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ベトナム人って、人目を気にしないの?【立ち小便編】
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case8

生活関連

2024.12.04

20XX年。
少子&超高齢社会を迎えた日本。
国内企業は、人材不足解消のため外国人材の活用に活路を見出していることだろう。

しかし、外国人材の活用については、労働環境の整備や異文化理解・コミュニケーションなど、課題であふれている。

果たして、企業が外国人労働者から選ばれるには?

本コラムは、外国人材の背景にある“異文化”への理解の第一歩として読んでいただきたいノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case8
ベトナム人って、人目を気にしないの?part.1

私、伊能ゆりなは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。

日頃は外国人材を雇用する企業や雇用される外国人の皆さんをサポートするキャリアアドバイザーとして、メンバーとともに全国各地で起こる珍事を紐解き、解決しているのだが(これまでの「青山智香の解明」はこちら)、現在、弊社ではベトナム、インドネシアなど外国人材市場の開拓にも力を入れており、海外での業務も増えてきた。 今回は、ベトナム出張に際して、見聞き、体験した記録を紹介していきたいと思う。

排尿はトイレでお願いします

日本ほどトイレが発達、整備されている国はないはずだ。
海外旅行によく行く方はご存知だろうが、清潔感といい機能性といい「これを無料で使ってよいのか」と疑ってしまうほど、日本のトイレ事情は行き届いている。



さて、海外滞在中に陥るこうした“トイレあるある”。綺麗、汚いはさて置き、公衆トイレが見つからない、有料だった、便座がない?扉がない!おしりを手で洗う…!?などなど、生活習慣の違いから形状、使用方法、エチケットに至るまで、国によって随分と異なる。

そんな中、同行したメンバーの男性Aさんがトイレに行きたいと言い出した。



「使える(そうな)トイレ、ないよねぇ…」嘆くAさんと私たち。

漏れなく、ベトナムもそうした国の一つだ。衛生面が危うい外国での生活は、急をもよおすことも想定し常々トイレの場所や状況を把握しておかねばならない。だが、そもそも高級ホテルやレストラン以外で、日本人の私たちが許容できるトイレは皆無と言ってよい。

決して声を大にして言える話ではないが、そんな事情下で、救いの手を差し伸べてくれたのが立ち小便だ。厳密に言えば、道端で立ち小便をしている人々に背中を押してもらったと言うべきか。日本では男性ですら「高速道路が渋滞していて次のSAまで耐えられない!」「近くにコンビニもスーパーも公園もない!」なんてことがない限り、屋外で用をたすことはないだろう。だが、ベトナムはまだまだそうした意識が低いようで(環境整備が行き届いてないことが要因と思われるが)ちょっと郊外に出れば、時々、地球をトイレ代わりに使っている人がいる。



かくして、諸事情により数十年ぶりに立ち小便をしてしまった彼。こればかりは、コーディネーターも目を瞑ってくれた。

ベトナムでも罰金化が進む立ち小便

ところで、コーディネーター曰く、近代化が進む昨今、ベトナムでも立ち小便やごみの不法投棄の厳罰化が進んでいるらしい。罰則内容(罰金額)は地域によって違うようだが、たとえばハノイでは立ち小便をしたタクシー運転手3人に対して1人200万VND、ベトナム東南部にあるバリア=ブンタウ省ブンタウ市では、公共の場(海辺)で排尿していた観光客に対して15万〜25万VNDの罰金が科されるなどしている。
なお、ハノイ市の新政令では、公共の場での排尿・排便や生活ごみの投棄、たばこの投げ捨てなどの行為に対して従来の10倍以上の罰金を科すことを決めており、集合住宅、商業施設、公共の場での排尿・排便に対する罰金については、従来の20万~30万VNDから100万~300万VNDに引き上げられたそうだ。



もちろん、排尿という生理現象については差し迫った事情があれば仕方がない。人目を忍び、できるだけ人様に迷惑をかけない場所を選ぶなどの努力義務はマストだ。だが、高い経済成長を続けているとはいえ、WHOによればベトナムは未だ発展途上国と位置付けられており、絶対的な所得・生活水準は低く、地方を中心に多くの貧困層が存在している状況だ。現に、田舎の農村に行けば、人気(ひとけ)のない草むらがトイレという家庭は普通にある。



状況によって「正義」の定義は変わるものだ。
それでも「郷に入っては郷に従え」といわれるように、その国の文化、しきたり、そこで暮らす人々の価値観を尊重し、ルールは守らなければならない。
異文化共生を語るには、まずは“そこ”からである。



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