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Case21 習慣的にあり得ない
~What’s your name? タイのニックネーム事情とは~

生活関連

2024.07.19

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

合理的にあり得ない
~キャリアアドバイザー青山智香の解明~

ワタシ、青山智香は外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決・サポートする業務に携わっている、いわゆるキャリアアドバイザー。
実はこれまでも珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(過去の事件はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら、私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

本名で呼ばないで!

今日は我が部署初のタイ人、ティティワット・サームソンウィッタヤさんの初、出社日だ。厳密にいうと、これまで、インドネシア人、ベトナム人、フィリピン人の皆さんとは机を並べて仕事をしてきたが、タイ人のメンバーと同じオフィスで仕事をするのは初めてだ。



ティティワット・サームソンウィッタヤさん。
だいたい、東南アジアのメンバーを呼ぶときは、例えばレティゴック マイさんであれば「マイさん」、ヒルダン ラディテイヤタマ プトラ ライサさんであれば「ヒルダンさん」など、名前のどこか一部を愛称として呼んでいた。インドネシア人の皆さんはファミリーネーム、いわゆる苗字がない島出身の方がいるなどの話も聞いているが、国によって名前事情は複雑だ。

さて、ティティワット・サームソンウィッタヤさんは何て呼ぼうか…。ティティワットさん?はたまた、サームソンウィッタヤさん?



すると、入口の方で誰かが口論している声が聞こえてきた。片言の日本語で話す男性。相手をしているのは、関西弁訛りが残る弊社の若手社員…ということは、原田さんだ。

耳をそばだてる。

原田さん
「えっと…でも、ティティワット・サームソンウィッタヤさんなんですよね?」

ティティワット・サームソンウィッタヤさん
「はい、そうです。マックスと呼んでください。今日からよろしくお願いします」

原田さん
「……そんな名前の方とは聞いてないんですが、うーん。ちょっとやっぱり確認してきますね」

どうやら、名前がかみ合ってない様子だ。相手は外国人。片言の日本語は聞き取りづらくもある。

すぐさま、新人の原田さんのフォローをしに向かった。

青山
「原田さん、どうした?」

原田さん
「青山さん、すみません。私、慣れてなくて、よくわからないんですが、今日からいらっしゃる方って、ティティワット・サームソンウィッタヤさんでしたよね?ご本人は『マックス』さんって名乗っておられるんですが…」

手元の資料を確認すると、目の前に立っている男性は、写真通りの、ティティワット・サームソンウィッタヤさんだった。

青山
「ティティワット・サームソンウィッタヤさん、おはようございます。私は青山といいます。マックスさんというのは、通称名…そう、ニックネーム?」

ティティワット・サームソンウィッタヤさん
「ティティワット・サームソンウィッタヤ は、父が名前を付けました。マックスは、母が名前を付けました。かっこいいですから。妹は、レゴです。弟は、バンクです」

青山・原田
「……?!」

いったんその場を丸く収め、私はすぐさまデスクに向かった。



タイ人の独特な名前観

PCを起動し〔タイ人 名前〕と調べると、先ほどの珍事の原因が判明した。

なんと、タイ人の皆さんは、本名ではなくニックネームで呼び合うのが一般的。親しい間柄でも、タイ人同士、互いの本名は知らないことがほとんど。本名は複雑で長いとか、100年ほど前に法律が改訂され身分に関係なく苗字を名乗れるようになったとか、ニックネームは一生モノだが本名の変更は日常茶飯事だとか、日本人の私たちにとってなかなか不可思議な情報が飛び交っていたのだ。

ちなみに、医療が発達しておらず乳幼児の死亡率が高かった時代には、悪霊が子供の魂を連れ去ってしまうと考えられており、我が子が人間と悪霊に悟られないよう動植物の名前をニックネームとしてつけることが多かったとされている。現代は、両親の趣味や好みを反映した名前が増え、日本同様キラキラネームがブームにすらなっているようだ。



後に、マックスさんにニックネームの由来を聞いてみると、妹のレゴさんは、創造力豊かな子に育ってほしいという思いから知育玩具のLEGO、弟のバンクさんは銀行のBankからきているそうだ。

改まった場でない限り、本名で呼び合うことのないタイ人の皆さん。基本的には、生涯を通じて両親または僧侶がつけたニックネームを使うとのことなので「ティティワット・サームソンウィッタヤさん」は「マックスさん」と呼ぶことになるだろう。
いや、そもそも「ティティワット・サームソンウィッタヤさん」はどこで区切っても長いし早口言葉のようで覚えられない!

ところで、今回の珍事、皆さんはご存知でしたか?






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