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特定技能「飲食料品製造業」完全ガイド|採用要件・手順などを解説

飲食料品製造業における人手不足は深刻化しており、「特定技能」による外国人材の受け入れが解決策として注目されています。本制度は年々変化しており、2号の新設や対象業種の拡大など、最新情報の把握が不可欠です。
本記事では、特定技能「飲食料品製造業」の全体像から、企業が満たすべき基準、人材の要件、そして重要な雇用条件書のポイントまで、最新情報を踏まえ網羅的に解説。採用準備から受け入れ後の定着まで、具体的なステップを解説します。

CONTENTS

  1. 1. 特定技能「飲食料品製造業」とは? 制度の基本と最新動向
  2. 2. 採用のメリットは? 定量データで見る企業側の利点3選
  3. 3. 採用対象となる外国人の要件:誰を雇用できるのか?
  4. 4. 受入可能な業務と事業所:どこで・どんな仕事を任せられる?
  5. 5. 受入企業の義務と準備:採用前にクリアすべき4つの必須事項
  6. 6. 採用コストはいくら? 想定される費用項目と概算
  7. 7. 採用決定から入社までの具体的な流れ:7ステップ完全解説
  8. 8. 【注目】特定技能2号(飲食料品製造業)の詳細解説
  9. 9. 採用後の定着支援と注意点:長期活躍を促す3つの施策
  10. 10. 【まとめ】特定技能「飲食料品製造業」採用を成功させるために

1. 特定技能「飲食料品製造業」とは? 制度の基本と最新動向

農林水産省「食品産業における労働力確保について」(2023年11月)によれば、製造業における欠員率の推移は下記の通りで食品産業は、多くの人手を必要としながらもその欠員率の高さから、労働力の確保が喫緊の課題となっています。



また、厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析」において2023年時点で、飲食料品製造業を含む「宿泊業・飲食サービス業」の欠員率は企業規模が小さいほど高く、特に5〜99人規模の企業では欠員率が10%を超えるなど、深刻な人手不足が顕在化していることに警鐘を鳴らしています。さらに、飲食料品製造業では製造ラインや品質管理での人手不足が深刻で、2022年の業界の欠員率は約4.3%に達していると言われています。

我が国ではこうした現状を打開すべく、労働力確保と生産性向上を目指して外国人労働者の受け入れを推進しており、そのために導入された外国人労働者受け入れ制度の一つに特定技能制度があります。本制度の目的は特定産業の人材確保と経済活動支援で、技能実習制度からの移行を促進し持続可能な労働力の供給も図っています。

1.1. 特定技能1号・2号の基本情報:目的・期間・家族帯同を比較

前述したように、特定技能は日本で深刻化する人手不足の解消を目的に、一定の技能と日本語能力を有する外国人が特定の産業分野で働くことを認める在留資格です。



この制度には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があり、1号は最長5年間の在留が可能で、業種ごとに定められた技能評価試験の合格と日本語能力試験N4相当以上が求められます。一方、2号はより高度な技能を持つ人材が対象で、在留期間の制限がなく、家族帯同や支援機関の不要など、1号に比べて自由度の高い在留が認められています。

特定技能は、幅広い業務に従事でき、単純作業も可能であることから、外国人雇用において注目される在留資格の一つと言えるでしょう。

1.2. 技能実習制度との違い

技能実習制度と特定技能制度は目的や運用に大きな違いがあります。技能実習は「技能移転」を通じた国際貢献が目的で、従事できる業務はあらかじめ定められた実習計画内に限られ、原則として転職はできません。一方、特定技能制度は日本国内の「労働力確保」が目的で、より実践的・即戦力としての業務従事が可能です。また、一定条件の下での転職も認められています。

技能実習制度は「技能移転」を目的としながら、実際には低賃金労働力として扱われるケースが多く、長時間労働や人権侵害、転職不可による不適切な労働環境から、失踪といった問題が深刻化しています。そのため2024年度から制度の見直しが行われ、今後数年以内に「育成就労制度」が導入される予定となっています。本制度は、一定期間の就労後に特定技能への円滑な移行が可能となる仕組みも整えられており、外国人のキャリア形成と労働力確保の実現を目標としています。

1.3. 【最新情報】受入見込人数と分野別受入状況(2025年4月時点)

政府が示す令和6年度(2024年度)からの5年間における特定技能外国人材の受け入れ見込み人数は、以下の通りで82万人を見込んでいます。


出典:出入国在留管理庁 特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加の概要

これらの数値は、政府が予定している受け入れ人数の目安であり、産業ごとの需要に応じて調整される場合があります。特定技能の受け入れは、労働市場の変動や社会的ニーズに合わせて徐々に増加していく見込みです。特に飲食料品製造業は、日本の製造業の中でも重要な位置を占めており、外国人労働者の需要が高いため、かなりの人数が見込まれています。



また、出入国在留管理庁による特定技能制度運用状況(令和6年12月末)によれば特定技能外国人の総数は、2024年12月末時点で28万人を超えており、国籍別に見るとベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーが多くなっています。



そのうち、飲食料品製造業分野に従事する外国人材は、特定技能全体のおおよそ26% を占めており、人数にして約7万4,000人となっています。飲食料品製造業は、特に製造ラインや品質管理、梱包作業などでの外国人労働者の需要が高い分野です。

2. 採用のメリットは? 定量データで見る企業側の利点3選

ここからは、飲食料品製造業分野において特定技能外国人の需要が高い理由を見ていきます。

2.1. メリット1:即戦力となり得る人材の確保

1つ目のメリットは技能測定試験や日本語能力試験を通じて、一定の能力が保証されている点です。特に技能実習からの移行者は、既に日本での就労・生活経験があり、即戦力として活躍できます。また、HACCP(食品衛生管理)の知識が求められる業界で、特定技能外国人はこの知識を持っていることが多く、品質管理や衛生管理の面で高い評価を受けています。これらの要素が、飲食料品製造業への外国人労働者受け入れの魅力を高めています。

2.2. メリット2:広範な業務への従事が可能

2つ目のメリットは業務範囲が広く、製造・加工だけでなく安全衛生管理にも従事できる点です。特に、酒類を除く飲食料品全般において、製造ラインや品質管理を含む多岐にわたる業務に対応できるため、即戦力として活躍します。また、原料調達、清掃、納品、在庫管理などの関連業務にも従事可能であり、柔軟な労働力として高く評価されています。これにより、業界全体での人手不足解消に貢献できる点が魅力です。

2.3. メリット3:長期安定雇用の実現可能性

3つ目のメリットは、特定技能1号で最長5年間の比較的長期雇用が可能であるため、安定した労働力が確保できる点です。また、特定技能2号への移行により、無期限での雇用が認められ、外国人労働者の定着が期待できます。この制度の柔軟性により、企業は長期的な人材育成や安定した生産体制の構築が可能になり、特に飲食料品製造業のような技術や知識を必要とする分野で、即戦力となる外国人労働者を確保しやすくなっています。

3. 採用対象となる外国人の要件:誰を雇用できるのか?

続いて、外国人材が特定技能を取得するための主要ルートについて、また全ての候補者に共通する事項について解説します。

3.1. ルート①:試験合格者の基準

  • ● 技能水準:「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の合格(合格基準:満点の65%以上など)
  • ● 日本語能力水準:「JLPT N4以上」または「JFT-Basic A2レベル以上」の合格
  • ● 試験の実施国(国内、フィリピン、インドネシア等)、実施頻度、形式(CBT/PBT)

飲食料品製造業分野で働きたい外国人労働者(特定技能外国人)は、「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」に合格しなければなりません。合格基準は満点の65%以上であり、業務に必要な技能水準を証明します。また、日本語能力は「JLPT N4以上」または「JFT-Basic A2レベル以上」の試験合格が求められます。試験は、国内をはじめ、フィリピンやインドネシアなどで実施されており、頻度は年数回程度です。試験形式は、CBT(コンピュータベーステスト)とPBT(ペーパーベーステスト)の2種類があり、外国人材は自国で受験できる利便性があります。これらをクリアすることで、特定技能1号を取得し、日本で働くことができます。

3.2. ルート②:技能実習2号(良好)修了者の条件

  • ● 対象となる技能実習の職種・作業(飲食料品製造関係)
  • ● 「良好に修了」の定義
  • ● 技能試験・日本語試験が免除されるメリット

技能実習2号(良好)修了者は、飲食料品製造業などの対象職種で、実習計画に基づく作業を良好に修了した者が対象です。「良好に修了」とは、技能実習期間中に評価基準を満たし、定められた業務を適切に実施したことを意味します。この修了者は、特定技能1号への移行時に、技能試験や日本語試験が免除されるメリットがあります。これにより、一定の技能水準と日本語能力が既に証明されているため、特定技能の取得がスムーズに行える点が大きな利点です。この移行措置により、実習生のキャリア形成を支援し、企業も優れた人材を確保しやすくなります。

3.3. 全ての候補者に共通する必要要件

  • ● 年齢(満18歳以上 ※試験受験は17歳以上可)
  • ● 健康状態が良好であること
  • ● 有効なパスポートを所持していること
  • ● 保証金の徴収や違約金の定めがないこと
  • ● その他、出入国在留管理庁が定める基準に準拠すること

4. 受入可能な業務と事業所:どこで・どんな仕事を任せられる?

ここで、特定技能外国人が従事できる主たる業務の定義(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生)について見ていきましょう。

4.1. 具体的な業務内容:13の業務区分リストと作業例

特定技能外国人が従事できる主たる業務の定義(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生)における13の業務区分と、それぞれの作業例は以下の通りです。


  1. 1. 飲料・食品の製造
    • 作業例:ジュースや清涼飲料水の製造ラインでの原料投入やミキシング作業

  2. 2. 加工食品の製造
    • 作業例:冷凍食品の製造過程でのカットやパッキング作業

  3. 3. 冷凍・冷蔵食品の製造
    • 作業例:冷凍野菜の選別・加工および冷凍工程

  4. 4. 乾燥食品の製造
    • 作業例:乾燥スープや即席麺の乾燥工程での温度管理や袋詰め作業

  5. 5. 調味料の製造
    • 作業例:醤油や味噌の発酵工程でのチェック作業や容器詰め作業

  6. 6. 肉製品の製造
    • 作業例:ハムやソーセージの製造ラインでの肉のスライスや腸詰め作業

  7. 7. 魚介類の加工・製造
    • 作業例:冷凍魚の解凍・切り身作業、加熱処理

  8. 8. 乳製品の製造
    • 作業例:チーズやヨーグルトの発酵管理およびパッキング作業

  9. 9. パン・菓子の製造
    • 作業例:パン生地の成形や焼き上げ、菓子のデコレーション作業

  10. 10. 食品の包装
    • 作業例:製品の袋詰め、ラベル貼り作業

  11. 11. 衛生管理・品質管理
    • 作業例:製造ラインの衛生チェック、原材料の品質検査

  12. 12. 原料調達
    • 作業例:農産物や肉類の仕入れ、品質確認後の倉庫への運搬作業

  13. 13. 納品・在庫管理
    • 作業例:製品の出荷準備、在庫リストの管理や倉庫内整理作業

これらの業務区分において、特定技能外国人は製造、加工、包装などの作業に従事し、食品業界の生産活動を支えています。また、安全衛生や品質管理も重要な作業の一部となり、製品の品質確保や労働環境の改善に貢献しています。

4.2. 関連業務として認められる範囲と注意点

特定技能外国人は、原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理作業などの関連業務にも従事可能ですが、これらはあくまで「付随的」な作業であり、主たる業務である製造・加工・安全衛生管理が優先される点に注意が必要です。

4.3. 対象となる事業所:工場からスーパーのバックヤードまで【最新情報】

特定技能外国人が従事できる対象事業所は、工場からスーパーのバックヤードまで広範囲にわたります。日本標準産業分類に基づく対象業種には、食料品製造業、清涼飲料製造業、製氷業、および製造小売業の一部(菓子、パン、豆腐・かまぼこなど)が含まれます。これらの業種においては、外国人が製造・加工の現場で働くことが求められます。
最新情報では、総合スーパーや食料品スーパーのバックヤードにおける就業条件は、食品製造を行う場合に限られます。例えば、スーパー内での加工食品の製造や袋詰め、品質管理、衛生管理などが含まれますが、販売業務や接客業務は特定技能外国人の業務対象外です。製造に関わる業務の一環として、バックヤードでの作業が認められます。
また、製造小売業(菓子、パン、豆腐・かまぼこ等)では、製品を自社で製造し、そのまま販売する形態の業務が対象です。これには製造ラインでの作業、衛生管理、包装などが含まれ、製造過程の管理が求められます。いずれの場合も、外国人が従事する業務はあくまで「製造・加工」に限られ、販売業務は含まれません。

4.4. 対象外となる業種・業務の明確化

特定技能外国人が従事できない業種・業務には、酒類製造業や塩製造業が含まれます。また、飲食料品卸売業や飲食料品小売業(対象となる製造小売業を除く)も対象外です。具体的には、スーパー等でのレジ打ち、接客、品出し(自ら製造した製品以外)も対象外の業務です。さらに、百貨店、コンビニ、ドラッグストア等のバックヤードでの作業も、製造や加工業務を伴わない限り、特定技能外国人は従事できません。これらは、主に販売業務や流通業務に該当し、特定技能制度の対象外となります。



5. 受入企業の義務と準備:採用前にクリアすべき4つの必須事項

続いて、特定技能所属機関(受入企業)が満たすべき基準の概要について解説します。

5.1. 義務1:企業自身の適格性確認

  • ● 法令遵守
    労働基準法、社会保険法、租税法令を順守し、雇用契約、労災・雇用保険や健康保険・厚生年金への加入・保険料納付、法人・個人の税金支払いを適切に行っていること。
  • ● 欠格事由の回避(過去5年間)
    出入国・労働法令違反や刑罰(禁錮以上・罰金)歴など、重大な法令違反がない状態であること。
  • ● 非自発的離職の禁止(1年以内)
    特定技能外国人と同等の業務を担う日本人労働者が、企業都合や労働環境問題により1年以内に非自発的に離職していないこと。

5.2. 義務2:食品産業特定技能協議会への加入【手続き変更あり】

協議会の目的と役割

  • ● 加入企業同士の連携強化と制度・法令遵守の推進。
  • ● 地域ごとの人手不足状況の把握や調整、不正(引き抜き)の防止など。

加入申請の方法と加入後の協力義務

  • ● 農林水産省ウェブサイトのオンライン入会フォームから必要事項(企業情報・在留カード情報等)を入力し申請。
  • ● 申請後、事務局からのメールで指示される誓約書や営業許可証等のPDFを返信し、承認されると加入証が発行されます。加入後は制度運用のため、協議会への情報提供や協力が求められます。

  • ● 変更点:令和6年6月15日以降の新ルール
    在留資格申請の前に協議会加入証明書の提出が義務化されました。

5.3. 義務3:外国人支援体制の構築(自社支援 or 委託)

  • ● 1号特定技能外国人支援計画(必須10項目)
  • 1. 事前ガイダンス
  • 2. 出入国送迎
  • 3. 住居確保支援
  • 4. 生活オリエンテーション
  • 5. 公的手続補助
  • 6. 日本語学習支援
  • 7. 相談・苦情対応
  • 8. 交流促進
  • 9. 転職支援
  • 10. 定期面談

  • ● 自社支援する場合の要件
    支援責任者・担当者を社内に選任(責任者は常勤で中立性が必要)すること、外国人が理解できる言語能力を有していること、支援履歴や面談記録を書面化・保存する体制が必要です。

  • ● 登録支援機関へ委託するケース
    過去2年間に中長期在留者の受け入れ実績や相談対応経験がなく、自社で支援体制を整えられない場合は委託が必須となります。また、選ぶ際のポイントは対象国の言語対応能力や、費用の透明性、所在地の利便性などです。

5.4. 義務4:適正な雇用契約の締結

  • ● 雇用形態は「直接雇用」が原則となります。
  • ● 報酬額は「日本人従業員と同等以上」であること。確認方法は賃金規程、近隣同業種の賃金水準を勘案し決定します。
  • ● 労働時間、休日、休暇などの労働条件を明確化する必要があります。

5.4.1. 【重要】特定技能「雇用条件書」の記載必須項目と作成ポイント

  • ● 雇用条件書の役割
    勤労条件を明確化し、受入企業と外国人との間で合意内容を文書化して相互理解を確実にする重要書類です。

    • ● 記載必須項目
      • ○ 業務内容:従事する分野・業務区分を具体的に記述
      • ○ 就業場所:工場や事業所名・所在地、日本人と同じ就業ルールである旨明示
      • ○ 労働時間・休憩・休日:始業終了時間、休憩、年間休日等を明記
      • ○ 賃金:基本給・手当、残業深夜割増率、支払日の明示
      • ○ 退職に関する事項:自己退職・解雇時の手続き等を明記
      • ○ 社会・労働保険加入状況:健康保険・厚生年金・労災・雇用保険の加入について記載

  • ● 母国語での説明または併記 日本語だけでなく、特定技能外国人が理解できる言語(例:ベトナム語、英語)で併記・説明する必要があります。

  • ● 交付タイミング 在留資格申請時に雇用条件書(および雇用契約書の写し)を出入国在留管理庁へ提出し、書類不備は在留許可の支障となります。交付は内定時までに完了させておくことが重要です。


6. 採用コストはいくら? 想定される費用項目と概算

ここからは、採用決定から受け入れまでに想定される一時費用と受入後に継続的に発生する費用について解説します。

6.1. 初期費用(イニシャルコスト)の目安

  • 初期費用の主な項目と目安(1名あたり)
    費用項目 目安価格 内容
    人材紹介会社手数料 ¥150,000~¥900,000(年収の30~35%程度) 紹介や現地面接、書類支援を含む
    行政書士・申請代行費用 ¥100,000~¥200,000(+印紙代¥4,000程度) 在留資格認定や変更申請の対応
    渡航費 ¥30,000~¥100,000程度 航空券+空港送迎等含む
    住居関連費用 ¥100,000~¥500,000程度 敷金・礼金・仲介手数料、家具家電購入費用
    事前ガイダンス等の支援費用 ¥15,000~¥60,000程度(1~2回分) 入国前ガイダンス・生活オリエンテーションなど
    健康診断費用 ¥5,000~¥10,000程度 入社前の受診費用

    合計の目安
    1名の初期費用合計:おおよそ ¥360,000~¥1,560,000(ケースによっては¥800,000~¥1,300,000が一般的)

    6.2. 継続費用(ランニングコスト)の目安

    1. 登録支援機関への支援委託費用(月額)
    約15,000〜30,000円/人・月が相場で、平均は約28,400円/月

    2. 住居費補助
    家賃補助:企業の方針や地域にもよるが、月額1万〜5万円程度が目安。
    社宅維持費:光熱費や清掃費などの実費負担あり(1〜2万円/月程度)。

    3. 日本語学習機会の提供費用
     日本語教室等への参加支援:1回あたり10,000〜30,000円程度、または月額で同額

    4. 定期的な健康診断費用
    年1回程度の実施で、5,000〜10,000円/人が一般的。
    総合的な目安(1人・月単位)

    • ● 月額支援委託費用(15,000〜30,000円)
    • ● 住居補助(10,000〜50,000円)
    • ● 日本語学習支援(10,000〜30,000円)
    • ● 健康診断(月換算で500〜1,000円)

    ※合計で月額3万〜7万円程度が、外国人1名を受け入れた際の継続的なコストの目安です。 企業の支援方針や地域性に応じた予算設定が不可欠です。

    6.3. コストに関する留意点

    • ● 採用ルート(国内/海外)や支援委託の有無で大きく変動
      • ○ 国外採用では、人材紹介料(30~80万円)、送り出し機関手数料(10~60万円)、渡航費などが発生し、1人あたり総額70~150万円にもなります。
      • ○ 国内在住者採用は、紹介料・手続き代行費用・渡航費等が安く抑えられ、30~70万円程度が目安です。

    • ● コスト削減の工夫
      • ○ 国内在住外国人の活用:渡航費や送出し機関手数料の削減に繋がります。
      • ○ 技能実習2号からの移行:在留資格変更のみとなり、10~20万円程度の手続き料だけで済み、最大100万円超のコスト削減可能です。
      • ○ 自社内で支援体制構築:支援委託費(月額2~3万円)を削減でき、登録支援機関への委託が不要になります。
      • ○ 住居工夫:社員寮やゲストハウス形式などで住居関連費用を抑えられます。

    • ● 活用可能な助成金
      • ○ 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備コース)
        通訳費、翻訳機器、弁護士委託費などの支援費用に対し補助が受けられます。
      • ○ キャリアアップ助成金
        特定技能2号など長期就労者の待遇改善に活用できます。
      • ○ 地方自治体の支援制度
        渡航費や研修費の一部補助がある自治体もあり、活用によって負担軽減が可能です。


    7. 採用決定から入社までの具体的な流れ:7ステップ完全解説

    ここで、採用プロセス全体の流れを解説します。

    7.1. Step1:求人募集と候補者選定

    • ● 求人票作成のポイント(外国人材が重視する点:給与、住居、業務内容)
    • ● 募集方法(ハローワーク、人材紹介会社、自社サイト等)
    • ● 面接時の確認事項(技能レベル、日本語レベル、就労意欲、日本での生活設計など)

    7.2. Step2:雇用契約締結と雇用条件書交付

    • ● 内定通知と労働条件の最終確認
    • ● 雇用契約書と雇用条件書の作成・交付(母国語での説明)

    7.3. Step3:1号特定技能外国人支援計画の策定

    • ● 候補者の状況に合わせた具体的な支援内容の計画
    • ● 登録支援機関に委託する場合は委託契約の締結

    7.4. Step4:在留資格関連の申請

    • ● 【海外在住者】在留資格認定証明書交付申請(企業が代理申請)
    • ● 【国内在住者】在留資格変更許可申請(本人申請が原則だが企業や行政書士がサポート)
    • ● 申請に必要な書類リスト(申請書、雇用契約書写し、雇用条件書写し、支援計画書写し等多数)

    7.5. Step5:ビザ発給(海外)と入国準備

    • ● 在留資格認定証明書受領後、本人が在外日本公館でビザ申請
    • ● 渡航準備(航空券手配など)

    7.6. Step6:入国後の手続きサポート

    • ● 空港等への出迎え
    • ● 市区町村役場での住民登録、マイナンバーカード申請
    • ● 銀行口座開設、携帯電話契約などの補助

    7.7. Step7:就労開始前の準備と入社

    • ● 生活オリエンテーション(日本のルール、マナー、ゴミ出し、交通機関など)
    • ● 職場での事前ガイダンス(業務内容、安全衛生、社内ルールなど)
    • ● 社会保険・労働保険の加入手続き


    8. 【注目】特定技能2号(飲食料品製造業)の詳細解説

    ここからは、飲食料品製造業分野における特定技能2号の位置づけと将来性について見ていきましょう。

    8.1. 2号への移行要件:求められる熟練技能と実務経験

    • ● 技能水準:「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」の合格
    • ● 実務経験:飲食料品製造業分野で複数の作業員を指導しながら工程を管理する者として2年以上の実務経験が必要
    • ● 試験申込は当面、企業経由のみ
    • ● 実務経験の具体例 ※実務経験は日本全国・複数現場での経験も対象とされます。
        • ○ 2名以上の作業員(技能実習生・アルバイト・特定技能者等)を指導しながら作業
        • ○ 工程管理や部門統括を行う役職(ライン長・班長等)として従事

      8.2. 2号取得のメリット:無期限在留とキャリア形成

      本人のメリット

      • ● 無期限在留:3年・1年・6ヶ月ごとの更新で在留期間の制限がなく、日本に長期定着できることが最大の魅力です。
      • ● 家族帯同:配偶者および子どもの帯同が可能となり、家族と生活を共にできるため、安心感とモチベーションの向上につながります。

      企業のメリット

      • ● 熟練人材の永続的確保:期限なしで在留できるため、長期雇用と安定した人手確保が可能となります 。
      • ● 現場リーダーの育成:2号取得者は熟練技能と指導能力を有し、ライン長や班長として現場を牽引するリーダーとして活躍しやすく、組織の人材育成に貢献するでしょう。

      8.3. 企業が2号人材を育成・活用するためのポイント

      1号人材に対するキャリアパスの提示

      • ● 明確な昇進ルートを示すことで、外国人に仕事の目標を持たせましょう。
      • ● 「2号取得で無期限在留・家族帯同」や「現場リーダーへの昇格」など、具体的ゴール設定でモチベーション向上に繋がります。

      OJTによる実務経験計画

      • ● ライン長・班長といった管理経験を意識し、2年以上の部下指導ができる配置を計画的に設計しましょう。
      • ● 日々の業務の中で、工程管理・品質管理・安全衛生チェックなど上級業務を 段階的に担当させる体制が重要です。

      試験対策のサポート体制

      • ● 2号試験対策として、関連する評価試験やビジネスキャリア検定対策講座・模擬試験を社内で提供しましょう。
      • ● 問題分析や教材補助、受験時間中の業務調整などを企業が支援し、合格率向上をバックアップすると良いでしょう。

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      9. 採用後の定着支援と注意点:長期活躍を促す3つの施策

      ここで、特定技能外国人の離職・転職リスクとその背景や定着支援が企業にとって重要である理由について解説します。

      施策1:継続的なコミュニケーションと義務の履行

      • ● 定期面談の実施:支援責任者または担当者は、外国人労働者と少なくとも3ヶ月に1回の面談を実施し、労働条件や職場環境に関する相談・苦情に誠実に対応すること。
      • ● 届出の確実な履行:雇用契約の変更や支援計画の実施状況など、出入国在留管理庁への各種届出を定期的に行い、法令遵守を徹底すること。

      施策2:働きがいのある職場環境の整備

      • ● 安全衛生教育の徹底:HACCP等に基づく安全衛生教育を実施し、理解度を確認すること。
      • ● 多言語対応の業務マニュアル:業務マニュアルや掲示物を多言語化し、やさしい日本語を活用して、外国人労働者が理解しやすい環境を整備すること。
      • ● 異文化理解の促進:日本人従業員との相互理解を深めるため、異文化理解研修を実施すること。
      • ● 評価・キャリアアップ制度の整備:外国人労働者にも適用される評価制度やキャリアアップ制度を整備し、明示すること。

      施策3:生活基盤の安定化サポート

      • ● 住居支援の提供:寮や社宅の提供、物件探しの同行、賃貸借契約の連帯保証人、初期費用の立替え相談など、住居に関する支援を行うこと。
      • ● 日本語学習機会の提供:eラーニングや地域の日本語教室情報を提供し、日本語能力の向上を支援すること。
      • ● 地域コミュニティとの交流促進:地域のイベントや活動への参加を促進し、孤立感の解消を図ること。

      注意点:転職希望が出た場合の対応

      • ● 転職理由のヒアリング:転職希望者の理由を明確にし、労働条件、人間関係、キャリア等の要因を把握しましょう。

      • ● 自社での改善策の検討:転職理由が改善可能なものであれば、社内での対応策を検討し、実施しましょう。

      • ● 必要な行政手続きへの協力:転職が本人の意思である場合、必要な届出等の行政手続きへの協力義務を果たしましょう。


      10. 【まとめ】特定技能「飲食料品製造業」採用を成功させるために

      最後に、特定技能「飲食料品製造業」の外国人材受け入れは、計画的な準備と継続的な努力が不可欠です。以下に重要なポイントを再確認しましょう!

      1. 受入れ要件の複雑さと企業の責任

      受入れ企業は、農林水産省が定める「食品産業特定技能協議会」への加入や、適切な雇用契約の締結、支援体制の整備など、複数の要件を満たす必要があります。これらの要件を遵守しない場合、外国人材の受け入れができなくなる可能性があります。

      2. 適切な支援体制の重要性

      外国人材の受け入れには、生活支援や日本語教育、相談窓口の設置など、多岐にわたる支援が求められます。これらの支援を適切に行うことで、外国人材の定着率が向上し、企業の生産性向上にも寄与します。

      3. 2号への移行とキャリア形成の展望

      特定技能1号から2号への移行により、無期限の在留が可能となり、外国人材のキャリア形成が促進されます。企業にとっては、熟練した人材の確保とリーダーシップの育成が期待できます。

      4. 定着策の必要性と長期活躍の促進

      定期的な面談や労働条件の改善、キャリアアップの機会提供など、外国人材の定着を促進する施策が重要です。これにより、外国人材の満足度が向上し、長期的な活躍が期待できます。

      特定技能制度の活用は、企業の人材戦略の一環として、計画的な準備と継続的な努力が不可欠です。適切な支援体制と定着策を講じることで、外国人材の活躍を最大限に引き出すことができます。

      まとめ

      自社で外国人材の採用・手続きを行う際、時間的・人的コストの増大や法令遵守の難しさ、トラブルのリスクが課題となりがちです。また、採用活動や在留資格申請に多くのリソースを割くことになり、業務に支障をきたす可能性があります。さらに、特定技能制度は複雑で法令や手続きの変更に迅速に対応することが難しく、手続きミスや情報不足による遅延や不許可のリスクも考えられます。

      これらの課題を解決するには、登録支援機関や人材紹介会社を活用することをおすすめします。専門機関は、在留資格申請や届出の代行を行い、企業の負担を軽減します。また、最新情報の提供や運用方法に関するアドバイスを通じて法令遵守をサポートし、過去の事例を基にトラブルの予防や早期解決が可能です。ぜひ、こうした専門機関を利用し、外国人材の採用業務を安定的に運用しましょう。

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