技能実習2号とは?移行要件や対象職種、1号・3号との違いを解説
2026.02.25
技能実習2号とは、入国2〜3年目の実習生が取得する在留資格です。本記事では1号からの移行要件、対象となる80以上の職種、試験対策、手続きの流れを分かりやすく解説します。2号終了後の特定技能や3号への移行ルートについても紹介します。
技能実習生を受け入れている企業の多くが直面するのが「1号から2号への移行」というプロセスです。技能実習2号は、入国後2年目・3年目の実習生がより実践的な技能を習熟するための在留資格ですが、移行には厳格な要件や試験の合格が必要となります。
本記事では、技能実習2号の基本的な定義から、対象となる職種、具体的な移行手続きの流れ、そして2号修了後の「特定技能」や「3号」へのキャリアパスについて、実務担当者が知っておくべきポイントを詳しく解説します。
CONTENTS
- 1. 技能実習2号とは?1号・3号との違いと制度の位置づけ
- 2. 技能実習2号への移行対象職種
- 3. 技能実習1号から2号へ移行するための具体的な要件
- 4. 技能実習2号への移行手続きとスケジュール
- 5. 企業の常勤職員数で決まる受入れ人数枠
- 6. 2号修了後のキャリアパス:技能実習3号か特定技能か
- 7. まとめ:複雑な2号移行手続きは専門家のサポートが不可欠
1. 技能実習2号とは?1号・3号との違いと制度の位置づけ
技能実習制度(最長5年)の全体像の中で、2号が占める「2年目・3年目」という位置づけを整理します。あわせて、2号が単なる在留期間の延長ではなく、より高い技能水準が求められる段階である点を明確にします。
1.1 在留期間と技能レベル(習得・習熟・熟達)の定義
技能実習制度では、段階ごとに到達目標が設定されています。1号は「技能の習得」、2号は「技能の習熟(慣れて使いこなせる段階)」、3号は「技能の熟達」という位置づけです。
在留期間は、1号(1年)と2号(2年)を合わせた計3年が基本的な枠組みとなります。実務上は、この3年間を一つの区切りとして受け入れ計画を立てる企業が多く見られます。
1.2 技能実習2号の受入れ方式(イ・ロ)の区分
技能実習2号には、「イ(企業単独型)」と「ロ(団体監理型)」の2つの受入れ方式があります。採用担当者にとっては混同しやすいポイントですが、「イ」は企業が海外の現地法人や取引先などから直接受け入れる方式、「ロ」は監理団体を通じて受け入れる方式です(参考:技能実習制度の仕組み|厚生労働省)。
日本国内の技能実習生の98.6%(※2022年末時点)は「団体監理型(2号ロ)」で受け入れられています。そのため、実務上はまず「ロ」の要件や手続きの流れを正しく理解しておくことが重要です。

2. 技能実習2号への移行対象職種
技能実習2号へ移行できるかどうかは、実習生本人の能力に加え、制度上定められた「対象職種」に該当しているかで決まります。対象職種はあらかじめ限定されており、すべての実習生が自動的に2号へ進める仕組みではありません。
自社の職種が移行対象に含まれているかどうかは、外国人技能実習機構(OTIT)が公表している最新の一覧で確認できます。
2.1 移行可能な職種と不可能な職種の見分け方
2026年時点で技能実習2号へ移行できるのは、「92職種169作業」に限られています。この一覧に含まれない職種は、1号の在留期間満了をもって修了となります。
農業、建設、食品製造、機械・金属関連などが主な対象分野です。詳細は、同機構が公表する「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧」をご確認ください。
2.2 自社の職種が対象外だった場合の対応策
万が一、自社の業務が移行対象外であった場合、1号(1年)の在留期間満了をもって修了となります。制度上、2号への延長は不可です。
業務内容によっては特定技能への切り替えが視野に入るケースもありますが、対象分野や要件には一定の制約があります。
こうした前提があるため、採用前の段階で職種選定を誤らないことが極めて重要です。

3. 技能実習1号から2号へ移行するための具体的な要件
技能実習1号から2号へ移行するには、「試験合格」と「技能実習計画の認定」の2つが要件です。
なかでも試験への合格は、移行の可否を左右する最大のポイントです。不合格となった場合は、原則として1号の在留期間満了をもって修了となります。勤務態度や評価のみで移行が認められる制度ではありません。
3.1 【実習生】技能検定基礎級への合格が必須条件
1号終了前までに、職種に応じた「技能検定基礎級」または「技能実習評価試験初級」の学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。いずれか一方のみの合格では、移行は認められず、両方の合格が移行の前提条件です(参考:技能実習生等向け技能検定の概要|厚生労働省)。
不合格の場合、原則として1回のみ再試験の機会が認められていますが、在留期限内に合格できなければ「特定活動(帰国準備)」へ変更のうえ帰国となります。
3.2 【企業】同一機関での継続と新たな計画認定
原則として、1号と同じ実習実施者(企業)のもとで、同一職種・同一作業の技能実習を継続します。転籍はできません。
2号へ移行するには、新たに「第2号技能実習計画」を作成し、外国人技能実習機構の認定を受けることが前提となります(参考:技能実習計画の審査基準、モデル例|厚生労働省)。

4. 技能実習2号への移行手続きとスケジュール
技能実習2号への移行では、各種手続きを計画的に進めることが不可欠です。申請や試験の時期が遅れると、在留資格の更新が間に合わず、オーバーステイや一時的に就労ができなくなる事態につながるおそれがあります。
実務上、移行手続きは監理団体が主導して進めるケースが一般的です。ただし、企業側にも書類準備や試験対策への協力が求められる場面が多く、全体のスケジュールを把握しておくことが円滑な移行の前提となります。
4.1 入国6〜8カ月目:試験の申し込みと受験対策
入国から半年が経過する頃を目安に、技能検定基礎級または技能実習評価試験初級の申し込みが行われるケースが一般的です。試験日から逆算し、準備期間を確保したうえでスケジュールを組みます。
現場でのOJTに加え、学科試験および実技試験に向けた対策時間を確保することも重要です。業務との両立を前提に、計画的に準備を進めます。
4.2 入国9カ月目:第2号技能実習計画の認定申請
技能実習2号の開始予定日の3〜4カ月前を目安に、第2号技能実習計画の認定申請を行います。実務上は入国9カ月目頃の申請となるケースが多く、申請先は外国人技能実習機構です。
認定までには通常1〜2カ月程度を要するため、ここで手続きが滞ると、その後の在留資格変更申請のスケジュールにも影響が及びます。
4.3 入国11カ月目:在留資格変更許可申請
第2号技能実習計画の認定通知書が届き次第、出入国在留管理庁の管轄窓口にて在留資格変更許可申請を行います(参考:在留資格変更許可申請 | 出入国在留管理庁)。
標準的な審査期間は2週間〜1カ月程度とされていますが、繁忙期など時期によっては処理に時間を要することもあるため、余裕を持った申請が不可欠です。

5. 企業の常勤職員数で決まる受入れ人数枠
技能実習生の受入れ人数は、企業の常勤職員数に応じて上限が設定されています。
本章では、受入れ可能人数の算定方法を表や計算式を用いて整理するとともに、優良認定による人数枠拡大の仕組みを解説します。
5.1 基本人数枠と優良認定による倍増枠の仕組み
同時点で在籍できる技能実習生の受入れ人数枠は下表のとおりです。
常勤職員数別|技能実習生の受入れ人数枠
| 常勤職員数 | 基本の受入れ上限 |
|---|---|
| 30人以下 | 3人 |
| 31人~40人 | 4人 |
| 41人~50人 | 5人 |
| 51人~100人 | 6人 |
| 101人~200人 | 10人 |
| 201人~300人 | 15人 |
| 301人以上 | 常勤職員数の20分の1 |
参考:外国人技能実習制度とは|国際人材協力機構(JITCO)
さらに、「優良な実習実施者」として認定された企業は、この上限が2倍に拡大され、採用計画の自由度が大きく広がります。
5.2 常勤職員数に含まれる範囲と計算方法
受入れ人数枠の算定に用いられる「常勤職員」には、原則として社会保険または雇用保険の被保険者となっている従業員が含まれます。正社員に限らず、一定の就労実態があるパート・アルバイトについても、条件を満たせば算定対象となります。
なお、技能実習生本人は常勤職員数の算定には含まれません。

6. 2号修了後のキャリアパス:技能実習3号か特定技能か
2号修了(在留期間3年)のタイミングは、企業にとって人材活用の方向性を再設計する重要な局面となります。技能実習3号へ進む場合と、特定技能へ移行する場合とでは、在留期間や業務範囲、定着のしやすさなどに違いがあり、自社の人材戦略に応じた選択が求められます。
※詳細は【技能実習】1号・2号・3号の違いと移行する方法を解説をご覧ください。
6.1 技能実習3号への移行のハードルとメリット
技能実習3号(4〜5年目)へ進むためには、実習生が実技試験3級に合格していることに加え、企業および監理団体が「優良認定」を受けていることが前提となります。制度上の要件が厳しく、すべての受入れ先が無条件に移行できるわけではありません(参考:第3号技能実習への移行手続の留意点|国際人材協力機構(JITCO))。
また、3号への移行にあたっては一時帰国(原則1カ月以上)が求められ、受入れの空白期間が生じます。監理団体への監理費も継続して発生するため、定着面ではメリットがある一方で、コストや運用面の負担が続く点には留意が必要です。
6.2 特定技能1号への移行の柔軟性とコスト
技能実習2号を良好に修了した場合、原則として試験免除で特定技能1号へ移行可能です。これにより、技能実習の在留期間(最長5年)に加え、特定技能1号として最長5年の就労が可能となり、通算で最大8年間の雇用につながります(参考:特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)|出入国在留管理庁)。
特定技能1号では転職が認められており、技能実習と比べると人材流出のリスクが高まります。一方、受入れ人数枠の上限はなく(建設・介護分野を除く)、従事できる業務範囲も広がるため、人員配置や業務設計の自由度は大きく向上します。

7. まとめ:複雑な2号移行手続きは専門家のサポートが不可欠
技能実習2号への移行は、単なる在留期間の更新ではなく、試験合格や計画認定をともなう制度上の関門です。要件を一つでも満たせなければ移行は認められず、手続きのハードルは想像以上に高いといえます。
とりわけスケジュール管理や申請書類の不備は、不許可や手続きの遅延を招きやすく、実務への影響も小さくありません。現場任せにせず、監理団体や専門家と連携しながら進める体制を整えておくことで、こうしたリスクは未然に抑えやすくなります。
「自社の実習生が2号へ移行できるのか判断がつかない」「3号と特定技能のどちらを選ぶべきか迷っている」といった場合は、海外人材タイムスの無料相談を活用するのも一つの手です。制度運用に精通した専門家の視点を取り入れることで、自社の状況に即した現実的な選択肢が見えてきます。
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