異文化コミュニケーションから考える外国人採用の極意
2021.08.26

日本で働く外国人の数は急増しています。だからと言って、外国人の採用は簡単に行くとは限りません。この記事では、異文化コミュニケーションの観点から外国人採用について考えてみます。
気をつけたいフォーリナー・トーク
日本企業で働く外国人の中には、日本語を勉強している人もいるでしょう。母語話者である日本人の中には、非母語話者である外国人に合わせて、話し方や話す内容を調整する人もいます。ゆっくり話したり、ジェスチャーを多用したり、わかりやすいトピックを選んだり。これは「フォーリナー・トーク」と呼ばれており、しばしば受け入れ企業に奨励されています。
これにはこれで良い側面もありますが、悪い面がないわけではありません。やさしいけど、文法的にめちゃくちゃな日本語を用いると、かえって外国人に嫌われることもある、と専門家は指摘しています。日本人は文法に気をつけながら、フォーリナー・トークを使わなければなりません。
適切な距離感を
先輩・後輩、タテ社会、飲み会、印鑑、空気を読むことなど、日本の文化に戸惑う外国人材もいるでしょう。残業はその代名詞といえるもので、日本企業ではサービス残業が当たり前だったり、上司が残っていると部下が帰れなかったりする所もあります。近年ではワーク・ライフ・バランスを重視し、残業を減らす運動が全国で見られますが、全ての日本企業がそのような取り組みをできるわけではありません。
そのような日本の文化にどう対応するのかは、個人によって異なります。カルチャーショックを受ける人もいれば、日本の文化を尊重して、日本人にできるだけ合わせようとする人もいます。そのため、雇用側は外国人がどのような人間かを見極めるべきでしょう。その上で、日本人の上司や管理職は、できる限り個人の要望や希望に合わせて、働きやすい環境を整えるべきです。そうすることで、外国人が「会社の一員だ」と感じるようになれば、成功でしょう。このような取り組みでは、物理的にも心理的にも、外国人材を遠ざけないことが肝心です。
逆に、現代は個人主義やワーク・ライフ・バランスの時代だとすれば、企業側が「外国人も日本人のように残業すべきだ」といった「古い」価値観を押し付けると、受け入れ企業と外国人材との距離は遠ざかり、外国人採用で失敗する可能性が高まるかもしれません。
コロナ禍でビジネスパーソンの多くは在宅勤務となり、その結果、コミュニケーションの取り方に悩むマネージャーもたくさんいると言われていますが、外国人を受け入れる際は、距離感に気をつけながら、コミュニケーションを試行錯誤してみてはいかがでしょうか?
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