ナプキンが濡れてる?!おしぼりに戸惑う外国人!
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.8
生活関連
2024.12.06
これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!
異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。
この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き
「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」
のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。
異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。
この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き
「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」
のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.8
ナプキンが濡れてる?!おしぼりに戸惑う外国人!
私、伊能ゆりなは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。日頃は外国人材を雇用する企業や雇用される外国人の皆さんをサポートするキャリアアドバイザーとして、メンバーとともに全国各地で起こる珍事を紐解き、解決しているのだが(これまでの「青山智香の解明」はこちら)、現在、弊社ではベトナム、インドネシアなど外国人材市場の開拓にも力を入れており、海外での業務も増えてきた。
ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。
ナプキンが小さくて、濡れていて、使いづらいです!
今回は私のカナダ人の友人アメリアの珍行動についてお話ししたい。彼女とは留学を機に仲良くなり「いつか日本に行く機会があったら、ラーメンとお寿司が食べてみたい!」という願望を語ってくれていた。
そんな彼女が初来日を果たした日、寿司屋に来店した時のこと。
アメリアから『少し早めに現地周辺に到着した』という連絡があったため『暑いから店内で待っていてほしい。予約をしていて店員さんに尋ねられたら、単語でいいから(時間:12時)(人数:2人)(名前:伊能)を言えば、わかってもらえる』ことを伝え、急ぎお店に向かった。
店内に入ると、半年前と変わらぬ姿の彼女が待っていた。
「お待たせー!初めての時にごめんね。電車が遅れちゃって…」
話したいことはたくさんあったが、まずは遅刻を詫びた。アメリアは意にも介さず、満面の笑顔で半年ぶりの再会を喜んでくれた。
「そんなことはいいわ!ねえ、日本って随分暑いわね。ビックリよ。外に居たらクラクラしちゃうからここは涼しくて助かった」
オーバーな身振り手振りで話す姿を見ていると、留学先で緊張している私を見て『日本の文化はとても素敵で魅力的。ぜひ行ってみたい』と積極的に話してくれたことを思い出す。
「そうそう、アメリア!私ね、あなたにお土産買ってきたから……」
そう言って、大切にしまっていた紙袋を取り出そうとバッグをゴソゴソ探っているとアメリアが「待って」と声を上げた。
「その前にスタッフさん呼んでほしいの。このナプキン、濡れてるのよ。しかも、ナプキンというよりタオルみたいで。ちょっと小さそうだし、取り替えてもらいたいんだけどできるかしら?気になったんだけど、ゆりなが来たらでいいいかと思って、待ってたのよ…」
おしぼりを広げ、気持ち悪い物を触っているかのように、しかめっ面をするアメリア。
そうだ。海外ではフィンガーボールや食事中、食後のおしぼりはあっても、食前におしぼりが提供されることはないのだ。近年では、海外でも“おしぼり文化”が広まりつつあるが、まだ接点のない外国人が居たっておかしくない。
「アメリア、それはね『おしぼり』といって『手を洗う代わりにこれで拭いてどうぞ』という日本文化、サービスなの。海外でも日本料理店に行けば、おしぼりが出てくるお店があると思うわ。日本航空の飛行機の機内サービスがきっかけって聞いたことがあるけど、日本食の世界進出も一役買ってると思うわ。カナダで見たことなかった?」
「ないわ!なるほど、そういうことなのね。このシステムは無料なの?」
「ええ、無料よ。この布巾は、お店が貸してくれている形だけど、紙タイプのおしぼりもあるの。そちらは使い捨てね」
「これが『おもてなし』なのね?さすが、日本だわ!」
「じゃあ、先に念願のお寿司を頼みましょう。待ってる間に、お土産を見てみて…」
私は、和柄の扇子と有田焼のお椀、箸置き、お箸のセットをプレゼントした。
おしぼりって、いつからあるの?
さて、話題のおしぼり。私たち日本人にとっては、生まれながらにしてそこにある存在で、それ自体について深く考えたことがない。今日はこの機会に、おしぼりの歴史について学んでいきたいと思う。
・おしぼりの由来、歴史は?
8-11世紀ごろ公家が客人を招く際に用意された濡れ布説と、14-16世紀もしくはさらに後の世代に旅籠(はたご)が宿泊客のために玄関先に用意した水桶と手ぬぐい説とある。また、おしぼりという名称についてはこの時代に濡らした手ぬぐいをしぼり、手足の汚れをぬぐっていたことから“しぼる”という行為が起源となったと言われている。
他にも、衛生状況が良くなかった時代には疫病が流行り、それがきっかけとなり手や身体を洗い清める習慣が生まれたという話もある。神々への祈祷と同時に神社に手水舎が設置されると、まずは裕福な庶民の暮らしに取り入れられ、次第に全国的に広がる過程で、一種の礼儀作法となっていったらしい。
・礼儀作法、おもてなしの中の“おしぼり”
大正8年出版の『日本諸礼式』には、手水で手を洗った客人が濡れた手を拭くための手ぬぐいを出す作法が紹介されている。手ぬぐいは扇子に載せて出すのが客人への礼儀とされていた。また、当時そうした給仕は女性の役割だったため女性の『礼式』において目上の者に対して目線を低くし、お椀など直接手渡しせずお盆を使うことが記載されている。
現代では、そうした意識は随分薄れているが、確かに格式ある旅館に行けば未だにそうした所作が見られる。時代を経てもなお、おしぼりというツール(=おもてなしの文化)は、その利便性から現代にも息づいていると考えられる。
昨今は、ペーパータイプの使い捨ておしぼりと遭遇することが増えてきたが、夏は冷たく、冬は温かい、さらに良い香りまで含んだおしぼりが提供されると、心が温まり、心身共にホッとする。
やはり、私たちはどこまでいっても日本人なのだろう。
終
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団塊の世代にあたる800万人全員が後期高齢者となる「2025年問題」を目前にした今、超高齢化社会で人材不足大国となる日本で、企業が目指すべきは「外国人活用」だ。外国人の労働環境やコミュニケーションの壁を克服し、企業の成長へと導くための方法を伝授する。
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