日本語での生活力がズバリわかる!「JFT-Basic」とは?
2021.06.17
外国人が日本で働くために必要な日本語のテストには、さまざまな種類があります。その中で最も新しいものが、2019年4月に始まった国際交流基金日本語基礎テスト(Japan Foundation Test for Basic Japanese)で、略称して「JFT-Basic」と呼ばれます。一体どのような試験なのでしょうか?
日本語で何がどれだけできる?
この試験は、就労するために来日した外国人のコミュニケーション力を測定するために生まれました。そこで主に問われるのは、仕事に関わる専門的な語学力ではなく、日常会話。「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」を判定することに主眼が置かれているのです。
JFT-Basicは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)と、それに沿って国際交流基金が開発した「JF日本語教育スタンダード」(JFスタンダード)の考えに基づいて作られました。JFスタンダードはコースや授業、評価を設計するための枠組みとなっており、「課題遂行能力」と「異文化理解能力」の育成をサポートしています。このような性質を持つJFT-Basicでは、「日本語で何がどれだけできるか」という観点から、学習者の日本語レベルを国際的な基準にならいながら知ることができます。
JFT-Basicは、特定技能1号を得るために必要な日本語能力を測るテストとしても活用されており、技能実習を終えて特定技能に移行したい場合、この試験が必要です。
JFT-Basicの構成
JFT-Basicはコンピューターを使って行われ、60分間に60問が出題されます。この試験は4つのセクションから構成されており、それぞれの狙いは下記の通りになっています。
- 文字と語彙(15問): 生活場面で使用される日本語の文字が読めるか、基本的な語彙を持ち、使えるかを測る
- 会話と表現(15問): 生活場面の会話に必要な文法や表現を使えるかを測る
- 聴解(15問): 生活場面において、会話や指示などを聞いて、理解できるかを測る
- 読解(15問): 生活場面において、手紙や掲示、説明などを読んで、理解できるかを測る
試験の結果は、次の6つのレベルに分類されます。
- 基礎段階の言語使用者: A1とA2
- 自立した言語使用者: B1とB2
- 熟練した言語使用者: C1とC2
これらのレベル指標ではA1が最も低く、A2、B1、B2、C1と上がっていき、C2が最高レベルになっています。日常会話を重視したJFT-Basicで、外国人労働者の「日本語での生活力」を測ってみてはいかがでしょうか?
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