少し大変だけど、費用の回収は早い! 受け入れ方式のわずか3%しか占めない「企業単独型」とは?
2021.01.26
技能実習生制度には「団体監理型」と「企業単独型」の2種類の受け入れ方式があります。本稿では後者について見ていきます。
【関連記事】実習生の受け入れ方式で約97%を占める「団体監理型」を徹底解説!
監理団体などを経て技能実習生を採用する団体監理型と異なり、企業単独型は、監理団体を通さずに、企業自身が直接、海外の支店や関連企業から実習生を受け入れるのが特徴です。監理団体の協力がない分、受け入れ企業は、実習生のビザの手配から日本語などの入国後講習、技能実習まで、すべて自社で行うことになります。また、実習生は受け入れ企業の現地法人などの「常勤社員」という位置づけになります。
企業単独型で実習生を受け入れるためには、受け入れ企業に下記のいずれかの海外事業所があることが条件となります。
①現地法人:現地の法律に基づいて設立された法人
②合弁会社:複数の企業が共同で出資した企業
③子会社:議決権の過半数を所有する会社
④関連企業:議決権の20%以上を所有する会社
また、次の3つの条件に該当する実習生であれば、企業単独型で受け入れることができます。
- 日本の公私の機関(=実習実施者)の外国にある支店、子会社、合弁会社など
- 日本の公私の機関と引き続き1年以上の国際取引の実績、または過去1年間に10億円以上の国際取引の実績を有するもの
- 日本の公私の機関と国際的な業務上の提携を行っているなどの密接な関係を有する機関として出入国在留管理庁長官および厚生労働大臣が認めるもの
メリットとデメリット
企業単独型の長所と短所を見てみましょう。
【メリット】
①受け入れ企業側は、実習生の人柄などを事前に知ることができる②監理費用が発生しない
③実習修了後も実習生には現地の支店や関連会社で働いてもらうことができる
④現地で日本語がわかる人材として橋渡し役を期待できる
⑤受け入れにかかった費用を回収しやすい
【デメリット】
①海外に支店や関連会社がある場合のみ可能②監理団体を通さないため、入出国の手続きや入国後の研修計画など全て企業自身で行う必要がある
わずか3%だけど
企業単独型は実習生の受け入れ方式の約3%にとどまっています。その主な理由は、中小企業の多くが現地に子会社や関連会社などを持っていないから。ビザの手配や実習計画書の作成など、多岐に渡る複雑な業務も、この受け入れ方式を選びにくくしているかもしれません。それでも、監理費用を抑えたり、企業側が率先して人材を採用できたりするなど、企業単独型にも多くのメリットがあります。可能であれば、前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
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