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フィリピン実習生受け入れで知っておきたい性格や特徴を解説

フィリピンは、日本にも多くの移住者がいるため比較的馴染みのある国といえます。また、英語が公用語であることも広く知られており、英会話スクールなどでもフィリピン人講師が多く在籍しています。英語が話せるということは、もし日本語が難しくても、容易にコミュニケーションがとれることを意味しますので、外国人労働者の受け入れを考えたときに大きなメリットになります。

本記事では、そんなフィリピンから技能実習生を雇い入れる際に知っておきたいフィリピン人の性格や特徴について詳しく解説します。

CONTENTS

  1. 1.フィリピンの基本情報
  2. 2.出稼ぎ大国フィリピン
  3. 3.フィリピン人の性格
  4. 4.フィリピン人の特徴
  5. 5.フィリピン人技能実習生の優位性
  6. 6.抜群に低い失踪率
  7. まとめ

1.フィリピンの基本情報

まず、フィリピンという国について基本情報から確認します。

<正式名称>フィリピン共和国
<面積>299,404㎢
<人口>約1億1910万人
<首都>マニラ
<民族>主にマレー系 その他中国系、スペイン系および少数民族
<宗教>キリスト教(カトリック)83%、キリスト教(その他)10%、イスラム教5%
<気候>熱帯性気候で一年を通して暖かい(平均気温26〜27℃)
<公用語>フィリピン語、英語

地理・気候

面積は日本の約8割の広さで、日本からは飛行機で4〜5時間の距離にあります。7000以上の島々で構成されており、日本と同じ島国です。

気候は年間を通して暖かく、雨季(6〜11月)と乾季(12〜5月)に分かれています。雨季は日本のような梅雨とは違って2時間ほど降る程度ですが、頻繁に台風が発生します。

人口

フィリピンの人口は約1億1910万人で、急速な増加を続けています。

中でも注目すべき点は、年齢別人口です。

以下をご覧ください。


 【フィリピン】              【日本】

データ元:PopulationPyramid.net

これは、フィリピンと日本の年齢別人口ピラミッドですが、フィリピンは日本のように上層部が重くなく、綺麗な三角形になっています。フィリピンには労働力となる若者があふれていることがわかります。

言語

フィリピンは長らくアメリカ統治下にあったため、母国語であるフィリピン語に加えて英語も公用語です。小学校から英語の授業が始まり、他の科目も全て英語で行われますので、フィリピン人の95%以上は英語が話せます。

宗教

フィリピンは東南アジアで唯一のキリスト教国で、国民の90%以上がカトリック教徒です。日曜に礼拝に行く人も多く、クリスマスパーティーは盛大に行われます。また、教義により子どもは神からの祝福と考えられているので、よくフィリピン人は「家族・親族第一主義」といわれます。

2.出稼ぎ大国フィリピン

フィリピンは世界最大の労働力輸出国といわれています。その背景には、フィリピンが抱える経済事情やそれに伴う政府の手厚いサポート体制が存在します。

詳しく見ていきます。

フィリピンの経済事情

フィリピンは経済成長がめざましい一方で、いまだ国内の雇用機会が少なく、OFW(Overseas Filipino Workers)といわれる海外フィリピン労働者からの送金がGDPの約1割を占めています。

人口で紹介したように、フィリピンは労働力となり得る若者が多くいるにもかかわらず、首都マニラでさえ失業者やホームレスが発生している深刻な状況に置かれています。

フィリピン政府のサポート体制

OFW=海外フィリピン労働者からの送金が国家経済を下支えしていることから、フィリピン政府は国を挙げて出稼ぎ労働者を保護する施策をとっています。これにより、通常送り出し機関に払う費用を技能実習生本人が借金する必要なく、安心して出稼ぎにいける仕組みを構築しています。

具体的なサポート機関は以下の3つです。

<DOLE(Development Of Laber Employment)>
労働雇用省。労働者保護を目的とし、雇用に関するガイドラインの制定や相手企業への規制を行う。

<POEA(現DMW:Department of Migrant Workers)>
海外雇用庁。雇用先企業および送り出し機関の審査を行う。認定された機関のみがフィリピン労働者の受け入れを許可される仕組み。

<POLO(現MWO:Migrant Workers Office)>
駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所。POEAの出先機関で、在日拠点は東京と大阪。雇用先企業がPOEAの審査を受ける場合、POLOへ出向く必要がある。

3.フィリピン人の性格

日本とは異なる文化や生活様式、考え方を持つ外国人労働者を受け入れるにあたっては、その人となりを知っておくことが重要です。まずフィリピン人に多い性格を紹介します。

素直で明るくおおらか

フィリピン人は南国特有の陽気で明るいおおらかな性格をしています。何事にもポジティブに取り組み、細かいことは気にしません。フィリピン人が職場にいれば不安を抱え込みがちな日本人を励ましてくれることでしょう。また素直な人が多いので、指示には忠実に従ってくれます。ただし、指示した以上のことはしませんので、指示の出し方には考慮が必要です。

噂好きでシャイ

フィリピン人は噂が大好きです。プライバシーに対する意識が高くないため、人の噂話をすることを悪いこととは思っていません。

また初対面の人や憧れの人に対して、恥ずかしがる可愛い一面もあります。

高いホスピタリティ

「フィリピーノホスピタリティ」という言葉があるほど、フィリピン人は非常に高いホスピタリティを持っています。これは古来より兄弟親戚が近くに集まって生活してきた様式の中で培われた思いやりの精神で、「人に優しく」をモットーに困っている人がいれば初対面であっても助け、常に明るく優しく接します。フィリピン人が世界中から介護職や看護職に求められる理由はここにあります。

場の雰囲気を大切にする

外国人の多くは「空気を読む」ことができません。そんな中で、世界的に珍しくフィリピン人だけは日本人と同じように空気を読み、場の雰囲気を大切にするということができます。技能実習生として受け入れた場合にも、職場の従業員とトラブルが起きる心配は少ないでしょう。

プライドが高い

フィリピン人はプライドが高く見栄っ張りです。中でも人前で怒られることを酷く嫌いますので、注意をするときは決して怒鳴ったりせず、個室で対応するなどの配慮が必要です。フィリピン人にとって人前で注意されることは、メンツをつぶされて恥をかかされたことになるので、日本人が想像する以上に屈辱的に感じ傷つきます。他にも、理解していないことを「理解した」と答えてしまうような場面もあるでしょう。

4.フィリピン人の特徴

次にフィリピン人の特徴的な考え方、行動パターンを紹介します。

お金にルーズ

フィリピン人は給料をもらったその日に使い果たしてしまうなど金銭感覚についてもおおらかです。そのためフィリピンの法律で給料は月2回に分けて支給することが定められています。技能実習生を受け入れる際には、貸したお金を返さない、給与の前借りを要求されるなどのトラブルが予想されますので、お金の管理には特に注意をしてください。

フィリピンタイム

フィリピン人は時間に対してもおおらかです。例えば「8時に打ち合わせ」と伝えたとします。日本人はこれを「8時ちょうどに打ち合わせが始まる」と認識しますが、フィリピン人は「8時から9時の間に打ち合わせが始まる」と認識します。この背景にはフィリピン都市部の交通混雑が激しく、時間通りに到着できないというフィリピン特有の事情があるようですが、これを「フィリピンタイム」や「フィリピーノタイム」と呼んでいます。フィリピン人に時間の指示をする際には「8時ちょうどに来て」と分単位で伝えるなど工夫が必要です。

近所迷惑を気にしない

フィリピン人は人に気を遣う性格ではない上に、公共の場所で歌ったり踊ったりすることが日常的なため、周りに人がいてもお構いなしに大きな声でしゃべったり、夜中でも気にせずに大音量で音楽を流したりします。近所迷惑にならないようにプライバシーや騒音についての説明はしっかりしておきましょう。

イベントを大切にする

フィリピン人にとってイベントは大切です。ほとんどがキリスト教徒ですので、クリスマスパーティーは盛大に行いますし、誕生日や年末年始も重要です。休暇の相談はイベントを考慮するといいでしょう。

家族を大切にする

フィリピン人は家族や親戚をとても大事にします。頻繁に親戚で集まり、家族に何かあった場合には仕事を休んで駆けつけることは当たり前です。そもそもの出稼ぎ理由も、子どもや兄弟の学費を稼ぐためなど家族のためであることがほとんどです。海外フィリピン労働者は出稼ぎで家族の生活を支えています。

5.フィリピン人技能実習生の優位性

フィリピン人技能実習生が持つ優位性について紹介します。

英語が堪能

言語で説明したとおり、フィリピンでは公用語が英語のため、国民の95%以上の人が英語を話します。そのため日本語での意思疎通が難しい場合には、英語を使ってコミュニケーションを取ることが可能です。

また技能実習生とのやりとりを通して、雇用先企業の担当者も英会話ができるようになるという副次的効果もあります。

日本語の上達スピードが速い

生まれたときからフィリピン語と英語の両方を聞いて育ち、地方へ行けばそれぞれの方言に触れて覚えてきたフィリピン人は多言語に抵抗がありません。言語を学ぶ基礎が自然と身に付いているので日本語の上達スピードも非常に速いです。働きながら半年程度で日常会話までできるようになる人も多くいます。

宗教的制約がない

キリスト教徒が大多数であるフィリピン人は、食べ物や宗教儀式などの宗教的制約がありません。無宗教が多い日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、例えば技能実習生の送り出しが多い東南アジア諸国で多く信仰されているイスラム教では、豚肉が食べられなかったり、一日に5回のお祈りが必要だったりという制約があります。

6.抜群に低い失踪率

フィリピン人技能実習生は失踪率が抜群に低いです。技能実習生の失踪は受け入れ企業にもペナルティが課されるなど大きなダメージがありますので、失踪率が低いことは最大のメリットになります。

失踪の背景

外国人技能実習生の失踪には、受け入れ企業での低賃金や過酷な労働環境の実態があります。技能実習制度では母国の送り出し機関に技能実習生本人が手数料を支払う必要がありますが、そこにブローカーが介在して追加で保証金を要求されるケースも多くあります。また、送り出し機関で実施される教育費用などの工面も必要なため、ほとんどの技能実習生は借金をして技能実習にやってきます。その結果、受け入れ企業の待遇に納得がいかない技能実習生は、より多く稼げる場所を求めて失踪してしまうのです。

フィリピン人技能実習生の失踪率

フィリピン人技能実習生の失踪率の低さを理解してもらうにあたり、2つのデータを紹介します。

データ元:法務省・厚生労働省「外国人技能実習制度について」

1つ目のグラフは技能実習生の国別受け入れ人数です。フィリピン人技能実習生の受け入れ人数は、1位ベトナム、2位インドネシアに続き3位です。

データ元:法務省「技能実習生の失踪者数の推移」

2つ目の表は技能実習生の失踪者数の推移です。技能実習生の受け入れ人数が3位であったのに対し、失踪者数は上位に入っていません。

データから分かるように、フィリピン人技能実習生は受け入れ人数に対する失踪者数が圧倒的に低いです。これには来日の際に技能実習生本人が負担する費用が少ないことが背景にあるといわれています。

フィリピンでは労働者保護のため、送り出し機関に支払う費用を技能実習生本人が負担することを禁止しており、受け入れ企業側が負担することになっています。他国の技能実習生のような借金が少ないことが、失踪率を低く抑えられている要因と考えられます。

7.まとめ

フィリピンの基本情報から性格、特徴、技能実習生として受け入れるメリットについて紹介しました。

失踪率の低いフィリピン人実習生は、他国の実習生に比べ安定した雇用が期待できます。もちろん外国人ですので、考え方や行動などすべてを理解することは難しいかもしれませんが、ホスピタリティの高さなど業種によってはこれ以上ないほどに素晴らしいスキルを持っています。

ぜひ本記事を参考にして、フィリピン人技能実習生の受け入れの検討および受け入れ後のより良い関係を築いていってください。

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