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2025年に37万人が不足! 介護分野で技能実習生を採用する際のポイントは?

少子高齢化は日本が直面する最も大きな社会問題の1つですが、介護分野では働き手が足りていません。以前に厚生労働省は、2025年に介護人材は253万人が必要であるものの、37万7000人が不足するという予測を発表し、政府も急ピッチで法を整備しました。2017年11月に技能実習法が施行され、その対象職種に介護が追加されたのです。では、介護業者が技能実習生を採用する際、どのような点に気をつけるといいのでしょうか?

儒教思想が強い国は「お年寄りを敬う」文化が

一般的に日本や中国、韓国は儒教の国で、年配者を敬う文化があると言われています。意外と知られていないかもしれませんが、ベトナムも儒教を受容しており、現在、介護分野の技能実習生の多くがベトナム人なのです。とはいえ、誰もが目上の人を敬うとは限りませんので、面接の際に家族との関りや、身近なところで高齢者に接する機会があるかどうかを聞く必要があります。

面接で必ず聞くべき3つのこと

介護分野では高齢者やスタッフと接するため、コミュニケーション能力が特に必要とされます。未経験であっても、事前研修でスキルや知識を身につけられますが、面接の際は技能実習生の人柄を知るために、以下の質問をしましょう。

①あなたの家族構成は?実習生として日本へ行くことを家族は理解していますか?

日本は核家族化が進んでいますが、三世代で住む大家族が多い国もアジアにはあります。祖父母と一緒に住んだ経験が長ければ、自分の家族に接するように介護に当たってくれる可能性があるでしょう。また、帰国後に自分の家族をサポートするために日本で技術を学び、経験を積みたい人も少なくないはずなので、家族構成や家族との関係は重要ポイントです。

②母国で一番楽しかったことは?

どのようなことに関心を持ち、どのようなことに打ち込んできたかを知ると、人となりが見えてきます。

③日本について知っていることは? 日本の社会や職場でルールを守れますか?

日本に対する強い憧れだけで任務が務まるほど、介護の仕事は甘くありません。採用のミスマッチを防ぐために、面接では日本の社会や介護業界の慣習やルールだけでなく、メリット・デメリットも伝えましょう。以下の項目で詳しく見ておきます。

技能実習生を受け入れるメリット

  • 介護分野は離職率が高いことで知られていますが、技能実習生の転職は、実習先の問題以外では認められていないため、基本的に転職の心配はありません。
  • 技能実習制度では、母国でも介護分野の業種に就いていることが求められますが、必要最低限の訓練を受けることで、現場での技能実習が可能に。そのため、介護分野の業種が未経験からでも始められるので、採用しやすい面もあります。
  • 最低訓練の期間は、2か月以上の期間かつ320時間以上。そのうち1か月以上の期間かつ160時間以上の課程が入国前講習です。
  • 技能実習制度は最長で5年間の研修期間です。特定技能の在留資格ができたことにより、技能実習3年間を終了した後に、特定技能への切り替えが可能に。同じ実習生が長く働けるようになるのは、受け入れ先にとっても良いでしょう。

デメリット(実習生受け入れには厳しいハードルが……)

  • 介護分野では高齢者やスタッフとのコミュニケーションが求められるため、「基本的な日本語を理解することができる」レベルである日本語能力試験4級(N4)に合格することが必要。しかし、そのために必要な漢字の数は約300と言われており、非漢字圏出身の実習生にとって難易度が高いことが懸念されます。
  • 技能実習制度の介護分野での受け入れができる事業所は限られています。例えば、訪問看護サービスを担う事業所は、日本語が十分にできない実習生が高齢者の自宅を訪問すると、トラブルが起こる可能性があるという理由で、サービス付き高齢者向け住宅は実習生を受け入れていません。また、実習生を受け入れる業者は開設してから最低3年の施設に限定しています。
このような長所と短所を検討しながら、介護業者は技能実習生を採用するかどうか決めましょう。

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