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在留カードの紛失と偽造アプリの闇。技能実習生を狙う最新の詐欺とは?

生活関連

2026.02.24

みなさん、こんにちは。
教えてタイムスくんのコーナーです。

さて、前回は「日本人の宗教観を教えてよ」と題し、日本における仏教や神道の歴史についてお話ししました。日本人であるにもかかわらず「えー!知らなかった」という人もいたりして、さまざまな反応に私も楽しませてもらいました。

今回は、在留カード紛失事件をご紹介できたらと思います。

 

登場人物

キャリアアドバイザー「伊能あやめ」:外国人雇用に取り組む企業や雇用される側の外国人材が欠える課題を解決・サポートする業務に携わる弊社のキャリアアドバイザー。過去に青山智香と共に解決してきた事件はこちらから。

タンさん:ベトナム人技能実習生、20歳男性。日本滞在暦1年。

ヴーさん:ベトナム人技能実習生、23歳男性。日本滞在暦2年。

「消えた在留カード」と見えない罠

埼玉県のとある食品加工工場で働く技能実習生のタンは、昼休憩中にスマートフォンの画面を食い入るように見つめていた。Facebookのベトナム人コミュニティに流れてきた、ある広告が目に留まったからだ。

『あなたのカード、高く買います。写真を送るだけでOK。簡単。即日5万円支給』

「5万円……かぁ…」

「え、何?5万円って」

声をかけてきたのは同僚のヴーさん。私より3つ年上だ。

「ああ。いや、こんな広告が流れてきたんで見てたんです。もしかして、ヴーさんも興味あったりします?」

表示画面を少し大きくしてヴーさんのいる方にスマホを向ける。

「タンさん、それ危ないやつだよ!スマホ貸して!!」

ヴーさんはスマートフォンを素早く取り上げると、画面に表示された広告をブックマークすると

「あやめさんに連絡!」

と叫んだ。

——1時間後、車を飛ばしてやってきたあやめさんが眉間にシワを寄せ、先ほどの広告に目を通していた。

「で?タンさん、これ送ってないよね?写真」

「はい」

「これ、最近流行っているフィッシングの手口よ」

あやめさんは厳しい表情のままだ。

「お金を払うどころか、カードの表と裏の写真を送らせて、その情報を元にそっくりな偽造カードを作るのよ」

…ゴクリ

隣でヴーさんが唾を飲み込む音がする。

「えっと…はい、それは送ってません。ですが、あやめさん…実は昨日、別のSNSで『スマホの格安プランに乗り換えませんか』って連絡があって…」

途中からあやめさんの顔色が変わっていくのがわかり、心臓がバクバク音を立てる。

「確認のためにカードのICチップを読み取るアプリを…ダウンロードして…」

「まさか!」

「え…はい、スキャンしました」

「ちょっと待って。それって偽のアプリだったりしない?スマホもう一回見せて!あと、在留カード」

——最近の犯行グループは、現物を盗むリスクを負わない。今回のパターンでいえば「格安SIM」や「アルバイト紹介」などを装った偽のアプリをインストールさせ、スマートフォンのNFC機能(近距離無線通信)を使い、カード内のICチップ情報を丸ごとコピーしてしまうのだ。ほかにも、ありきたりな手法だと入管職員を装った詐欺電話や在留カードそのものを盗み闇ルートで売買するなど、外国人労働者を対象とした犯罪は後を絶たない。

タンさんの場合、すでに彼の氏名、生年月日、在留資格、顔写真、そしてICチップの暗号化されたデータが、海外のサーバーへと送信されているはずだ。もしくはそのデータを使って偽のタンさんが不法就労をしたり、勝手に銀行口座を作られたりもする。

「現物のカードは手元にあるけど、情報が『盗難』されたパターンだと思うの。これは物理的な紛失より厄介かもしれない。とにかく、いったんそのアプリを削除して。あとスマホも初期化しよう」

「わかりました!」

「で、すぐに警察に行きましょう。もし後で『偽造カードが勝手に作られた』時のはこれが防衛策になるから。ヴーさんは、寮のみんなの帰宅を待ってて。帰宅したメンバーの中に変なアプリとか怪しげな広告とか、そんなのを見かけても無視するように伝えてくれる?」

「はい。念のため、みんなに連絡しておきます。詳しい話は帰宅後で」

「あと、入管へは私から連絡しておくわ。“今の在留カードの番号を無効にして、新しい番号で再発行してもらう手続きをする”の。……ってことでタンさんOKね?すぐやるわよ!」

——警察に事情を伝え、新たな在留カードを発行してもらったタンさん。今のところタンさんが犯罪に巻き込まれるような事態は起きてない。だが、盗まれたデータがいつどのような形で利用されるかはわからない。たとえばここ数年で摘発された事件は以下だ。

1. 東京都大田区・ビルの一室:大量偽造事件(2025年5月)

「東京都大田区のビルの一室を拠点としていた中国籍の男性2人(無職)を逮捕」

・家宅捜索で押収されたパソコンからは、約1万点に及ぶ偽造データが発見された。
在留カード、マイナンバーカード、運転免許証、日本人名義の「戸籍謄本」や「住民票」のデータまでもが含まれていた。
・SNSを窓口として注文を受け、1枚あたり約1万円で偽造カードを販売していた。

→わずか5ヶ月の間で少なくとも7500万円以上を売り上げていたとみられ、1日平均50枚という驚異的なスピードで偽造を繰り返していた。

2. 千葉県旭市:農村部に隠された「国内最大規模の製造拠点」(2023年9月)

「千葉県旭市の静かな農村部にある一軒家にて中国籍の男女6人を逮捕」

・警察が民家に突入した際、室内にはパソコン3台や高性能プリンター2台のほか、カードの土台となるプラスチック製の板が約3000枚も保管されていた。
中国にある本拠地からの指示を通信アプリ「WeChat」などで受け取り、作成した偽造カードを郵送で全国のブローカーや不法就労者に送り届けていた

→彼らは約2万件もの注文を請け負っていたとみられ、捜査幹部が「過去に例を見ない規模」と評するほど、組織的かつ機械的な運用が行われていた。

在留カードの情報漏洩・紛失時の対応まとめ

1. 「情報が漏洩した」疑いがある場合

現物が手元にあっても、偽アプリへのスキャンや写真送信をした場合は以下を行ってください。

  •   ● 警察:「サイバー犯罪相談」として届け出、相談番号を記録する。これにより、将来カードが偽造されても「自分は被害者である」と主張できます。

  •   ● 入管:最寄りの入管へ行き、事情(悪用のリスク)を説明して相談する。

※手元にカードはあるため、情報の抜き取りによる悪用が「再交付」の理由として認められるかは難しいところ!窓口での丁寧な説明が必要です。

→ただし、入管法には紛失や汚損以外にも「在留カードの交換を希望する場合」という申請枠があります。

  •   ● 方法:「不正なアプリでICチップを読み取られたため、カードのセキュリティに不安がある。実費を払うので新しいカードに交換したい」と伝えます。

  •   ● 注意点:この場合、紛失(無料)とは異なり、手数料1,600円(収入印紙)がかかります。しかし、これを申請すれば「紛失」していなくても新しいカード(新しいカード番号)を受け取ることが可能です。

2. 「現物を紛失・盗難」された場合(14日以内)

  •   ● 警察へ:最寄りの警察署・交番で「遺失届」または「盗難届」を出し、受理番号を控える(できれば証明書も取得)。

  •   ● 入管へ: 14日以内に「再交付申請」を行う。
    •     ○ 持ち物:パスポート(原本)、写真(縦4cm×横3cm・3ヶ月以内)、警察の受理番号(または届出証明書)。
    •     ○ 手数料: 紛失・盗難による再交付は無料です。

        ● 報告:勤務先や学校へ報告。不法就労を疑われないため、警察の受理番号を伝えておくとスムーズです。

3. 厳禁事項(法的リスク)

  •   ● 貸与・譲渡・売買:たとえ「写真を送るだけ」でも、偽造の幇助(手助け)とみなされ、刑事罰(懲役や罰金)および退去強制(強制送還)の対象になります。

  •   ● SNSの広告:「即日融資」「カード買取」は100%犯罪です。

在留カードは、外国人労働者にとって日本での「信用」そのもの。現物だけでなく、その「情報」も大切に守りましょう。

#在留カード紛失



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