますが、事実はむしろ真逆です。

――真逆ですか?

木村さん はい。といっても金額が他社より圧倒的に低いというわけではなく、業界標準ぐらいといったところだと思います。しかしその業界標準のフィーの中でも、私どもとしては“圧倒的”であると自負しているサービス内容を提供しています。

――標準的なフィーの中で「圧倒的なサービス」を提供できるとは、正直信じられないのですが?

木村さん Adeccoには多様な事業ポートフォリオがあり、全体としての事業も順調に成長しています。そのため、全体で上げた利益を特定技能外国人材の分野など、現時点で大きな利益が出ているわけではないけれども、今後成長が見込めるサービスへの先行投資に回すことができます。それが、標準的なフィーの中で圧倒的なサービスを提供できる理由です。

3.「約1年間で離職者0人」を達成させた「ビジョンマッチング」


――なるほど。むしろ大手だからこそ、豊富な実績から リーズナブルな料金が実現できるわけですね。それでは、次は現場のご担当の笹川様に具体的な話をお聞きしたいと思います。

笹川悠太氏(以下、笹川さん) はい、よろしくお願いいたします。

――昨年10月のサービス開始以来、Adeccoが紹介した特定技能外国人材の定着率は抜群であるとのこと。ローンチ後の約1年間で離職者は0人と聞いています。極めて高い定着率が実現できている理由、あるいは“秘訣”は何なのでしょうか?

笹川さん まずは日本という、彼ら・彼女らにとっては全くの異文化となる国の常識や習慣に慣れ親しみ、さらには外国の企業で働くという誰にとっても簡単ではないハードルを乗り越えるため、十分なレクチャーとトレーニングを行っています。そして同時に「ビジョンマッチング」も行っているというのが、最初の大きなポイントになります。

――「ビジョンマッチング」というのは聞き慣れない言葉ですが、どのような取り組みなのですか?

笹川さん 「ビジョンマッチング」とはアデコで商標登録を行っているもので、特定技能外国人材の方だけに行っているものではなく、全社で導入しています。「ビジョンマッチング」とは、組織と人材を、スキルや給与といった条件だけでなく、それぞれの価値観やビジ ョンまで掘り下げて結びつけるマッチング方法です。

そのため、採用時には「あなたは5年後あるいは10年後、どんな人生を歩んでいたいのか?」という本質をお考えいただき、ヒアリングいたします。企業の担当者の皆さまにも、その会社全体のビジョンだけではなく、部署・部門として何を目指すのかといったところまで深掘りすることで、将来性を見据えた育成が行えます。

――いろいろな方がいるでしょうね。「3年ぐらい日本で働いて、その後はすぐ母国に帰りたい」と考えている方もいらっしゃるでしょうし、反対に「長く働いて家族も呼び寄せ、永住も視野にいれながら長く日本で働きたい」という人もいるでしょう。

笹川さん おっしゃるとおりです。このビジョンマッチングによって「入り口段階でのミスマッチ」を防ぐことができます。そしてヒアリングの結果「長期的にこの国で頑張りたい」と考えていることがわかった方に、日本の常識や働き方を本当の意味でしっかり理解してもらえば――ほとんどの方は「頻繁に転職するのではなく、ひとつの会社でしっかりと技術を身に付け、スキルアップすることで給与の上昇にもつながる」「明確なキャリアビジョンを設定することで、人生にも良い影響をもたらすことができる」ということを理解していただけるものです。

つまり、正しい判断を下すためには正確な情報の提供が重要であるという考えです。そのあたりが「ローンチ後の約1年間、弊社がご紹介した人材の離職者は0人である」という数字の根本的な理由であると考えています。

4.在留5年以内に日本語能力検定N2まで育成する日本語トレーニング


木村さん あとは就業を開始するとパーソナルコーチが付き、業務上の悩みだけでなく「日本での生活全般に関わる支援」もしっかり行い、さらには特定技能外国人全員の日本語レベルを、在留5年以内に「JLPT-N2」相当の会話レベルまで育成するという日本語トレーニングを行っているというのも、弊社がご紹介する人材の定着率が極めて高い理由でしょうね。

――JLPT-N2というのは日本語能力試験(Japanese-Language Proficiency Test)の上から二番目の難易度で「日常的な場面で使われる日本語の理解と、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」というレベルですね?

笹川さん はい。具体的には「新聞や雑誌の記事など、論旨が明快な文章が理解できる」「日常以外のより幅広い場面で、自然に近いスピードのまとまりのある会話やニュースを聞いて、要旨を把握できる」というものですから、いわゆるビジネスレベルと言われるレベルです。しかし、JLPTは会話力を判定する試験ではございません。そこで、Adeccoは独自に会話レベルの判定基準を作り、会話力も同時にトレーニングすることに注力しています。

木村さん やはり言葉が不自由ですとどうしても孤独を感じます。逆にいうと会話力が上がれば、外国暮らしにおけるQOLは大きく向上します。また、もしリーダーなどのより責任あるポジションを目指すなら、やはり日本語力は必須です。
こういった「働き手に対する支援」を本気で行っているということが、Adeccoが登録支援機関として支持されている大きな理由であると思っています。そして同時にクライアント、つまりは特定技能外国人材を雇用する顧客企業に対してAdeccoならではの育成に対する考え方や具体的なノウハウを提供できるというのも、弊社のストロングポイントだといえるでしょう。

5.グローバル企業だから可能な「リアルな世界事情の横展開」


――「Adeccoならではの情報」というのはどういうことですか?

木村さん 「海外での事例を横展開できる」ということです。世界各国の法律や商習慣、法規制はそれぞれ大きく異なっており、その中で、多国籍人材の受け入れが進んでいる国と、そうでない国にはっきりと分かれています。受け入れが進んでいる国は何が違うのか、そういったリアルな情報をAdeccoは提供することができます。

――確かに、ドメスティックな企業には「海外のリアルで生な情報」というのは、なかなかキャッチしづらいかもしれません。

木村さん Adeccoとしては「グローバルな視点でのあたりまえはどうなのか」ということを含め、外国籍の方にとって、より安心できる労働環境や条件を整えるお手伝いもできればと考えています。人材獲得は日本国内の企業同士の話だけではありません。オーストラリアや韓国など、他国と比較されてもなお日本の企業を選んでもらわなければなりません。その視点が長期的にも短期的にも、外国籍人材だけでなく、外国籍人材を雇用する企業、ひいては日本国全体においても利益になるのです。

――御社がこのサービスをローンチして以来、多くのクライアントが導入されていると聞いています。その理由は、やはり御社が自負する「圧倒的な支援内容」でしょうか?

笹川さん そこが大きいと思います。サービスのご提供金額だけ見るとそれほど大きな違いはないかもしれませんが、ここまでお話ししてきたような各種の支援を魅力に感じていただいています。

6.「日本の未来」に徹底的に貢献したい


――少し立ち入った質問になりますが、採算は取れているのでしょうか?

木村さん 昨年の立ち上げ時に立てた数値的な目標はクリアしていますが、ものすごく大きく利益が出ているかというと、そうではありません。ただ、それはビジネスプランとして織り込み済みです。プロジェクトのビジョン実現は順調に進んでいますので、問題ないと考えています。

――プロジェクトのビジョンというのはどんなものなのですか?

木村さん 「外国人雇用をあたりまえの世の中にする。」が我々のプロジェクトビジョンです。能力と強い志を持った外国籍人材が、日本国籍の働き手と同じように活躍し、日本で長期にわたるキャリアを形成し、ひいては地方創生や後継者不足などの深刻な日本の社会問題も一緒に解決していく――という未来を描いています。我々Adeccoが率先してそのような人材を輩出し、社会をより良い方向へ動かしていけたら、と思っています。

笹川さん ビジョンマッチングを通じて「5年後、10年後には日本で自分自身の会社を起こしたい」と考えている人はたくさんいると分かりますし、後継者不足の問題についても「その技能を習得したい」と思っている外国籍の方は実は大勢います。そういった方々をつなげていければ、手を打たなければ廃れていってしまうものを盛り上げることができるし、日本のレガシーを残していくきっかけにもなると考えています。

木村さん そして、まさに我々自身がビジョン共感型の「ビジョンマッチング」を行い、プロジェクトメンバーを採用しています。ですからメンバーの熱量も相当なものです。現在は十数人ですが、これからどんどん拡大していきます。この記事を読んで興味を持った方にもぜひ応募していただきたいですね。





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